氷点 (上) (角川文庫 (5025))

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041437032

感想・レビュー・書評

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  • 昭和21年、旭川。辻口啓造は、三歳になる娘のルリ子を佐石という男に殺される。その時妻の夏枝は、啓造の同僚村井と密会中だった。妻を責めることが出来ない啓造に、ルリ子の代わりの女の子が欲しいと言う夏枝。啓造は佐石の娘を引き取り、夏枝にはそうと知らせず育てさせる事で娘を殺された報いとしようと考える。夏枝は啓造の目論見通り、『実の娘を殺した男の子供』に愛情を注いでいたが、ある日啓造が書きかけのままにしていた手紙を読んでしまったことで真相を知る。そして陽子もまた、自分が辻口家の実子ではないことに気付いていた。ここから夏枝のターン!
    読もう読もうと思い続けてやっと読んだ。もう全員ひどい。一人残らず自分のことしか考えてない。実子だろうが継子だろうが、また生死を問わず子供は道具だ。辰子が出てくるとちょっとほっとするけど、それは彼女が全ての責任の外にいるためだ。エキセントリックな人だし、自分の中の子供がそういう大人に反応するのだろう。ダブルヒロインのひとり夏枝がかなりの人格障害なことはもちろんだけど、陽子も実は相当。悪意なく平気で人を傷つけてしまうタイプだ。続くらしいが読んだら疲れそう。

  • 昔ドラマ化した小説。
    自分の娘を殺した犯人の子を乳児院からもらい、本当の子供として育てる辻口夏枝。彼女はその子が犯人の娘だとは知らずに育てている。
    知っているのは夫のみ。

    下巻に続く。
    陽子にこれからどのような展開が待ち受けるのか・・・。

  • 汝の敵を愛せよという言葉に対して自問自答する啓造の心の揺れ動きが非常に読んでいて苦しかった。が、最後に自分の中で答えとなるべくものが見つかって良かった。でも、一方の夏枝はいまだ夫を憎む気持ちが捨てきれずにいるはずで…とにかく早く下巻が読みたい。

  • 読んだのは学生のとき?
    どの登場人物の感情にも共感できる部分があって、読んでてひたすら悲しくなった。

    「汝の敵を愛せよ」の言葉から始まった夫婦間の復讐劇によって、美しさと残酷さを持つ人の心を描いてる。

    心が凍りつくまでの前編「氷点」と、劇的に代わる人間関係と赦しがテーマになる「続・氷点」で完結。

    二回?2夜連続特別ドラマになってる。

  • 前編だけだが、引き込まれる内容は、恐ろしい設定の中に、誰もが考えているんだろうと感じる心理がちりばめられていて、共感してしまう。後編に期待!

  • 上下巻、続氷点上下巻、読了。

  • 北海道旭川市の医師が、浮気?をした妻への復讐のため、娘を殺した犯人の実子とされる女の子をひそかに養子にして、妻に育てさせる話。その子供はすくすくと成長し、兄に恋心を抱き、実情を知った母親からいじめをうけるなどするが、その子供も実情を知り、自殺を図る。キリスト教の原罪をテーマにしたもので、当時のベストセラー。登場人部の内心がよく書かれており、全体的に読み応えがあり、よくできていると思う。

  • 中1で読んで衝撃的で強く記憶に残ってます

  • クリスチャンや、キリスト教が苦手で遠巻きにみていた作品。

    こんなに読ませる小説久し振りだ!という感動すら与えてくれる。


    夫婦の確執と不義、幼児の喪失、義子への仕打ち、血の繋がらない兄妹の感情の交差…
    これでもか、これでもかとある一家と取り巻く人々の話が出てくる。

    これらを飽きさせることなく読ませる三浦綾子の筆力に脱帽。


    ひとつひとつの事象に対して周囲の人々の腹の中を丁寧に描き出している手法が特徴

    何度も映像化したくなる気持ちがわかる

  • 許すとはなにか。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦綾子の作品

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