続 氷点 (上) (角川文庫 (5072))

著者 : 三浦綾子
  • 角川書店 (1982年3月発売)
3.62
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  • レビュー :86
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041437056

続 氷点 (上) (角川文庫 (5072))の感想・レビュー・書評

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  • 1回目はあまりに高速で読んだので、もう一回じっくり読んでみた。 罪とゆるしについて考えを巡らせる陽子に、実の母である恵子、弟の達也、順子などの人物が登場し、陽子がキリストの救いを知るまでを描いている。

    氷点の続編、というより、むしろここからが氷点の本番、というかんじの内容。
    人の持つ罪は根深い。なかなか気づけない。道をまわってまわってまわって、やっと少しずつ気づける。人のこころの描写が、三浦綾子さんは実に上手いなぁと思います。 たくさんのことを語ってくれる名作。

  • 自分はどのタイプっていうかんじではなく、揺れる感情がどの登場人物にも共感できるところが一つや二つあるところがなんだか心を見透かされているような感じ。物語が進につれて心情が変化していくんだけど、また嫉妬深さがでたり優しくなったり相手のことを思えたり。いろんな角度からの感情がイライラさせ、またちょっと共感しながら読んでました。
    でも辻口夫婦だからか。夫婦ってこんななの?

    しっかし生きるって大変だなぁ。
    罪を大きな石ころと小さな石ころで例えたところはおもしろかった。
    辰子さんかっこよすぎ。ひとり芯のあるひとがいるだけで救われる。

  • 2016.7.23
    下巻に記載

  • 2015.9.29「あなたは殺人犯の娘なのよ」という母夏枝の声を遠くに聞きながら睡眠薬を飲んだ陽子だったが、幸いにも命をとりとめた。目をあけた陽子を待っていたのは「殺人犯の娘ではない」という事実であったが、陽子にとっては不義の子である罪は一層に宥しがたいものに思われた。
    一方徹は、陽子の実母三井恵子に逢い、陽子が自殺をはかった経緯を告げるが、そのショックが引金になって、恵子は交通事故をおこし重症を負う。
    急ぎ病院に駆けつけた徹を、恵子の枕元でつきさすような眼差でみすえる少年がいた。ーーー
    人間の魂を揺さぶり、生きていく意義を問いかける感動の超大作。(裏表紙より引用)

    氷点では、人の罪深さ、醜さが浮き彫りにされながら、最後の陽子の自殺をもって、人間の罪深さは行為や感情にあるばかりでなくその存在の根源にあるのだと叩きつけられた。この続氷点では、氷点での出来事に未だ囚われ、かくあるべきになれない人間の愚かさ、醜さを様々な人物の視点や心情から描き続ける、原罪という視点もありながら、しかしその姿を受け入れ少しずつ、人間のもうひとつの一面、即ち希望や宥しという側面も描かれていっているような気がする。死ののちに残るのは、何を集めたかではなく、何を与えたかであるというのは、中々グサリとくる真実である。氷点を読んで私なりにも原罪について考えたが、それは人間の動物としての側面であり、この社会に生きるため、ルールやあるべき姿を教育され、そして理性の発達により心の奥底に押さえつけられた、本能のようなものではないかと思う。あらゆる人間にはこの、獣的な本性が眠っているのではないかと思う。そしてもう一方で、理性的自我がある。仮にこの理性のみの人間が存在するなら、在るべきように在り、成すべきように成す、まるでプログラミングされた機械のような存在ではないだろうかとも思う。この獣的自我と、機械的自我の葛藤こそが、人間の実存ではないだろうか。罪、醜さ、悪、愚か、それは人間の一側面であり、宥し、美しさ、善、賢なる姿もまた、人間の一側面であると思う。人間とは一体なんなのか、浮き彫りにされながら、考えさせられる作品である。罪が人間の根源にあり、それを除くことが人間の能力の範囲外にあるのならば、宥しもまた、人の手にある選択肢には成り得ないのだろうか。アダムとイブの楽園での罪、すなわち知恵の木の実を食べた=理性を得た罪は、中々に大きいように思う。

  • 陽子、以前は超人な聖人だったのに、その持ち味がいかされていなかった続編。。。

  • 氷点に続き、高校生以来の再読。
    このドロドロ感が堪らん...!

    人って、段々欲深くなっていく生き物だな、と。
    程度によるだけで、自分もそうなのかと考える機会にもなった。

  • 心 洗われる作品。
    重いテーマで描かれているけれど、
    読んで 心が軽くなった。

  • 『氷点』での事件(?)があってから陽子のプラス思考は薄れてしまうが、そこから少しずつ成長していく姿を見てると自分も色々気づかされる事があったので良かった。ただ、同じ様な事を啓造も考えてたりするが直ぐに夏枝や村井と接触する事によって台無しにしてしまうので情けない。でも、自分は陽子より啓造に近いと思うので悪くは言えない。 夏枝は前回の事がありながらも相変わらず。この人の考え方は怖い。辰子がおらんかったらどうなってるんやろ?夏枝の父親はええ事は言うけど結局娘は野放しやもんなぁ。

  • 一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである

  • 自殺をはかった陽子は一命を取り留めた。そして、自分の本当の出生について知るが、己は背信の結果として生まれた子だと、実の母を恨むことになる。ドロドロとした辻口家の人々の心の模様が生々しい。

    妻、夏枝に対し憎悪したり哀れんだり愛おしく思ったりする夫、啓造。人間そんなもんだよなぁとつくづく思った。特に、啓造は妻の軽い浮気に対し、そんな些細なことはもぅ気にすまいと何度も思いつつ、結局、事ある毎に蒸し返している。どうしようもない啓造だが、共感してしまう。人間って大層な事を言っている割にはこんなもんだよな、と激しく思った。

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