三日間の悪夢 (角川文庫 緑 454-6)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041454060

感想・レビュー・書評

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  •  凶悪な犯罪者が張り巡らす謎もなく。 緻密な頭脳で犯人のトリックをあばく名探偵もいない。


     日常のほんの少し先で起こる事件のあれこれ。
     その短編に登場する人物たちに優しさを感じてしまう。


     優しい探偵。
     優しい被害者。
     優しい犯人すら。




     後書によれば、作者は童話も書いていたとか。
     うなずける気がする。
     その優しい登場人物と矛盾せずに描かれるある種の悲惨さ、残酷さ。
     それは確かに童話に通ずるような気がする。


     この短編集には何人かの体に障害を持つ登場人物が出てくるのだが、その人物たちの描き方は決して優しいだけではない。それどころか酷な境遇も描かれる。体が弱かった作者ならではの想いがあるのだろうが、私ごときに推測することしかできない。

  • 社会的弱者に対する厳しくも温かい眼差しは、仁木悦子ならではのものだろう。

  • 「三日間の悪夢」「罪なき者まず石をなげうて」「虹色の犬」「ただ一つの物語」「恋人とその弟」「壁の穴」

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著者プロフィール

1928 - 1986。小説家。ミステリーや童話を手がけ、1957年に長編デビュー作『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞。明快で爽やかな作風で、「日本のクリスティー」と称された。1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞。無類の猫好きとして知られる。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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