道頓堀川 (角川文庫 み 6-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041469026

感想・レビュー・書評

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  • 「川」三部作のひとつ。
    大阪ミナミの歓楽街、道頓堀界隈を舞台に描かれる人間ドラマ。

    喫茶店のマスター、玉突きに没頭する息子、父親を亡くした大学生、ゲイバーで働くおかま、ストリップダンサーなど非常に多くの人物が登場するが、一人として嫌なやつがいない。
    作中の大阪弁も違和感がなく、親しみやすい。

    幻想的な「泥の河」「螢川」とは異なり、
    ストーリーはリアル。

  • 細かなことなど書かないが、宮本輝さんの小説、はじめて通読して、とても面白く読ませていただきました。戦後から高度成長期にかけての主人公たち、登場人物たちの機微が巧みに描かれた作品という印象を持ちました。
    実は、この作品、映像で見た記憶がありました。ずっと昔のことだと記憶するのですが。調べると、映画版とドラマ版があった由。きっと映画を観たのかなとは思うのですが、余りに前のことで、記憶が定かでなく。でも、原作を読んだことがないのは確かなので、ストーリーに記憶があるのは、映画を観たのだと思いました。
    それで、実際、DVDで観てみたのですが、今度は記憶がないもので、また、内容自体、原作とはかなり違っていました。私は、原作のほうが、じっくりと描かれていて、好きだなと思えました。

  • 宮本輝さんの書く大阪弁は、優しいてあざとさを感じません。ミナミで暮らす働く人間の臭いのようなものが伝わってきます。悲しさも感じるんですが、爽やかな読後感もあります。再読したいです。

  • 大阪、道頓堀川。
    物語は道頓堀川が泥のおかげでゆっくり流れるがごとく、川辺の界隈の日常が描かれている。
    人の心の描写も、こういうことがあったらこういう風に考えるんだ〜と、自分がもっている人の考え方の種類?思考のあり方?が新鮮なものが多かった。
    それでいて、不自然でなく穏やか。
    場所としては欲望渦巻くイメージであったが、どの登場人物も非常にさっぱりとしていて、きれいな生き方をしていると感じた。
    立派?すごい?ではなく、きれい、さっぱりが言い得ていると思う。
    地にしっかり足をつけた小説だった。

  • 川三部作の中では一番好きです。
    この小説に流れる雰囲気が何ともたまりません。
    道頓堀川周辺のミナミの風景が目に浮かび,とても愛おしく感じられます。

  • 宮本輝の描くその土地ならではの空気感と方言が大好きです。
    気温まで伝わってくるよう。

    川三部作の中では一番よかった。

  • 読始:2010.5.20
    読了:2010.5.22


    ビリヤードが出てくるということで薦められて読んだ作品w


    川三部作と言われるらしいが、他の二冊読んだことありませんm(_ _)m

    歓楽街界隈の人々の生活を切り取って並べた感じ。冒頭で


    『夜、幾つかの色あざやかな光彩がそのまわりに林立するとき、川は無数の生あるものを奪い取る黒い鏡と化してしまう。不信や倦怠や情欲や野心や、その他まといついている様々な夾雑物をくるりと剥いで、鏡はくらがりの底に簡略な、実際の色や形よりもはるかに美しい虚像を映し出してみせる。だが、陽の明るいうちは、それは黒汁のような色をたたえてねっとりと淀む巨大な泥渦である。』


    とあるが、まさに色々な人のうちにある情が絡まりあい、それの一端をそれぞれの視点から描いている感じ

    登場人物は複数出てくるが、過去に何を背負ってるのか、今後どうなるのか、何をとってもはっきりとはしない


    『大阪市の中心を南北に流れる東横堀川は、西へほぼ直角に曲がりきって、そこで道頓堀川となり、歓楽街をつらぬきながら
    尻無川と名を変えて大阪湾へ落ちていく。あぶくこそ湧くことはないが、殆ど流れのない、粘りつくような光沢を放つ腐った運河なのであった。』


    ともあるが、最後までこれが背景にある。

    過去から現在、そして未来への人のうちにある心情の変遷・葛藤・疑念はこの道頓堀川の流れのように混迷している。

    ラスト結果がどうなったかは誰にもわからない…

    易者の占いは未来の何を暗示するのか



    もう一度ゆっくり読み返したい作品

    今すぐではなく時間をおいて、読み直すことで深いところまで読み込めそうな作品

    ただ現段階では★★★

  • 2008/9/24
    関西弁が心地いい。
    関西人だからね。

  • 夜,幾つかの色あざやかな光彩がそのまわりに林立するとき,川は実像から無数の生あるものを奪い取る黯(くろ)い鏡と化してしまう。

  • 宮本輝氏の小説を敬愛している。
    どの作品でも共通しているのは、どこにでもあるような風景がとても自然に描かれ、登場人物一人一人の生き方が鮮やかであること。どこを切り取っても人間臭く、その人間臭さが、愛しく美しく描かれる。
    人生の歯車が少しずつ噛みあって、誰かと巡り合う。
    その巡り合いが、人生の面白さなのかもしれない。

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