葡萄と郷愁 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 190
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041469033

作品紹介・あらすじ

1985年10月17日、東京・ブダペスト。その日、それぞれの地に立つ2人の女子大生は人生を賭けた重大な決心をした-。若き外交官の夫人の座が約束された結婚を承諾した沢木純子、東側の国ハンガリーにおいては、夢のようなアメリカ移住を強く勧められるホルヴァート・アーギ。家族、友情、そして愛。人生の岐路に立ち、激しく揺れる2人。幸せを願い生きる、そのことが放つ光彩を見事にとらえた傑作長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 収録内容は以下の通り。

    本編
    連城三紀彦: 解説

    日本の沢木純子とハンガリーのホルヴァート・アーギ、2人の女性の人生の選択は、彼女たちが自身の住む社会環境をどう捉えるか、周りの若者たちがどう考えるか、それらの間で揺れる。
    若者の国家観が様々な出来事に呼応して揺らぐ様に、著者の若者に対する深い洞察が伺える。

  • 登場人物たちの奔放さとにはあまり共感できない。
    2つの物語が交互に登場するのだが、直接繋がらない話が交互に書かれているのは読み難かった。
    しかし、東京とハンガリーでの2つの「決断」の物語が、決断を迷いながらも現実や欲望、計算に日々が押し流されて、結果そう決断「してしまった」というような結末に落ち着いたことは腑に落ちた。
    人生は大なり小なり選択と決断の積み重ねであると思うのだが、その決断は熟考されたものであったり、時間によって流されて決めてしまったものであったり色々なのだと感じた。

  • トレンディードラマ、青春ドラマの原作本ならフジTVが喜びそうな作品である。若い世代には歓迎されるであろう。
    我々世代には軽すぎる。
    登場人物の中では孝介君の生き方が最も好きである。
    作中、五木ひろしの「横浜たそがれ」が出てきたのには驚愕
    。宮本の意図は?
    作家も生活費がいる。大衆に迎合したような作品である。そう!売るための小説だ

  • 1985年、東京。大学卒業を控えた純子は、幼なじみの恋人がいながらも、他の男からのプロポーズを承諾する。学友に打算的と罵られながらも、自分はなぜそのプロポーズを受けたのか、そして本当に自分の選択は間違っていないのか…。
    同じ日、ハンガリーのブダペストではアーギがアメリカの裕福な未亡人からの養女にという申し出を前に、祖国を、父を、恋人を捨てられるのかと自問自答していた。
    人生の岐路に立たされた若い女性二人の一日を切り取った作品。
    人はある時、非常に短い時間の中で重大な結論を出さなくてはならない。しかもその選択が正しかったのかどうかは恐らく死ぬ間際まで分からないのだろう。彼女たちもまた然り。
    それでも決然と選び取る一瞬を若々しく鮮やかに描いている。

  • 読んだあと、無性に胸が高鳴って、なんかすごい良い話を聞いた、そんな気持ちでワインを飲んだ。

  • 幸せの定義は、見つけようとしても見つからない。基本的に、通り過ぎたあとに「あ、あれか!」と思い当たるものだと思っている。瑞々しいはちきれんばかりの葡萄も、凝縮され時間を溜めこんだワインも、その味を思い出す時が一番おいしく感じると思う。

  • 好き

  • (1991.12.11読了)(拝借)
    (「BOOK」データベースより)
    1985年10月17日、東京・ブダペスト。その日、それぞれの地に立つ2人の女子大生は人生を賭けた重大な決心をした―。若き外交官の夫人の座が約束された結婚を承諾した沢木純子、東側の国ハンガリーにおいては、夢のようなアメリカ移住を強く勧められるホルヴァート・アーギ。家族、友情、そして愛。人生の岐路に立ち、激しく揺れる2人。幸せを願い生きる、そのことが放つ光彩を見事にとらえた傑作長編小説。

    ☆関連図書(既読)
    「蛍川・泥の河」宮本輝著、角川文庫、1980.02.29
    「優駿(上巻)」宮本輝著、新潮社、1986.10.25
    「優駿(下巻)」宮本輝著、新潮社、1986.10.25
    「ドナウの旅人(上)」宮本輝著、朝日新聞社、1985.06.30
    「ドナウの旅人(下)」宮本輝著、朝日新聞社、1985.06.30
    「異国の窓から」宮本輝著、光文社、1988.01.31

  • 生きる上でのよすがを過去と未来のどちらに求めるのか。世上並みには未来ということになるのだろうが、二人の主人公の選択において未来はかえって籠絡的であり、過去は奔放で清廉な印象さえ受ける。ただ「思い出は過去よりも未来に数多く待ち受けている・・・」という一節が印象に残る。

  • これの後に「異国の窓から」を読んだから、印象に残っている。
    読んできた宮本作品の中では読みやすかったし理解しやすかった。登場人物が学生で、共感しやすかったのかもしれない。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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