彗星物語〈上〉 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041469088

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  • “突如、彗星の如く”
    大阪に住む大家族、城田家にやって来たのはハンガリーからの留学生、ボラージュ。大黒柱の晋太郎、その妻の敦子、祖父の福造、末っ子の恭太、ビーグル犬のフックを含む家族13人と一匹の3年間の物語。


    宮本輝版のサザエさん、そんな印象。
    留学生ボラージュの登場により、城田家に訪れる喜びや憤怒の数々。
    恭太の成長、福造じいちゃんの太っ腹具合、娘たちの独立や不倫問題。
    妻であり、母親である敦子からの視点を中心に描かれるのは家族の絆。
    バラバラになりかけていた家族は、トラブルをいくつも潜り抜け、強く強く結ばれていく。

    重くなりがちな家族の物語を大阪弁の大らかな空気感と、困ったときは必ず何とかしてくれる頼れる福造じいちゃん、そして言葉を発することのない犬のフックがドタバタしつつも笑えてホッとして泣けるドラマに昇華している。
    ラストでボラージュが修業課程を終え、帰国する際のフックへの挨拶は、まるで城田家の一員になったかのように聞き入り、泣いてしまった。

    それぞれが大きな不安や悩みを抱え、ひとつ屋根の下に暮らしている。
    右を向いても左を向いても家族がいる。時に励まし合い、ぶつかり合う。
    “突如、彗星の如く”
    敦子の脳裏に“突如”浮かんだこの言葉のように、それぞれの人生に一瞬にして現れ、一瞬にして去っていく出会いや出来事は、それぞれの人生に大きな影響を与えていく。
    長いようで短い3年間で変わっていく、また変わらずにいる家族の物語が“突如、彗星の如く”読んでいる人にもきっと影響を与えていく。

    福造じいちゃんと犬のフックの本気のケンカなんか微笑ましくて羨ましい。
    末っ子、恭太の視点でも描かれるこの世界は、どこか懐かしくて、もどかしくて、キラキラ輝いている。


    宮本輝、その他の著書

    ・私たちが好きだったこと
    ・優駿
    ・ドナウの旅人

    などなど。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ハンガリーから、留学生ポラーニ・ボラージュがやってきた。新しい家族が加わった城田家のなかを走り抜けてゆく、とまどいそして衝突。だがボラージュのひたむきな生は、同じ屋根の下に住む人々を少しずつ変え、新しい絆と歓びを生んでゆく。そして一家の足もとに寄りそう、優しい老ビーグル犬・フック―。総勢十三人と一匹の大家族が織りなす、愛情と成長の物語。

  • 久しぶりの宮本さん
    大阪弁が
    いい味で

  • ハンガリー

  • 20年近く前の刊行だからか、家族観や教育感は少し古く感じる。家族内でいろいろな問題が頻発するが、解決したりしなかったり、味方になったり喧嘩をしたり。生の人間、生の家族が描かれていて面白い。

  • (下巻と一緒)

  • 後編へ続く。

  • 最高

  • 二十年近く前、この本が刊行された頃に読んだ記憶があります。
    ドラマ化もされたような・・
    ハンガリーから来た留学生ボラージュとビーグル犬フックを含め十三人の大家族の物語。
    上巻は はるばるやってきたボラージュの片言な日本語での自国の現状を聞き、日本との違いに驚く箇所と 反復語がない国の不思議さと 日本語をほめられてくすぐったい箇所(そろそろ、へなへなとかね)海外から来た人だからこそ判る日本を教えてくれる。
    今回読み返してみたのは ビーグル犬フックともう一度会いたかったから。
    以前読んだのは キキと暮らす前だったからさらりと読みましたが
    今回は うんうんと納得する部分多し(笑)

  • 宮本輝の作品のなかでもすごく好きな作品です。

    ちょっと苦しい時に読むようにしています。

    フックというビーグル犬がでてきて、その影響でわたしもサティというビーグルを飼ったのだよなぁ。
    このフックは誇張だろう、と思っていたら、ビーグルは本当に図々しくて食欲が強くて人懐こくて、何より人間が自分のことを嫌いだとおもってもいないという特性を持っていました。

    家族の問題や異文化の問題、思春期の話、離婚など、たくさんの話が盛り込まれていて、本当に心に響きます。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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