小説自民党対共産党 (角川文庫 緑 481-20)

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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041481202

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  • 20年ぶりの再読。1970年代は政治的には左傾化の時代で、当時の日本人は従来の保守政治に飽き足らず、環境、福祉、消費者政策など新しい価値を追い求めていた。著者は当時の田中角栄首相とライバル福田赳夫に加え、共産党を伸張させたマキャべリスト宮本顕治を中心に、当時の政治状況を描いていく。田中と宮本の対決シーンが描かれる訳ではないから、「自民党対共産党」は筆者の推測に過ぎないのだが、共産党と野党各党の駆け引きが注目されていた当時にこのような題の本を上梓したのだから、斬新な発想だったのだと思う。

    80年代に自公民路線が始まり、共産党は政治のメインストリームからはずされ、80年代以降を孤高の政党として過ごしていく。宮本は社会党との対比で共産党のプレゼンスを高めることには成功したが、社会党の支持基盤が長期的に劣化していく中では共に長い下り坂を辿るしかなかった。一方の自民党は派閥抗争に明け暮れて70年代を過ごしたように見えながら、結局はそれが活力ともなり、政策的にも軌道修正を加えながら、現在まで主役であり続けている。

    自民党の対極軸とは何か、この問題には30年間答えが見出せていない。そして現在、次の総選挙で自民党は政権交代の瀬戸際に立たされている、と報じられているが、果たして真に二大政党制は確立するのだろうか。■

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著者プロフィール

1923年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治学科卒業。読売新聞社政治部記者を経て、政治評論家として活躍。『小説吉田学校』は戦後政治を生々しく活写し、ベストセラーとなった。1983年没。

「2020年 『歴史劇画 大宰相 第十巻 中曽根康弘の野望』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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