狂王の庭 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 306
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041494158

作品紹介・あらすじ

「僕があなたを恋していること、わからないのですか」昭和27年、国分寺。華麗な西洋庭園で行われた夜会で、彼はまっしぐらに突き進んできた。庭を作る男と美しい人妻。至高の恋を描いた小池ロマンの長編傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 亡くなった美貌の祖母の家の解体時に、「開封厳禁」という大量の書類が見つかった。そこには、義理の弟に当たる人物が作った、壮大な庭における、禁断の関係が克明に記されていた。

    先に読んだエッセイから、ミステリ・ホラー作家という先入観があったのと、タイトルから、きっとなにか事件が起こるのだろうと読んでいくが、起こらない。内容もクラシックなロマン小説という感じで、読み慣れないジャンルともあり、なかなか読み進めることが難しかった。

    ところが、内容に進展があるわけでもないが、2/3を過ぎたあたりからトリップをしたかのように読み進められるようになる不思議な感覚を受ける。

    とにかく、お金持ちの男女の置かれている状況などが、すんなり受け入れられる人にとっては、マンガのようにスラスラと読める本であろう。

    また、クラシックや庭のディテイル、その他周辺知識についても、非常によく調べられており、ストーリーにもじゃまにならない程度でしっかり組み込まれているため、それぞれの表現はストレートなものの、厚みが出ていると感じられる。

    日記という建前もあるのだろうが、世間の動向などということはあまり考慮されない。だからこそ、少ない登場人物に集中させるあたりは、成功しているのではないか。

    まあ、半分までは読むのが辛くて☆1にしたろか、などと考えていたが、途中のイベントなども、メリハリを考慮して配置されており、よく出来たストーリーである。

    ただ、長い。疲れた。

  • 既婚女性が実の妹の婚約者と不倫。が、夫との間に子供が生まれ、その関係は収束。

    その子供が母親が亡くなった後事実を知る。その事のほうがストーリーとしては興味深いと思った。

  • ドラマ25捨ててよ安達さんで注目!
    庭を作る男と美しい人妻の恋を描いたロマンの長編。

  • 予備知識なく、表紙がキレイだなぁと思い手に取った1冊。
    不倫に全く興味はなく、そこに関しては何も感想はなし。
    大変そうだなぁ、としか。

    しかし物語の中に出てくる豪華な個人庭があるのなら、
    是非行ってみたい。

  • 杳子と青爾。妹の美夜。

    青爾の頭の中には 広大で自分で手がけた庭と、杳子しかなかった それが全てだった

    青爾と杳子は2人で一緒にいる時も 穏やかな時間というものは皆無だったのだろう

    杳子が妊娠したのが青爾の子だったら状況はどうなっていたのだろう どちらにしても2人が幸せになることは考えるのは難しい

    小池真理子さんは クールな何を考えてるかわからないような男性が好みのよう…

  • 映画化された小池さんの「二重生活」がとても面白かったので、「青山娼館」に続いて3冊目。
    少しどんなだろうと心ひかれる設定は、お上手。帯に書かれると、思わず手に取ってしまう気になる度。
    でも、3冊にして、3冊とも不倫が関わってくる。私は、不倫を目の当たりにしたこともあり、その実際の不潔さを気持ち悪く思っており、安易に本で煽りたてるネタではないと思っているので、不倫が出てくるとよくある設定に感じて、がっかりしてしまう。

    今度は、妹が惚れてやまない相手を奪うという人間的にも下衆な関係を描いていて、食傷してしまった。

    もう小池さんは、しばらくいい。

  • なんか・・・なんかな。

  • ヒロインである杳子の回想という形を取った物語で、杳子が亡くなった後から話は始まる。杳子は既婚者でありながら、妹の婚約者と恋に落ちるのだから、話題の芸能人も真っ青なゲスっぷり。しかも相手の青爾は仕事もできない芸術家肌の男で、ルックス以外のどこに惚れたのか理解に苦しむところだけど、ブレーキが効かないのは恋は盲目だからでしょう(そんな経験ないけど)。戦後まもなくという時代、旧侯爵家だとか運転手付きロールスロイスなんていう小道具が小池さんの耽美な世界と合っていて身勝手な杳子の思考にげんなりしつつも読了しました。

  • 青嗣さん、好きですね。すごく融通のきかない子供みたいな大人になれない大人だと思います。
    でも美学を貫き方がすごいというか、終盤の病み方はちょっと…と思いつつ、情熱的なところは好きになりました。
    時代は古い世界ですが、手紙や電話交換や社交界以外は普通の恋、でも不倫。
    妹さんはいい子すぎて可哀想すぎて、冒頭の今を思い返すとその後が気になりすぎます…。

  • 戦後間も無い東京を舞台に、何不自由なく暮らす良家の若奥様が、妹の婚約者と恋に落ち、彼の暮らす国分寺の邸の広大な庭で睦み合う……というどうしようもなく怠惰で身も蓋もないストーリーなのだが、なぜかとても美しく哀しい。退廃的で耽美な世界だ。
    彼女の娘が、母なき後に手記を手に入れ、それを紐解く……という形で始まっている(つまり上記の物語は本人による手記)ので、できれば娘が読み終えた後で何を感じたのか、最後に描写が欲しかった。あえて、読者を現実に引き戻さずに終わったのだろうか。

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著者プロフィール

小池真理子(こいけ まりこ)
1952年東京都生まれの作家。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞。その他の著書に、『二重生活』『無伴奏』『千日のマリア』『モンローが死んだ日』などがある。
2019年1月6日から、『モンローが死んだ日』がNHK BSプレミアムでドラマ化。主演は鈴木京香、草刈正雄。

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