懐かしい家 小池真理子怪奇幻想傑作選1 (角川ホラー文庫)

著者 : 小池真理子
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年5月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041494189

作品紹介

夫との別居を機に、幼いころから慣れ親しんだ実家へひとり移り住んだわたし。すでに他界している両親や猫との思い出を慈しみながら暮らしていたある日の夜、やわらかな温もりの気配を感じる。そしてわたしの前に現れたのは…(「懐かしい家」より)。生者と死者、現実と幻想の間で繰り広げられる世界を描く7つの短編に、表題の新作短編を加えた全8編を収録。妖しくも切なく美しい、珠玉の作品集・第1弾。

懐かしい家 小池真理子怪奇幻想傑作選1 (角川ホラー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 小池真理子は恋愛小説意外では初めて。
    これがかなり面白かった。

    彼女の描く恋愛小説では、男女間にあやうく孕む狂気が関係を破綻させていくことがあるけれど、このホラー短編集の狂気はそれとは異質で、「あっちの世界」のものだ。

    過去に死んだ不倫相手が、違う男の背中に現れる、エロティックな「公平の背中」や、とつじょ壁に現れる蛇口をひねるとおどろおどろしい液体がほとばしり、身近な人の死を伝える「蛇口」など、不気味で印象的な作品が8編収められている。どれも出色の作品なので、これはコストパフォーマンスの高い一冊だ。

    著者のホラーをもっと読んでみたくなった。

  • 読書会で小池真理子ぜひ読んでみて!と強くお勧めされたことがあり、初めて読んでみました。ものすごくよかった。どの作品も引き込まれた。ひとつ読み終えると、すぐ次のを読みたくなったけど、夜寝る前に読むのは、怖くて無理Σ(゚д゚lll)怖いけど、憧れる場面ばかりでした。懐かしい家は、映画異人たちの夏を彷彿させられた。あれもすごくよかったな。怖いけど、そっちに行ってしまう感じ、切ない。哀しく愛しい。

  • 怪奇小説とホラー小説をあえて区別するなら、本作は怪奇の方。怖さ酷さは少なめで、物悲しくて薄ら寒い感じ。TV「世にも奇妙な物語」的な短編が揃ってます。

    特に「康平の背中」に出てくる醜い子供が不気味。老人のようなしゃがれた声で「まんじゅう、くれえ」と叫ぶ。何者なのか、なぜ「まんじゅう」なのか詳細不明。ただただ不吉で禍々しい空気は、映画「呪怨」の俊雄を彷彿とさせる。

  • 表題作の「懐かしい家」がたまらなく良い。縁側のある和室も応接セットが置かれた洋間もある昔ながらの和洋折衷の家、という表現に、今はもう無い親戚の家が具体的に蘇るようだった。短いが「くちづけ」も良かった。

  • 夫との別居を機に、幼いころから慣れ親しんだ実家へひとり移り住んだわたし。すでに他界している両親や猫との思い出を慈しみながら暮らしていたある日の夜、やわらかな温もりの気配を感じる。そして私の前に現れたのは…(「懐かしい家」より)。生者と、死者、現実と幻想の間で繰り広げられる世界を描く7つの短編に、表題の新作短編を加えた全8編を収録。妖しくも切なく美しい、珠玉の作品集・第1弾。

  • 悪意や憎悪とは違う暗さが怪奇が素敵でした。

  • 小池真理子さん、初読み!
    ホラー短編集ですが、全くグロい描写もキモイ描写も突然何かが襲ってくることもなく、じんわりと怖い。映像は静かで薄暗くてノイズが入っている感じ、BGMは無い。おお、これぞジャパニーズ・ホラーなのか。『ミミ』,『神かくし』,『首』,『蛇口』,『車影』,『康平の背中』,『くちづけ』,『懐かしい家』の8編収録。

    『神かくし』と『蛇口』は途中でオチが見え始めてしまったけれど、文体とじめっとした雰囲気が嫌いじゃない。純粋に面白いと思って読んだのは、不思議な少女がピアノ教室にやってくる『ミミ』、死別した愛する人がやってきたのにこちらを向いてくれない『康平の背中』。
    そして『くちづけ』は大変短いのになんだか美しくて声に出して静かに読みたくなります。絵を描きたくなります。夢十夜を思い出すのは私だけではないはず。

    続編も読もう。

  • 最近ハマっている小池真理子さんのホラーチックな短編集。どれも面白かった。

  • 短編集。

    副題にもある怪奇幻想という言葉がしっくりくる。
    いわゆる怪奇現象は、平凡な日常の片隅に当たり前のように潜んでいて、いつでもその深く暗い穴をぽっかりと空けて、我々を待ち構えている。
    落ちるか否かは人智の及ばぬ領域である。

    なんて感想を抱いたが、どの作品も怖くなく驚きもしない。ただ平坦な物語の進行があるだけ。
    お世辞にも面白くはない。

  • しっとりとした雰囲気のホラー短編集。じわっとぞくっと怖い物語が多いのだけれど、「ミミ」や「懐かしい家」なんかは、どこかしら優しさを感じる部分もあります。異形のものとわかっていても、つい肩入れをしたくなってしまうなあ。
    お気に入りは「車影」。かなり分かりやすいホラーなのだけれど。ラストに残る思いがなんともやりきれません。

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