夢から醒めた夢 冒険配達ノート (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 298
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041497548

作品紹介・あらすじ

ピコタンはちょっと変わった女の子なのかもしれない。なぜかといえば、冒険をしたいと、いつも夢みているから。ある日、遊園地のお化け屋敷に迷い込み、同い年じらいの女の子の幽霊に自分と入れかわりになってくれと頼まれて、あの世へ-。この世とあの世、生と死の世界の垣根を跳びこえて、両方を見渡したとき、ピコタンが初めて知った愛、友情。ピコタンは、この世にまた戻ることができるのかな。いつまでも優しい気持ちを失わない、大人も子供も、いっしょに笑い涙する最高のファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 好奇心いっぱいの元気な女の子・ピコタンと、もう一度だけママに会いたいと願う幽霊の女の子のお話。

    先に劇団四季のミュージカル版に触れてから(と言うか死ぬほど感動してから)原作を読んだパターン。今回、十数年ぶりに再読しました。
    原作には霊界空港もエンジェルもデビルもメソも、更には夢の配達人のおじさんすらも登場しないんですが、その分テーマが明快で、この潔さがすごく好きです。

    「ピコタンのいちばんうれしかったことといったら――人を信じて、それに相手がこたえてくれたことだろう」(本文より)

    そうなんですよね~、後先考えずに幽霊との一日交替を買って出るピコタンを嘲笑するのは、他人を信じられない、つまり裏切ったり裏切られたりした事のある大人なんですよね~。だからまだ9歳のピコタンにしたり顔で「そんなに簡単に他人を信用するなんてバカだな」って言うんだけど、本当は、簡単に他人を信用できる(=信用に足る相手に出会える)ことの素晴らしさなんて誰でも分かっているというか、むしろ大人だからこそその尊さを思い知っているんだよな~。

    相手の境遇に心から同情し、且つ自分に置き換えて考える想像力と思いやりを持った少女。そんな彼女からの信頼に全力でこたえた、芯の強いもうひとりの少女。
    2人のたった1日だけの邂逅に、「人生意気に感ず」ってほんとこういう事だよね、と感じ入りました。

  • スーッと物語に入れてサクッと読めた。
    絵もあってファンタジーな世界観が面白かった。

  • 子供の頃に読んで、とても好きだった物語。
    大人になってから読んでもやっぱり心躍る物語です。

    好奇心旺盛で、素直で優しいピコタンの、とっても不思議な冒険奇譚。
    ワクワクハラハラしながら読めるエンターテインメント小説だと思います。

  • 初の赤川次郎作品。
    実家より送られてきた古書の中から、選んで読んでみた。

    良い〜。
    なんというか、昭和を感じる文体が好き。
    小学生くらいの時に読んでいた本の感じを思い出す〜、、、なんか、IT要素がないからかな?現代っぽくないのが、懐かしくて、とても良い。

    それからピコタンって主人公の名前も、この本のタイトルも、もうなんとも言えず、秀逸。

    劇団四季のミュージカルにもあるのね!
    是非観てみたいです。

  • 夢の中で、霊と一日だけ入れ替わって・・ まあそんなものかなという感じ。

  • 劇団四季のミュージカルで有名な話ですね。
    原作が赤川次郎氏の作品だとは知らなかった!

  • 何年か前の子供の学芸会でこれを見て劇団四季の本物を見て、やっと原作を読み終わりました。お芝居の方のわちゃわちゃした感じも大好きだけど、原作の方はシンプルで味わい深いです。

  • なんと絵本です。1日だけ幽霊になってみよう。幽霊になったからこそわかる生きることの素晴らしさ。

  • 大好きな劇団四季のミュージカルの原作本。
    推理系のイメージが強い赤川次郎の作品っぽくない。

    ミュージカルよく見てたから、その上で読むと何か物足りないかな。

    逆だと、ミュージカルに感動出来ると思う。

  • タイトルに聞き覚えあったが、劇団四季ミュージカルか。
    とにかくタイトルが秀逸。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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