二階の沈黙 (角川文庫 あ-6-63)

  • 角川書店 (1991年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041497685

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  • 読み終えたあとも、じわりと恐怖が残った。世の中には、善良な人間のふりをしながら、他者をモノのように扱える人物が紛れている――その事実を改めて突きつけられた気がする。

    直前に『明日死ぬ幸福の王子』を読んでいたこともあり、本作の冷酷さがより強く響いた。人間は有限だからこそ、できることに限りがあり、それゆえに負い目を抱える。私はその「負い目」こそ良心の源だと考えていた。だが、佐原にはそれがほとんど感じられない。彼はどこか万能感に満ち、自分が失敗する可能性すら想像していないように見える。普段の行いと矛盾するように思える「子どもを助けた行動」も、その万能感ゆえのものなのだろう。善意ではなく、いずれ使える「手札」が一枚増えた――その程度の感覚で。

    「身を挺して子どもを救う人は善人である」というステレオタイプを、容赦なく切り捨てる。そして、他者を思い通りに動かせる彼だからこそ、自分の思惑どおりにならないギャンブルに惹かれるのかもしれない。

    カバー紹介文から始まる冒頭の「佐原を殺したと思わせる」描写は非常に巧みで、読者は「子どもを助けたヒーローが悪人なのか?」と答え合わせをしながら読み進めることになる。その構成力に引き込まれはしたものの、後味は思わず感想を吐き出したくなるほど強烈で、決して軽い読後感ではない。

    読後の印象は人それぞれだが、この本を「雨降って地固まる」と捉えて、希望を見出す人もいるのだろうか?

  • 恐怖小説のようであり、推理小説のようであり、焦点が絞れていない。
    子供を助けてくれた勤め人。
    なぜ仕事を辞めたのか。

    再就職して次々事件を仕掛けるのはなぜか。
    結局失敗して亡くなるのであれば、どうなのか。

    雑誌への連載だったのか、
    話が飛んで行く。

    最後は赤川次郎らしいまとめに落ち着く。
    どこでどう切り替わったのかよくわからない。

    読み込みが甘いのか、
    読者層が違うのか。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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