三毛猫ホームズの駈落ち (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041497852

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  • 主人公兄妹と同じ名前で驚くが、展開が面白い。

  • 読書録「三毛猫ホームズの駈落ち」3

    著者 赤川次郎
    出版 角川文庫

    P71より引用
    “人の災難を見ても、手助けするより無関心でいたいのだろ
    う。ーーー考えようによってはなにより恐ろしいことである。”

     目次から抜粋引用
    “間違い続き
     目には目を
     あらし
     おわりよければ総てよし”

     警視庁捜査一課の刑事とその妹、そして三毛猫ホームズの3人家
    族を主人公とした、長編ミステリー小説。人気シリーズ第三弾。
     雨の夜、若い男女が手を取り合って走っていた。追っ手から必
    死に逃げる二人は、濁流に飛び込むのだった…。

     上記の引用は、とある人物が東京に出て来た場面での一文。
    うっかり手助けをしに行くと、八つ当たりで有りもしない責任を
    押しつけられる可能性を考えたら、無関心であることを責めるの
    も難しいような気がします。便利な生活はいいものでしょうが、
    何をするかわからない人達に囲まれて過ごす毎日というのは…。
     どんなにお金を持っていても、使い道がわからないのなら仕方
    ありません。いがみ合いに使うのならば、無い方がいいくらいで
    しょうか。

    ーーーーー

  • 土地持ちの大富豪・片岡家と山波家は先祖代々伝統的に犬猿の仲が続いていた。片岡家の長男義太郎と山波家の長女晴美が相愛の仲となって駈落ちするに至り、事態は益々紛糾した。それから12年、片岡家の三男と山波家の一人息子が刺し違えて死亡する事件が起こった。だがそこに殺人の匂いが、何と使用された凶器に指紋が無かったのだ!そして第2、3の事件が・・・。三毛猫ホームズ第3弾。


    三毛猫ホームズの駈落ち
    物語は片岡家の長男義太郎と山波家の長女晴美が相愛の仲となって駈落ちする12年前の出来事から始まります。私が思うこの「三毛猫ホームズの駈落ち」のテーマは「家族、愛のあり方とその変化」と思いました。


    まず家族、愛のあり方ですが、そもそも義太郎と晴美が駈落ちすることになったきっかけは両家の険悪な仲。彼らは互いに思い合うことさえ許されること無く死を覚悟して共に逃亡します。彼ら二人を追い詰めることになった最も大きなものは「家族のあり方、愛」だと思います。片山家はこうあるべきだ、山波家はこうあるべきだというよく言えば伝統を重んじた、悪く言えば凝り固まった古い考えが両家を支配しています。この支配は家族を愛するが故のものです。このゆがんだ愛が結局は今回の事件を生んだと思います。


    そして、家族と愛は次第に変化していきます。それは義太郎と晴美にいえることです。どれだけ愛し合っていても時間でその愛は変わっていく・・・それが常に悪い結果を生むわけでは勿論無いけど、悪い結果を生むこともある。そんな現実とリンクすることを感じました。


    しかし、こんな状況でもテンポ良く読み込めるのは片山のお陰です。彼に感情移入することでどんどん読んでいけます。片山は本当に心が広く優しい人間・・・、それは常々感じます。


    さて、この事件は最終的に勿論終焉します。しかしこの事件のきっかけを生んだ両家は今後どうなるのか?そこをしっかり読者に考えさせるところがこの作品の良いところ。

  • このシリーズは結構順序ばらばらに読んでいたり。ロミオとジュリエット・赤川次郎が好きな人にはちょっとおすすめです☆

  • カバー折り返しには「三毛猫シリーズ第三弾!!!」と書いてあるのに、解説では「三毛猫シリーズ第五弾」となっている不思議。角川文庫からは第三弾で光文社文庫からは第五弾ということかしら。


    殺人事件のトリックの解明よりも、登場人物の人間関係が面白かったです。
    ロミオとジュリエットがもし無事に駆け落ちできていたらどうなっていただろうかをベースにしているのですが、まさかそういう展開にするとは。
    でも最後の謎解きに出てきたもう一組のロミオとジュリエットの解釈はちょっと…。もう少し伏線というか示唆するというか前振りがほしかったです。そこまで推理できた読者はいないんじゃなかろうか。

  • 三毛猫ホームズシリーズでは5作目。
    「トリックが面白い」と、ある本に書かれていたので手にしてみました。

    トリックの基本的な内容は別の本で見かけたことがあったので、新鮮味には欠けましたが(ただし本書の方が発行は先)、このシリーズはトリックや謎解きよりも、ホームズを始めとする登場人物を楽しむものなのかなと思います。

    本書の解説にもあるように、この本の面白さの一つは『ロミオとジュリエット』を下敷きにした、結ばれることが許されない悲劇の二人が駈落ち後「どのような未来を選んだか」にあると思います。
    もし仮に、ロミオとジュリエットが死別することなく、逃げ切ったとしてその後どのような物語が続いたか?そんな疑問へのちょっとビターな回答と考えると面白いですね。

    ストーリー的には「片岡、山波両家の息子の刺し違えの理由」など終盤戦の展開が少々強引ではないか?もうちょっとサイドストーリーや複線が張られていてら読み手の受ける印象も変わったのに残念です。

    それにしてもこの「三毛猫ホームズシリーズ」すでに40冊も刊行されているんですね。
    シリーズモノでこれだけ続のは、やはりそれだけこのキャラクター達が愛されているということなんでしょう。


    KEY WORD>>三毛猫ホームズの駈落ち(著:赤川次郎)
    田舎の大富豪、片岡家と山波家。代々犬猿の仲であったこの両家で、片岡家の長男と山波家の長女が駈落ちしたのが12年前であった。そして現在、相変わらず不仲の両家で今度は、片岡家の三男坊と山波家の一人息子が刺し違えて死亡する事件がおこる。
    真相は不明なままに、跡継ぎ問題をも巻き込み新たな事件がまた・・・。

  • 読んだことのない作家の作品を読んでみようと赤川次郎に初めて手をのばしました。
    二時間ドラマのように手軽にそこそこ楽しめました。

  • 大富豪・片山家と山波家は先祖代々伝統的に【?】犬猿の仲が続いていた。片山家の長男義太郎と山波家の長女晴美が駈落ちするに至り、事態は益々紛糾した。それから十二年--。

著者プロフィール

赤川 次郎(あかがわ じろう)
1948年、福岡県生まれ。76年『幽霊列車』でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。以後続々とベストセラーを刊行。
代表作「三毛猫ホームズ」シリーズ、「天使と悪魔」シリーズ、「鼠」シリーズ、『ふたり』『怪談人恋坂』『幽霊の径』『記念写真』他、著書多数。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞受賞、16年、『東京零年』で第50回吉川英治文学賞を受賞。
執筆作は500作を超え、累計発行部数は3億を突破。メディア化された作品も数え切れない。

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