- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041500033
感想・レビュー・書評
-
「時の石」「黴」「BURN」の三部作。
実は「黴」を読んだ時点でなんだか疲れてしまって、全部読み終わっていないのに返却してしまった。
また借りてこようと思う。
SFは何となく苦手だったのだが、この本を読んで「あ、これなら読めるかもしれない」と思ったり、思わなかったり。
「時の石」
ある日河原で見つけた不思議な光沢のある石は、人によって感じる重みの違う石だった。
なかなか共感ができた内容だったと思う。
後半の展開は、無いわー(笑)って感じだったが、SFってこんなもんなんだな、とも思う。
どうでもいい話だが、私にはなんだか主人公の友人が「怪しく」見えた。えーと…友情以上のなにかが…。
なんて言っていたら、友人に、「そういう本ばっかり読んでるからやろ、なんともないって」といわれてしまった(笑)
皆さんどうだろう、そういうのが好きな人はちょっと読んでみてもいいんじゃないだろうか。邪な感想で最悪。(笑)
「黴」
なかなか面白かった。時の石よりちょっと好きだったり。
にしても気持ち悪いね。普段SF読まないせいか、ちょっと想像して気持ち悪くなった。
エイリアン、とかそっち系のSF。好きな人は好きだろうなぁ。
迫りくる黴の恐怖!今思うとちょっとチープな感じもするけど、読んでいた時は、面白くてサクサク進んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20年以上前に読んだきりなのに、嫌なことがあると、時の石を抱いて寝れば、いやそれはダメなんだ!と思う。
時の石が無くても、同じことはできるが、ダメなんだと思う。
黴の話しは、世紀末の風景の心象風景と化した。 -
-
2019/07/23
-
コメントありがとうございます(^^)
ずい分ご無沙汰だったので、お返事が遅くなってしまってすみません。
私は自分のレビューを見てもぼんや...コメントありがとうございます(^^)
ずい分ご無沙汰だったので、お返事が遅くなってしまってすみません。
私は自分のレビューを見てもぼんやりしか思いだせません。なのに、こんなコメントをいただいて嬉しいです。
2019/08/02
-
-
とても読みやすい。表題作「時の石」が良い。
ぼくと友人は河原で形容しがたい不思議な石を見つける。
後日、その石を握り締めたまま、友人が自殺してしまう。
「時の石」に隠された秘密とは…。
平明な文章で描く爽やか風味のSFミステリー。 -
栗本薫さんのいつまでも色褪せない、日常のようで世界が変わっていくSFが面白いなぁと思う。
時の石 人によって重みが違い、一番幸せな時に時間を止める石。石も印象深いけど、自分にとっての、大好きな先生と自分を引っ張ってくれる同級生がいたらいいな
黴 小松左京のような黴が人類をあっという間に征服する絶望。黴の白が清く、それでいて禍々しい光景なのだと思う
BURN 紫の太陽、オレンジの苔、緑のビル。いったん崩壊した世界に慣れてしまったら、また秩序と階層の現代社会に戻るのは難しそう -
時の石、黴、BURNの3編。以前読んだことがあり再読。時の石、黴が印象深い。特に黴、最終場面で引用される「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ」の詩がぴったりあう。時の石もラストのシーンとそれまでの流れが印象的。それに比べるとBURNは少し印象が薄い。語り手の楽天的な語りにはなんかイメージが悪いという感じかな。
-
初読は30年以上前、高校生になった頃。
すごくおもしろい本を見つけたのに、まだそういう話の出来る友人が学校にいなくて寂しく感じたのを覚えてる。 -
河原で拾った不思議な石ころ。それを持ち帰った飯沼はその夜自殺を図る。ー時の石
黴は以前アンソロジーで飲んだので飛ばし。
ある朝目覚めたら、世界が変わっていた。人々はいなくなり空には紫の炎が燃えるー紫の炎
読み終わった時、この本を読んでいるのは私だけ、という感じがした。すごい。
ちょっと違う次元の話としては五分後の世界を読んでいたが、面白く読めた。
最後に出てくるその世界独自の生き物が安易すぎるかなという気がして読後感はあまりよくなかった。 -
「時の石」
「黴」
「BURN(紫の炎)」
「時の石」
最初の高校生の会話でちょっと好きになれないかと感じたが、読み終わってから栗本さんの短編のなかで最も心に残る一編になった。
「一生の中で、いちばん美しい時、楽しい時はもう行ってしまった」と思ってしまうことが自分にもよくある。そうした過去にしか向かわない気持ちを、もっと楽しい時、幸せな時をこれから先で作ろう、そう考えることで上塗りする。これを繰り返している。
頭のなかでは理想的ではないと思っても、強力なノスタルジーの引力に従うのはある意味幸せ。
本編の幕引きも、青春ものとして良い終わり。
「黴」
静かで、美しい終末。
しかし、栗本さんの短編って最後に「語る」人間がたびたび登場するなあ。 -
最後の話が好き。多分、この本がきっかけでSFが好きになったんだと思う。
著者プロフィール
栗本薫の作品





