時の石 (角川文庫 緑 500-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041500033

感想・レビュー・書評

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  • 「時の石」「黴」「BURN」の三部作。
    実は「黴」を読んだ時点でなんだか疲れてしまって、全部読み終わっていないのに返却してしまった。
    また借りてこようと思う。

    SFは何となく苦手だったのだが、この本を読んで「あ、これなら読めるかもしれない」と思ったり、思わなかったり。

    「時の石」
    ある日河原で見つけた不思議な光沢のある石は、人によって感じる重みの違う石だった。
    なかなか共感ができた内容だったと思う。
    後半の展開は、無いわー(笑)って感じだったが、SFってこんなもんなんだな、とも思う。
    どうでもいい話だが、私にはなんだか主人公の友人が「怪しく」見えた。えーと…友情以上のなにかが…。

    なんて言っていたら、友人に、「そういう本ばっかり読んでるからやろ、なんともないって」といわれてしまった(笑)
    皆さんどうだろう、そういうのが好きな人はちょっと読んでみてもいいんじゃないだろうか。邪な感想で最悪。(笑)

    「黴」
    なかなか面白かった。時の石よりちょっと好きだったり。
    にしても気持ち悪いね。普段SF読まないせいか、ちょっと想像して気持ち悪くなった。
    エイリアン、とかそっち系のSF。好きな人は好きだろうなぁ。
    迫りくる黴の恐怖!今思うとちょっとチープな感じもするけど、読んでいた時は、面白くてサクサク進んだ。

  • とても読みやすい。表題作「時の石」が良い。

    ぼくと友人は河原で形容しがたい不思議な石を見つける。
    後日、その石を握り締めたまま、友人が自殺してしまう。
    「時の石」に隠された秘密とは…。
    平明な文章で描く爽やか風味のSFミステリー。

  • 初読は30年以上前、高校生になった頃。
    すごくおもしろい本を見つけたのに、まだそういう話の出来る友人が学校にいなくて寂しく感じたのを覚えてる。

  • 河原で拾った不思議な石ころ。それを持ち帰った飯沼はその夜自殺を図る。ー時の石
    黴は以前アンソロジーで飲んだので飛ばし。
    ある朝目覚めたら、世界が変わっていた。人々はいなくなり空には紫の炎が燃えるー紫の炎

    読み終わった時、この本を読んでいるのは私だけ、という感じがした。すごい。
    ちょっと違う次元の話としては五分後の世界を読んでいたが、面白く読めた。
    最後に出てくるその世界独自の生き物が安易すぎるかなという気がして読後感はあまりよくなかった。

  • 「時の石」
    「黴」
    「BURN(紫の炎)」

    「時の石」
    最初の高校生の会話でちょっと好きになれないかと感じたが、読み終わってから栗本さんの短編のなかで最も心に残る一編になった。
    「一生の中で、いちばん美しい時、楽しい時はもう行ってしまった」と思ってしまうことが自分にもよくある。そうした過去にしか向かわない気持ちを、もっと楽しい時、幸せな時をこれから先で作ろう、そう考えることで上塗りする。これを繰り返している。
    頭のなかでは理想的ではないと思っても、強力なノスタルジーの引力に従うのはある意味幸せ。
    本編の幕引きも、青春ものとして良い終わり。

    「黴」
    静かで、美しい終末。
    しかし、栗本さんの短編って最後に「語る」人間がたびたび登場するなあ。

  • 栗本薫さんの小説はどれも読みやすい。
    この小説もスッと物語に入りそのままスムーズに読む事が出来た。
    才女のイメージがあり、さぞや難解な小説を書くんだろうと思っていたけれど・・・。
    本当に頭のいい人は全てを自分の中で咀嚼して、人に分かりやすく伝える事が出来るんだな~と栗本薫さんの本を読むといつも思う。

    これは、3篇からなるSF短編集。
    「時の石」
    思い悩む友人と河原で話をする僕は小さな石を拾う。
    直径7~8cmの、妙な形をしたその石は地球全体を持っているのかと思うほどに重く冷たかった。
    所が、その石を手にした友人は、軽く熱いと言う。
    友人はその石を持った時、過去の楽しい思い出の中にしばし浸り陶酔する。
    それからしばらくして、友人はその石を握ったまま自殺を図ってしまう。
    友人の自殺に石が関係していると思う僕は石の謎を探っていく。

    その人の過去の一番いい、楽しかった時間を見せてくれる石。
    ずっと・・・永遠に。
    最初これを読んだ時、何て素敵な石・・・と思ったけれど、それはほんの一瞬だけ。
    嫌な事がたくさん待ち構えている未来でも、既に経験した甘美な思い出より、まだ見てないものを見たいという好奇心の方が私には強い。
    今までつらい事があっても生きてきた、その年月が途端にもったいないと思えた。

    「黴」
    それはレモンティーに添えられたレモンにほんのちょっぴり生えた黴から始まった。
    切ったばかりの新しいレモンに何故、黴が?
    その後、黴は猛烈な勢いで街を世界を覆っていく。

    「BURN(紫の炎)」
    突然目が覚めるとそこは異世界だった。
    自分以外の誰もいなくなってしまった異様にカラフルな世界。
    主人公の青年はその世界を彷徨う内、一匹の狼と少女と出会う。
    少女は生き残った仲間たち300人で組織するグループで新世界での体制作りをしていると言う。
    そして主人公にも自分たちの仲間にならないかと誘うが-。

    こういう世界に突然たった一人でいるとなったら・・・。
    そして、そんな世界で他の生存者に会ったら・・・。
    その主人公の心の流れ、行動が全て共感できた。
    ああ、私もこう思うだろう、こうするだろう、と見ていて思った。

    『自分のほかに、誰ひとりいなくなった世界、というものを、一度も夢想せぬ人間は、おそらく、よっぽど幸福なのか、あるいはよっぽど鈍感で、現世的な欲望にだけとらわれているのにちがいない』
    この文章を読んで、とても嬉しくなった。

    この物語のテーマは深い。
    こんな突然変異の中でも、その異変が起こらなかった頃のやり方を変えず、人間だけは他の生物とは違うのだ、必ず種を残さねば・・・と特別視する人間たち。
    そのやり方、考え方に違和感を感じた。

    SF短編集ですが、どの話も重く深いいテーマを含んでいて、読み終わった後、色々考えさせられる本です。

  • 最後の話が好き。多分、この本がきっかけでSFが好きになったんだと思う。

  • 表題作のほか、収録されている短編も秀逸。

    特に黴は、実際に静かな世界に包まれていく感覚に襲われた。

  • 栗本薫さんのSF短編集。世界が全て黴に包まれていく終末的ストーリーの中で主人公が世界に踏み出していくシーンに勇気が沸いてきます。

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