六道ケ辻 ウンター・デン・リンデンの薔薇 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041500590

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  • ウンター・デン・リンデンの薔薇
     序章 封印された名前

     第1章 佇む初夏
      プロローグ
      1 始まり 菫と薔薇
      2 菫色のノート・1
      3 菫色のノート・2
      4 菫色のノート・3
      5 菫色のノート・4

     第2章 残酷な夏
      1 接吻
      2 裁縫室
      3 夏
      4 菫色のノート・5

     第3章 夏の終り
      1 軽井沢
      2 第1の惨劇
      3 縊死
      4 短すぎた夏
      5 菫色のノート・6

     第4章 震える秋
      1 新学期
      2 悪霊
      3 震える秋
      4 カッサンドラ

     第5章 ウンター・デン・リンデンの薔薇
      1 ハムレットは血を流す
      2 王子
      3 炎舞
      4 夜に棲む者

     終章 菫色のノート・7、そして最後の・・・

      エピローグ
    角川書店「ウンター・デン・リンデンの薔薇」 1996年12月

  • 大導寺家の呪われた血をまざまざと見せつけられたシリーズ2作目でした。
    今回は百合。前回の薔薇よりこちらの方が好みでした。大正時代の女学校ものですし。
    大導寺笙子と向後摩由璃の間には何人たりとも入り込めない、お互いだけが居ればいいという濃密な空気でした。摩由璃は魔王のように、笙子を損なった人には容赦しませんでした。
    後に同級生と恋愛関係にあったのが判明したからか、失踪したからなのか、大導寺笙子が家系図から抹消されているというのが、名家の闇は深いと思いました。
    「世界よ、さらば。私達は私達の楽土にゆく。」という遺書の一文が好きです。

    「異常だったら何が悪いの。あんた達のいう言葉なんて、相手がそれにびびってくれなければ何の役にも立ちやしないんだよ。」

  • 女学園ものの百合ですが展開はいじめ、自殺など重め。段々と笙子さんが洗脳されていくのがヤンデレで良きです。

  • お話はありがちでつまんないです。

    劇的な事も起こらないし。

    くどくて読み進めづらい個所もあります。

    でも主人公二人の執着ぶりは嫌いでは無いです。

    これ位盲目の愛を一度は経験してみたいかな。。

  • 読んで30Pとしないうちに「その人、女の子に興味ありませんから! 残念!!」と、頭の中でギ○ー侍が言っていたよ。

    読んでいるうちに、「美しくもなく、若くもなく……。いきていてごめんなさい!」と思うぐらい強烈であったよ。

  • この本は私のお気に入りの、とっておきの一冊です。
    でも、誰にもオススメできません。
    何故ならお話の世界観が独特だから。
    これはひと言で言うと、昔-多分明治の終わりか昭和初期の女子高校を舞台にした、少女たちの恋愛を描いたお話です。
    でもそれだけで終わらない。
    この本は大導寺家という呪われた一族を描いた、六道ケ辻というシリーズの一冊。
    そして、この物語の主人公は大導寺家の家系の一人、大導寺笙子。

    華族の子女や富豪の娘が通う女子高校。
    そこには、まるで美少年のようにスラリとした長身の美少女、向後摩由璃がいた。
    少女たちの羨望と憧れのまなざし、そして淡い恋心を一手に受けた摩由璃に笙子も密かに恋こがれる。
    所が、摩由璃を熱烈に慕う少女たちにその恋心を見抜かれ、当時としては耐え難い屈辱を味わう事に-。
    しかし、その出来事が皮肉にも、笙子と摩由璃を強く結びつける事となる。
    そして恐ろしい惨劇の幕が開く-。

    少女たちの美しくも悲しい物語。
    作中に笙子と摩由璃のノートのやりとりがありますが、「せう」なんて昔の言葉で書かれていて、それがまた妖しげで独特な雰囲気を漂わせています。
    久々に読み返しましたが、すっかりこの独特な世界に入り込んでしまいました。
    架空の異国、ウンターデン・リンデンの石畳がまるで行った事のある場所のように浮かびました。
    そして美しい二人の少女の姿が。
    このシリーズは確か全部で4冊で、後の3冊は笙子の兄の竜介、弟の乙音、そして大導寺家の後の子孫を主人公としたお話だったと記憶しています。(定かじゃないです)
    その中では最初に読んだこの本が私は一番好きです。
    当時の少女の心のゆらぎや、感じやすく繊細で残酷な描写に懐かしさというよりも自分自身が少女にかえったような気持ちになります。
    私にとってはとても面白い本ですが、誰にもオススメはしません。

  • 屋外で読む場合は必要以上に真顔を意識しないと思わずニヤニヤしてしまう…(≧w≦;)ホラーなのか…??ミステリー??

  • 笙子と摩由璃の二人を最初は微笑ましく見ていたが、どんどん不穏な空気を纏っていく。
    平凡な同級たちは、その誰も寄せ付けない関係に甘美な羨望を向けると同時に、畏怖を抱く。
    妖しげな魅力で人々を引きつけた彼女たちは、悪魔のような復讐と歪んだ理想郷に踏み込む。
    耽美でダークな重厚な世界観がすごく私好みでした。
    ただ、最後に淡々と語られた笙子の弟への仕業に、本当に狂ってる…と思わざるえなかった。
    この件は必要だったのか?
    抵抗もなくこんなことをしてしまえる程に男という人種を憎んでいたのか、と摩由璃の後ろ暗い過去から邪推してしまう。

  • 栗本薫の女学園物。
    大導寺一族のものがたりの、「大導寺一族の滅亡」に続く、第二作。
    独立した物語であるので、第一作を読んでいなくてもよい。

    大導寺一族の不思議な巡り合わせは、恐怖小説でもなく、幻想小説でもないのかもしれない。

    文化と風俗を描写している。

  • 実は栗本薫では、このシリーズが一番好き。百合。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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