- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041500668
感想・レビュー・書評
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大正浪漫ミステリー
退廃的な雰囲気と、少年が大人になっていく様子を
しっとりと描いてて。
栗本薫ワールドだな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんな本書いていたとは知らなかった。
作者晩年に得意だった大正ゴシックロマン?、桜屋敷と呼ばれる古い屋敷に住む人々をめぐる物語。屋敷には一族の他にも関係がよくわからない遠い親戚や食客、大勢の使用人などが溢れており、蔵には秘密めいた病人もいる。主人公の少年の目からこの閉鎖的な旧家の内情を描き、さまざまな人間関係や真の姿が徐々に明らかになっていくという話。栄華を誇る退廃的な一族が滅びていく姿を描かせるとこの作者はやはりうまい。 -
大正時代、ミステリーということであらすじ買い。
旧家の一族の絢爛たる暮らし(これもまあ見せかけ)が崩壊するまで。読みにくくてちょっとずつ読んでたのですが、子どもたくさん出てくるしで分からなくなりそうだから一気読み。
主人公に起こる出来事はひどいが、どこか小さい頃の特別な体験、行っちゃいけない場所とか謎なところとかそういう不思議に思うことはちょっと懐かしいように感じられた。
ただもう、この小説の場合、大体の人が狂気じみてました。 -
樹齢数百年を経た中将桜が庭先に構え「桜屋敷」と呼ばれる柏木家。
主人公は、14歳の幹彦。
普通じゃない家。東京で噂された赤マントが近所で目撃された恐怖。
苛めた直後に行方不明になり死んだいとこ。
大人へと急ぐ幹彦に降りかかる災難。
思春期独特の子供でも大人でもない中途半端な時期の苛立ちと
焦りは上手く表現できてたと思うが、これは陰鬱な家の崩壊物語。
読後感はよろしくないです。