改訂新版 共同幻想論 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041501016

感想・レビュー・書評

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  • 共同幻想、対幻想、自己幻想のお話が、たいへん面白かったです。吉本さん、ありがとうございました。

  • ずいぶん前に買ったのだけど、なんだかフィットせず途中で放り出していた。まあ、時期的に再読。国家などが共同の幻想に過ぎないというアイディアは今から考えるとしごく常識的だったけど、当時の戦争体験、戦後60年代の国家との対峙などを考えると新鮮でプロボカティブな提案だったのかなあ、と想像してみる。40年代のサルトルと同じか、、な。吉本の文体も語り口もぼくはあんまり好みではありません、けど。

  • 吉本隆明 「 共同幻想論 」著者が描いた幻想領域を 国家、部落、男女に あてはめた本。国家論として「国家は共同の幻想である」を展開。幻想は 夢とも心理とも読める。

    遠野物語、ハイデガー、モルガンエンゲルス、古事記から幻想性を論述した 禁制(タブー)、他界(死生観)、母系制は面白い。対幻想はフロイトみたい。

    幻想領域の3つの内部構造
    *国家、法を問題とした場合 共同幻想
    *男女間の問題の場合 対幻想(ペアになっている幻想)
    *文学理論などの場合 自己幻想

    禁制(タブー)の共同幻想
    *その中の個人は 禁制の神聖さを強制されながら、その内部にとどまっている
    *共同幻想は 現実と理念の区別が失われた心の状態で 共同的な禁制を生み出す

  • 古代から戦前までの共同幻想は、実は今のSNSと親和性があるのでは。そんな奇妙な思いにとらわれる。

  • 国家は共同幻想であるとして、
    フロイト読解による〈幻想〉から始め、その論理的延長によって、記紀の日本〈国家〉成立のうちに幻想を見つけ出そうとする。
    個人的幻想から家族的幻想、共同体的幻想へと広がっていく流れになっている。

    筆者にとっては〈幻想〉であるということが特別であることのように感じられているようだが、いまやあらゆるものが幻想であるとも言える(それは逆に、真実性を必要としなくても、すべてが現実であるとも言える)。そういう前提に立ってしまえば、〈幻想〉であるという主張のみでは有効性は持たない。すると、別の点に重要性が移行するだろう。おそらくそれは、幻想の軌跡がイコール歴史であるということではないか。とすれば、この書は一つの歴史書と言えるのではないか。
    そういった意味で、この著作は「不可能性の時代の歴史書」の側面を持つかもしれない。

  • 図書館で借りて駆け足で読んだけど、これは後日ちゃんと腰を据えて読み直すべき

  • 久しぶりにわからない本だった。
    理解できないわけではないし、つまらないわけでもない。こちらの知識不足なのだろうか。
    いくつかのキーワードの定義がなんともスッと入ってこなくて、そこが理解の妨げになっている感じ。
    きっと、何回か読む本だと思われる。

  • 学生のときに読んだが、正直なところ、難解でほとんど理解できなかった

    今後も処分せずに本棚に置いておき、再読しようかと思う
    ばななさんの父親というのにも驚いた

  • うーん。

    自己幻想から、対幻想から共同幻想というものが、
    大事なのはわかる、分かるんだけれども
    原理として建てたいのは分かるんだけれども、
    この著書では前半までは対幻想、後半は共同幻想を扱う。

    その対象は、想像力しか及びえないところにむかっていくため、
    それを原理としておくにいはきつい。

    個人が、何らかの社会に属する時に
    非物理的な空間を媒介としていることを、
    吉本はなんとかつかもうとしている。
    その理路の底板になっているのは、
    ヘーゲルとフロイトだ。この出会い。

    しかし、この本は、時間切れと言われてしまったように、
    途中で終わる。
    このモチーフは、『心的現象論』『母型論』へ受け継がれているんだろうな。
    まだだ、まだあきらめない。

  • 世界を認識する方法として全幻想領域の構造を解明する際に、自己幻想、対幻想、共同幻想という3つ軸で、各々の相互関係と内部構造をはっきりさせればよいというのは非常にシンプルで明解。特に対幻想の疎外から生まれる共同幻想、そして共同幻想と逆立する自己幻想という関連性にはとても納得。この切り口の鮮やかさに団塊世代が引き込まれたのもわかるような気がする。
    文学でも政治でも経済でもない総合性と現在性の両面からアカデミズムに陥ることなく世界を検証していくという人は現在でもあまりいないような気がする。で、世に蔓延るのは合理性・経済性やら、人道・情緒・感情主義という偏ったポジションでしかモノを語れない大学の先生や政治家ばかり。吉本にはもっと活躍して欲しかったし、死後の再評価はもっとされてもいいような。
    大学時代に買って、パラパラめくっただけでずっと放置していたのをやっと読んだのだが、これ程の内容とは想定外だった。最後の中上建次の「思想が文学を死滅させ解体させた」というのはややオーバーな気がするが、文学者はそこまで打ちのめされたんだろうか???

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プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

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