改訂新版 共同幻想論 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
3.48
  • (32)
  • (33)
  • (80)
  • (10)
  • (5)
本棚登録 : 936
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041501016

作品紹介・あらすじ

国家とは何か? 国家と自分とはどう関わっているか? 風俗・宗教・法、そして我々の「慣性の精神」――。生活空間と遠く隔たる異空間を包含するこの厄介な代物に論理的照射を当て、裸の国家像を露呈させる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • NHK『100分de名著』から興味がわいて読んでみたけど、私の凡庸な頭では正直ちょっと理解が追いついていない。

    とりあえず、神話(古事記)が政治的な意図をもったものだということに目から鱗だった。
    考えてみれば、歴史は勝者がつくるわけだし、当たり前なんだけど、政治と宗教は別物だと思っていた。

    いやでも、仏教の檀家制度で戸籍を管理したって、どこで知ったんだっけ。キリスト教の布教と植民地支配の歴史だって十分に政治的だ。だから、神道が例外なわけはないのにな。

    信仰心とは別に、宗教の物語性は共同幻想として機能しやすく、それが国家としてまとまるのに使い勝手がいい。じゃあ、宗教の共同幻想が薄れたいまの日本には、どんな共同幻想があるんだろう…と考えたけど、p.48に、神話では「習俗と生活威力とがからまった〈幻想〉の位相をしるには、あまり適していない。 」とあった。神話や宗教だけでは日本の国家としての共同幻想を捉えられないのか。

    「国家」の共同幻想とはなにか。私の所属している「集団」の共同幻想ってなんだろう。難しい本だなあ、でも面白い。

    本書を読んであらためて番組を見直すと、ほかの著作からの引用なんかもあり、さらに面白かった。

  • 共同幻想、対幻想、自己幻想のお話が、たいへん面白かったです。吉本さん、ありがとうございました。

  • 久しぶりにわからない本だった。
    理解できないわけではないし、つまらないわけでもない。こちらの知識不足なのだろうか。
    いくつかのキーワードの定義がなんともスッと入ってこなくて、そこが理解の妨げになっている感じ。
    きっと、何回か読む本だと思われる。

  • ずいぶん前に買ったのだけど、なんだかフィットせず途中で放り出していた。まあ、時期的に再読。国家などが共同の幻想に過ぎないというアイディアは今から考えるとしごく常識的だったけど、当時の戦争体験、戦後60年代の国家との対峙などを考えると新鮮でプロボカティブな提案だったのかなあ、と想像してみる。40年代のサルトルと同じか、、な。吉本の文体も語り口もぼくはあんまり好みではありません、けど。

  • 番組がなければ読了できませんでした。共同幻想論少しは、わかってきたつもり

  • 文章の難しさのあまり読み終わることを目的としてしまったのであまり頭に入ってこなかった。理解しながらゆっくり読めば良書なのは分かる。反省。いつか読み直す

  • 言っていることがわかるか?と言われたらわかるかもしれないんだけど、文体とか、問題意識とか、それが遠くなんだよね。渋谷陽一はこの本がすげえすげえってずっと言ってたよね。神話ってのの発生とか、つまり、中沢新一的な神話ってのが、例えばシンデレラとかの話とか、これらをどう読むとというサスペンスとして読むのがよいというのがやっとわかった気がする。社会以前から、社会へ、それには言語が大きくかかわる。そして、システム

  • 吉本隆明 「 共同幻想論 」著者が描いた幻想領域を 国家、部落、男女に あてはめた本。国家論として「国家は共同の幻想である」を展開。幻想は 夢とも心理とも読める。

    遠野物語、ハイデガー、モルガンエンゲルス、古事記から幻想性を論述した 禁制(タブー)、他界(死生観)、母系制は面白い。対幻想はフロイトみたい。

    幻想領域の3つの内部構造
    *国家、法を問題とした場合 共同幻想
    *男女間の問題の場合 対幻想(ペアになっている幻想)
    *文学理論などの場合 自己幻想

    禁制(タブー)の共同幻想
    *その中の個人は 禁制の神聖さを強制されながら、その内部にとどまっている
    *共同幻想は 現実と理念の区別が失われた心の状態で 共同的な禁制を生み出す

  • 古代から戦前までの共同幻想は、実は今のSNSと親和性があるのでは。そんな奇妙な思いにとらわれる。

  • 国家は共同幻想であるとして、
    フロイト読解による〈幻想〉から始め、その論理的延長によって、記紀の日本〈国家〉成立のうちに幻想を見つけ出そうとする。
    個人的幻想から家族的幻想、共同体的幻想へと広がっていく流れになっている。

    筆者にとっては〈幻想〉であるということが特別であることのように感じられているようだが、いまやあらゆるものが幻想であるとも言える(それは逆に、真実性を必要としなくても、すべてが現実であるとも言える)。そういう前提に立ってしまえば、〈幻想〉であるという主張のみでは有効性は持たない。すると、別の点に重要性が移行するだろう。おそらくそれは、幻想の軌跡がイコール歴史であるということではないか。とすれば、この書は一つの歴史書と言えるのではないか。
    そういった意味で、この著作は「不可能性の時代の歴史書」の側面を持つかもしれない。

全46件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

吉本隆明(よしもと・たかあき)
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

「2021年 『吉本隆明全集24』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉本隆明の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
三島由紀夫
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

改訂新版 共同幻想論 (角川ソフィア文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×