心的現象論序説 改訂新版

  • KADOKAWA (1982年3月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (323ページ) / ISBN・EAN: 9784041501047

みんなの感想まとめ

心の動きとその現象を深く探求する本書は、感情や発語、夢、心像といったテーマを扱い、個体の内部で引き起こされる心的現象を理論的に分析しています。著者は、心が現実に及ぼす影響を考察し、特に難解な言い回しや...

感想・レビュー・書評

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  • 心がひきおこすさまざまな現象に、適切な理解線をみつけだし、統一的に、心の動きをつかまえようとして書かれた本である。

    あの人はなぜあんなことをしたのだろうか?
    この人はどうしてそんなことを言うのだろうか?
    わたしが悲しいのはどういうわけか?

    人に心があることはどうにも否定し難い事のように思われ、心が現実に及ぼす影響もかなりなものがあると思われるので私もつねづね興味を持っていたので、つい手にとってしまったが、一度読んだだけではさっぱり解らなかった。それでも、食い下がって再読してみても後半に至るまで四苦八苦した。ところが不思議なことにある点を超えると何となくわかってくるような気がしてきた。たぶん難解な言い回しや極度の抽象化に慣れたのかもしれない。三回読めばもう少しわかるようになるのかも知れない。筆者の苦闘によって大切なことが書かれているのは間違いない。

    だいたいこういうことだって心的現象であるが、この本で取り上げられているのは、感情・発語・夢・心像(イメージ)である。どれも興味深い分析だった。

    『共同幻想論』は共同体に共通する心的な現象を扱っていて、それに対してこの本は純粋に個体について、その個体の内部で引き起こされる現象について扱っている。しかも、序説ということで非常に抽象的、理論的な記述で難解だった。<空間化度>と<時間化度>という概念を立てこれらを軸に心的現象を分析してゆく試みである。<空間化度>は感覚・知覚に関係しと<時間化度>は了解・概念に関係しているようである。

    精神分裂病の症例も多く引かれ、読めば読むほど異常とか病的とか呼ばれる心の状態と自分の常日頃の心の状態とがそう変わりないことに驚くとともに、「あぁ、やっぱりなぁ…」という気持ちになった。ハッキリとすることとそれ故にクリアな疑問が湧く。心は広大である。心とは独立して存在するこの世界と関係することで成り立っているから当たり前と言えば当たり前である。

  • 早く本編を出してほしい

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著者プロフィール

◇吉本隆明(よしもと・たかあき)
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

「2026年 『吉本隆明全集【第Ⅲ期セット】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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