ジャズと爆弾 (角川文庫 な 22-5)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041506011

感想・レビュー・書評

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  • 天才対天才あるいは怪物対怪物

  • 50年前の対談は言いたいやりたい放題。薬で捕まった話や言いっぱなしの放言、愛人やガールフレンドの数をバラし合い、あの映画見た?この本読んだ?から、バケツ一杯プリンプリンプリンとつくって食べなかったとか、ああいうやつはダメだ!という指弾まで。勢い感じた。倫理で言えば爆弾で巻き添えにするなんて許せないよ、ところがその倫理なんてぶっ飛ばそう、無責任でいいんだよ、責任とれるはずないじゃないか、とか。後期的エッセイの、群像新人賞パーティで朝まで飲み明かして、村上龍がひとりぽつんと歩いて帰ってると、「こらー、村上!」と中上健次が声かけてしばらく二人で歩いたシーンが印象に。以下備忘録◆ウイスキーにシュガーまぜて血管に打つとよくゴミが入って高熱がでるんだとか◆究極のマゾヒズムは自分が家具になること。◆ポール・ニザンの小説だったかな。男を変え得るものは三つかしかない。革命、麻薬、女。◆大江健三郎「われらの時代」読みたくなった◆映画「タクシードライバー」観たくなった◆

  • 30年前の対談とは思えない刺激的な対談。ブルーの頃の、初期の村上龍をよく感じ取れる一冊。

  • すごい対談だった。
    二人はちゃんと共鳴しているんだろう、と思う。
    その上で、少しずつバチバチやったり、牽制したり、気を遣ったり、面白い対談だった。
    村上龍が、芥川賞を取ってすぐの頃ですね。
    あの頃の龍にしては、かなり従順だった。

    二人の短編を残して読み終えた。

    2016.7.27.

  • ◆対談PART 1 【作家/小説/政治/ドラッグ/米軍】探り合いからはじまる対談。文学はペニシリンで治せないものを癒す・変革する。麻薬のように。作家はペニシリンでも麻薬でも治らないものに突き当たる。バニシング・ポイント。爆弾を、腹の中に抱えて生きる。
    ◆対談PART2 【旅/映画/芸術】馴染みになって楽しそうな対談。小説家は恥ずかしいもの。二人の旅行記、読みたかったな。
    ◆対談PART3 【権力/表現の自由/芥川賞/女】表現の自由? 馬鹿な。作家に必要なのは自由な表現だ(カッコいい…)。新しい小説。腹の中の爆弾=書かれなくてはならない物語。
    ◆短編小説「神巫」(中上)「スザンヌ」(村上)……「スザンヌ」が詩的でとても好き。村上龍、もっと読んでみたい。
    ◆エッセイ…というより、後記?
    ***
    ◆ドラッグについての是非に、意見は言えない。わたしにはわからないことだから。でも、わたしは言葉と音で十分に酔える自信がある。あなたたち小説家が身を削ってやつしてくれるおかげで。◆なにより、マイルズ「リラックスイン」に会わせてくれたことに感謝。苦しいときも悲しいときもほんのり嬉しいときも、寄り添ってくれる最高の一枚。ゴダールの『軽蔑』、チャーリー・ミンガスに出会えたのも、この本のおかげ。

  • 中上健次30歳と村上龍24歳の3回に亘る対談と、そこからの着想も匂う好対照な短編が一つずつ。そして、後記が一つずつ。短いが面白い構成だと思う。若い二つの才能のドキュメンタリーだ。指向性の違う二人だが、だからこそなのか意気投合し忌憚無く徒然に交感している。
    後記では『限りなく―』で鮮烈なデビューを飾った直後の村上が、『枯木灘』を「衝撃はなかった」と切っているが、その批評は当時の中上というより今の彼自身をばっさりいっているような気がする(笑)。

  • 初めて見たので即買い。27,8やそこらの村上龍と33,4の中上健次の写真がまた、なんか、時代を感じてたまらんのよ。村上龍のすっげぇ不躾な感じとか最高、この人が今や55歳のハローワークとか書いちゃうのが正直ショックでならない。。。

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著者プロフィール

(なかがみ・けんじ)1946~1992年。小説家。『岬』で芥川賞。『枯木灘』(毎日出版文化賞)、『鳳仙花』、『千年の愉楽』、『地の果て 至上の時』、『日輪の翼』、『奇蹟』、『讃歌』、『異族』など。全集十五巻、発言集成六巻、全発言二巻、エッセイ撰集二巻がある。

「2022年 『現代小説の方法 増補改訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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