カンタン刑 (角川文庫 緑 509-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 22
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041509012

感想・レビュー・書評

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  • カンタン刑の簡単な話をネットで見かけてからずっと気になっていたので、購入。
    個人的にとても大満足でお気に入りの作家になりました。
    題に使われているカンタン刑ではゴキブリの表現が…と多くのレビューで見ていて覚悟して読みましたが、背筋がぞわぞわしました。なにより、その環境に慣れてしまう主人公が、いつしかその味にも楽しみを見出して食べるようになるという適応した様が想像離れで、そこに恐怖を覚えました。

    他の話も淡々と書き連ねられていて、最後にちょっとゾワリとする様を持ってくる手法に惹かれました。
    その淡々さが始終続くので、とても読みやすく、読みやすいが故に何かを考えることなく読み進めていって、最後の方でそうなるのか!と一つとられるような感覚が一種の快感にも思えます。

    光文社から出ている再編されたカンタン刑を当初は購入しようと思っていましたが、最後のあとがきを読んでこちらを最初に買ってよかったと心から思いました。
    あとがきで少し他に考えたネタを語られているのですが、日本勃起という話がとても阿呆らしく、馬鹿らしいけれどもその阿呆らさが親しみやすい感じを覚えて読みたいと切に思ったほどです。

    SFは敬遠していましたが、SFの世界にも足を踏み入れそうです。

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