死に花 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 92
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041518151

作品紹介・あらすじ

「葬式は人生最後の花道、最後のイベントだ」-そう言って自らの葬式の総合演出・プロデュースに取り組んでいた源田金蔵が急死した。菊島真ら五人の老人ホームの仲間が見守るなか、つつがなく葬式は進行しているかに見えたが、火葬の際に奇妙な事件が発生した。北多摩署の捜査から意外な真実が判明し、大きな衝撃を受ける菊島たち。「老い先はわずかだ。死に花を咲かせよう」と一念発起し、彼らは人生最後の大バクチに出ることを決意するが…。「老い」の概念を根底から覆す、痛快エンターテイメント小説。

感想・レビュー・書評

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  • 年老いていくことの哀しさと怖さが、ユーモアを交えながら軽快に語られている。
    自らの葬式を演出していた源田が届いた棺桶に入ってみる場面は、何か妙な感じがした。
    順番に棺桶に入ってみる老人たち。
    この人たちにとって死とはどんなものなのだろう?
    老いるという言葉には「枯れる」というイメージがあった。
    だが、源田の葬儀で起きた事件は、老人はけっして枯れてなどいないことを教えてくれる。
    人生の最後に思い切ったことをした女性の心情が現実感のあるものなのかどうか。
    わからないけれど…。
    クライマックスはやはり老人たちが「死に花」を咲かせる場面だろう。
    なぜか活き活きとしている老人たちの姿が、哀しくもあり、おかしみもあり。
    それぞれの人生で得た経験と知識を総動員し、「死に花」を咲かせるべく奮闘する過程は読み応えがあった。
    何歳になっても生きる目的がある人は輝いている。
    そんなふうに感じた物語だった。

  • 8年ほど前から積ん読だったうちの1冊をやっと読み終ったよ。
    老人ホームに入ってる人達が無茶をする話でした

  • 芸濃図書館

  • ころころと物語が最後まで流れていく感じで特に内容に関して何も思わなかった

  • 老いの寂しさ、いや老いてもまだまだとちょっと面白くなってくる。さすが年の功、と感心していたがラストが切ない。老いってこういう事なのか。後味が悪い。

  • ナイスなおじいちゃんたちが銀行強盗を企てる。老人たちの青春小説。このおじいちゃんたち、私より断然元気です!老いるって悪くない。

  • おじいちゃんたち、元気です。
    こんな粋な老人が側にいたら毎日が楽しそうです。現在の日本は老いることに恐怖を覚えてしまう社会です。しかしそんな中で、かつてのスペシャリストたちは死に花を咲かせようと、持ち前の技でもって大バクチを打とうとします。
    元気になれる一冊。

  • 銀齢の果てを読んだので昔読んでたこちらを追加。
    人は老いても人生に華を咲かせられる。
    恋もエロもやんちゃも犯罪も、老人が最期に輝いた日々を柔らかに綴った小説。

    銀齢の果てが黒なら白
    負なら正
    生なら死
    そんな小説

  • いい感じに年齢を重ねた俳優さんたちを集めて映画化された作品。老人ホームで起きる事件や人生最後の博打がかった投資をユーモラスに描く…となってますが、そこまでユーモラスではないような。男性であることや富と名声に対する執着が泥のようにねっとりしていて纏わりつく感じがします。単に主要人物たちを高齢にした小説という印象でした。

  • ・・・・・世界中に男女差別や人種差別が根強くあるように、そしてまた年齢差別という若年層からの老人たちへの差別が厳然と存在する。人間にとって、焼肉定食じゃなかった弱肉強食であってはいけなく共存共栄でなければいけないなずなのに。

    ところで、ゆめゆめ老人を侮ってはいけない。老人を汚いとか見苦しいとか見っとも無いとかヨボヨボだとかという眼で見てはいけない。というか、若年層たちよ、そう見えるのは、実は君たちの恐怖の表れなのだ。

    目の前の老人は、確実に70歳なら70歳の人生を、荒波を乗り越えて生き抜いてきた人なのだ。20歳の君もやがて確実に、50年後には70歳の老人となる、必ずしもそうなるわけではない、確証は何もないのだ、一週間後に事故で死ぬかもしれないし、2年後には第三次世界大戦が起こって、君は22歳にして戦死するか、安保条約で守ってくれるはずだった米国軍によって空襲で虐殺されるかもしれない、そういうどす黒いもやもやした不安を、無意識裏に感じて、目の前の確実に生きてきた老人を、嫉妬の眼で見て君のこころは慟哭しているのだ・・・・・。

    ・・・・・うつらうつらしていたら、どこからか低い声で語られる黙示録めいたものが聞こえてきました。

    なんだ夢か。親戚の人が心臓麻痺で亡くなりました。また葬式仏教の茶番劇が行われます。そういう時、悔しいさを紛らわすためにこの本を読んだり映画化されたものを見ます。

    本書を知ったとき、びっくり仰天したものです。太田蘭三は、津村秀介や斎藤栄のような推理作家の重鎮という認識はありましたし、何作か読んでいましたが、失礼ながら、まさかこういう大傑作を書かれるとは思いもよりませんでした。

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