真夜中のスポーツライター (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041540565

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  • 山際淳司さんのエッセイを読むと、
    目の前にスポーツのある風景が広がる。
    勝利至上主義ではない。
    かといって勝利をなしがしろにしない。
    それよりも素晴らしいプレイ、
    趣あるスポーツシーンを好んで描く。
    単なるスポーツ賛歌でもない。
    シニカルな視点もある。
    スポーツの中に人生を見い出す。
    けれどスポーツが人生のすべて
    とは言わない。

    ところどころ
    ハッとさせられる言葉と出会う。
    本書の中で一番響いたのはこの言葉。

    ひとりの選手が、ゲームのなかで、
    いかにして自分でありつづけようとしたか

    目まぐるしく変わるゲームのなか、
    プレッシャーを受け
    難敵を目の前にすると、
    たやすく自分は失われる。
    平時であればできることが
    途端にできなくなる。
    人生も同じかもしれない。
    逆境や佳境に差し掛かった時に、
    自分であり続けられるかどうか。

    説教臭くないのがまたいい。
    なぜこの人が語ると、
    説教に聞こえないのだろうか。
    するりと心に入ってくるのだろうか。
    球界のご意見番の苦言と、
    どこか違っているのだろう。
    スマートでありながら泥臭く、
    静かけさの内に激しさを秘めた人だ。

  • 山際淳司の一冊。山際さんの文章の特徴で、読者に自分の考えを人に押し付けるのではなく、その場面をあるがままにわかりやすく描写している。スポーツライターとして山際淳司の視点で描かれた写景は、全てが順接で記されているからか、頭に染み込みやすい。無駄な比喩がなく、独自の取材が活きたストーリーになっている。

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著者プロフィール

作家。1948年神奈川県生まれ。中央大学法学部卒業後、ライターとして活動。80年「Sports Graphic Number」(文藝春秋)創刊号に掲載された短編ノンフィクション「江夏の21球」で注目を集める。81年同作が収録された『スローカーブを、もう一球』(角川書店)で第8回日本ノンフィクション賞を受賞。NHKのスポーツキャスターとしても活躍。95年5月29日没。著書多数。傑作選に『江夏の21球』『衣笠祥男 最後のシーズン』(いずれも角川新書)。

「2020年 『たった一人のオリンピック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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