彼らの夏、ぼくらの声 (角川文庫 や 10-10)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 82
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041540619

感想・レビュー・書評

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  •  久方ぶりに山際淳司読みましたが、やはりいいですね。

     特に、根本の人材育成、奥寺のプロ意識に関する見方は、非常に示唆に富みます。

     爽やかな、山際淳司らしい、ノンフィクションとは少しトーンが違いますが、少し芯の強いスポーツマンのお話が楽しめると思います。

  • エベレストに無酸素でいどんで、帰路命を落とした者、残された、家族への手紙のあたたかさにしんとくる。練習ぎらい、才能だけでのし上がり、あっという間に衰えていった無頼派のかつての天才ボクサーに、あの時勝てていたらその後の人生は変わったか?と問いかけ「結局、何も変わってなかったでしょうね。その後の私は同じようになっていたと思いますね」とかえってくるアンチクライマックス。/「ノートに清書された詩を目の前につきつけられるようなことが度々あったが、ぼくはどうしても好きになれなかった。ひとことでいってしまえば、そういうものはあまりにも弱々しかった。そう思えた。すぐにひねりつぶされそうに見えた。安易だと思った。」(「夏、その2」より)/パ・リーグの野球には、憎しみがあるね(広岡達朗)。本気で向かってくる凄み、当時は人気で圧倒的な差をつけられ、実力も評価されなかったリーグ。今はだいぶ違うだろうけど/最後の2章、ゼン・グレイについてと、釜本を中心とした早すぎたJリーガーたちの話しも重厚。ゼン・グレイが今世紀初頭人気作家だったというのは寡聞にして知らず。早すぎたヘミングウェイ、というのとはまた違うのだろうけど。

  • 「江夏の21球」の山際さんの単行本。昔、「スローカーブをもう一球」を読んだことはあったけど単行本を読むのは初めて。スポーツ選手と人となりにスポットを当てて紹介する手腕はさすがで、とかく神聖視されがちな選手の素顔をいやみなく浮き彫りにしている。
    それにしても内容よりも目を引いたのが、清原和博や武豊などの一流選手のルーキー時代を紹介した章だが、これらの初出は「就職ジャーナル」らしい。下手な面接ノウハウを紹介するよりも一流選手の下積み時代を生々しく紹介するこういった記事のほうが学生には何倍も役に立つと思う。

  • スポーツにおける一瞬を切り取り、プレーそのものはもちろん、そこに交錯する選手・監督・周囲の人々の思いを掘り下げて追っています。
    観戦する側の私達は一つ一つのプレーに一喜一憂して楽しむのですが、そのプレーが生まれるまでにどのような努力や思考や人間ドラマがあったのかを知ることで、スポーツの面白さを実感させられます。

    山際淳司のスポーツノンフィクションは、スター選手だけでなく無名や脇役の選手へも光を当てています。
    スポーツのシーンの数だけでなく、選手の数だけドラマがあるのだと気づきます。

  • スポーツノンフィクションというジャンルは山際淳司で知った。有名な選手はモチロンのこと、高校野球の無名な選手に対しての丹念な取材。そのとき何を思っていたのか、実際にどうプレイされたのかが精密に再現されていく。スポーツでは全て一瞬で終わってしまうプレイの中にも様々な思いが錯綜する。山際淳司が亡くなってしまい新刊が出されないのがすごく残念だ。

  • 1997/7/18

  • スポーツとひとくちに言ってもいろいろな世界があることを教えてくれる。楽しかった。

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著者プロフィール

作家。1948年神奈川県生まれ。中央大学法学部卒業後、ライターとして活動。80年「Sports Graphic Number」(文藝春秋)創刊号に掲載された短編ノンフィクション「江夏の21球」で注目を集める。81年同作が収録された『スローカーブを、もう一球』(角川書店)で第8回日本ノンフィクション賞を受賞。NHKのスポーツキャスターとしても活躍。95年5月29日没。著書多数。傑作選に『江夏の21球』『衣笠祥男 最後のシーズン』(いずれも角川新書)。

「2020年 『たった一人のオリンピック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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