- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041552339
作品紹介・あらすじ
食事はセクシーであるべき、という確固たる持論をもつ大西俊介。料理の味を誉められるくらいうれしいことはない。数ある趣味のなかでも、料理には狂気にも似たバイタリティを発揮する。デザートは最後のお楽しみ。-「僕が酔ったのは、キミの魅力。デザートはキミ」この科白を言うために今夜も料理する。
感想・レビュー・書評
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BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“文壇レシピ”で登場。
http://nestle.jp/entertain/cafe/
本の中に登場するあの美味しそうな一品を
実際に再現してみよう!というこのコーナー。
第36回目に紹介されたのは、森瑶子の「デザートはあなた」に登場する『ローストチキンのサンドイッチ』。
―鶏肉は、指で裂いて、バターを塗ったパンの上にのせる。
その上にパテ状のつめものを分厚く重ねて塗りつける。
それをたっぷりつめもののパテの上に塗り、パンをかぶせる。
原宿ブックカフェ公式サイト
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
http://nestle.jp/entertain/bookcafe/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドラマの原作と聞いて買いました。とにかく、お洒落です。
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15年前(?)にテレビ化されたのを見て原作を読みました。
それから何故か読んでしまう。。
きっと主人公に憧れたからなのか。。 -
料理好きの主人公が、一話ごとに別の女性と、素敵な食事をしてお洒落な会話をするという短編集。誰かと食事をする喜びと「飽食の後の一抹の寂しさ」、共感できる。
出てくる女性がみんな、セレブリティでゴージャスなのは置いておくとして、きどらない、柔らかい、教養があり、社会性もある。時には主人公を叱ってしまう母性もあって、
最後には「女は売らないけど、女も捨てない。これがヒケツだわね」うーん、かっこいい、森瑤子さんの世界。 -
その昔、ドラマ化されていた。とってもステキな、大人のドラマだった。
また見たい。 -
久しぶりに、心からすっきりと楽しめ、また感動した作品。
料理好きで女好きの金持ち独身男性が主人公。
「デザートはあなた」という決め言葉を用意して手料理で女性を口説くんだけど、なかなかそううまくはいかないって言う連作短編が、気持ちの良い楽しい文章で並べてある。楽しい。
主人公の男性は、確かに魅力的で「うらやましい」って感じ。なんというか、願望を見透かされているようで悔しい。
が、それ以上に登場する女性達がみんな魅力的。きちんとしている。嫌になってしまうほど、素敵である。こういう女性達と一緒にいようと思ったら、2週間かけて生ハムを作るくらいしか、勝負できないんでないだろうか。
最後に向かって、ちょっと話が甘くなっていくし、一番最後のネタバレは感心しないけど、それは枝葉末節の話。
芯となっている彫刻家の話があるがために、全部が力強くなっている。連作短編の見本のようである。
この本を手に取れた幸福に感謝。
2005/3/13 -
10数年前、「ホラーかな?」と勘違いして読んじゃった本。恐ろしいもので、それから森瑤子の世界にはまっていってしまいました。
ドラマの方も、個性的な俳優ばかりで印象に残ってます。
当時自炊始めたばかりだったのに、この本からマネしたメニューも。読み返すと、かなり背伸びしていた自分に会える本です。 -
ドラマをご存知の人はどのくらいいますか?大人のお洒落がたくさん詰まった一冊。
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森瑤子…好きだったんです。
早く亡くなり過ぎです。 -
森瑤子の作品の中でこれが私は一番好きな作品だ。
彼女の描くストーリーにはどれもオトナの男と女が登場する。
とてもウイットに富んだセンスのいい会話。男と女の心理などを見事に描写している場面。森瑤子の生きた世界がそこには広がっていて、とにかく“オシャレ”なのだ。
この作品の主人公は大手広告代理店勤務、テレビ企画制作部所属の大西俊介。独身で趣味は手料理を作ってもてなすこと。その腕はかなり本格的なのだ。しかもかなりの金持ちという設定。
以前、日曜日の夜の時間帯だったと思うが、岩城滉一が大西俊介役でドラマ化されていた。大西俊介のイメージと岩城滉一のイメージがまさにぴったりで、毎週楽しく見ていたのを覚えている。それ以来、私のカッコイイ男像がこの「大西俊介」になってしまってる。女性との会話、付き合う距離感、醸し出す雰囲気…もちろんエッセイとして純粋に楽しい話なのだが、それ以上に男として女性に接する態度など勉強になる部分が多い。
お客様として招かれている女性に対する最後の決め台詞がこの本のタイトル、“デザートはあなた”になっている。美味しいお酒と食事の後のデザートはキミだよ、という手の込んだ口説き方に主人公である大西俊介の願望が込められているのだが、実際は…なかなかうまくいかないのが現実。
でも男にとって料理がこれほどまでに武器になるなんて、この本に出会うまではまったく思わなかったのだが、この本に出会って以来、私は料理に目覚めてしまった。これってかなり単純な発想なのだろうか……。