- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041553015
感想・レビュー・書評
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己斐の ブックオフで見つけた!あそこに本を持ち込む人と気が合う気がする。素敵!岸田今日子の小説が棚ざしになっているなんて。
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(2007.04.23読了)(2007.01.20購入)
「子供にしてあげたお話」4篇、「子供にしてあげなかったお話」14篇、エッセイ2編、「女の子−六歳」「わたしが逢ったひと」が収められています。
「女の子−六歳」は、自分の子供について書いたものでしょう。「子供にしてあげたお話」は、自分の子供に話してあげたものなのでしょう。
「わたしが逢ったひと」は、普段の生活で出会った人たちの話です。ちゃんと落ちがついていますので、岸田さんは、何気ない普段の生活をしっかり楽しんでしまうユーモア感覚の持ち主であることが分かる。
「子供にしてあげなかったお話」は、かなり残酷だったり、大人の話だったり、ちょっと子供には聞かせられなかったり、難しかったりする話で、大人が読んでもちょっとわかりにくかったりする。
●さんすう(51頁)
「何か問題出してみて」
「じゃあね、三たす六は」
子供は目を伏せて考える。なんとなく、両手の指をながめているようだ。
「あのね、あのね、八、じゃなかった九」
「七たす八は」
子供は真剣になって指を見つめる。
「靴下脱いでもいいのよ」
子供は、恥も外聞もなく靴下を脱いで足の指を数え始める
●馬(56頁)
「あたしに描かせて。あたし、とっても馬を描くのうまいわよ」
と子供は言う。
「あのね、あたしが犬を描いたら、それ馬?って言われたぐらいだもん」
(2007年4月24日・記)
☆関連図書(既読)
「外国遠足日記帖」岸田今日子著、文春文庫、1994.11.10
「大人にしてあげた小さなお話」岸田今日子著、大和書房、2000.07.05
「パンツのはきかた」岸田今日子さく・佐野洋子え、福音館書店、2007.05.01
内容紹介(amazon)
よい母親でありたいと思いながら、「子供にしてあげたお話」の可愛らしさ。少し悪い女でもありたいと思いながら書いた、「子供にしてあげなかったお話」にひそむ怖さ。 奔放な夢想と繊細な感性で紡ぐ、愛と残酷のメルヘンに、役者としてのユニークな個性がひかるエッセー「女の子 ― 六歳」「わたしが逢ったひと」を収録。