幻の舟 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041576199

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  •  織田信長が狩野永徳に描かせたという「安土城屏風」。その屏風には妖気が宿っているという不吉な噂が付き纏っていた。
     美しいものには魔性が宿っているというのは割とよく聞く話ではある。いわく付きというかなんというか。それが分かっていながらも、つい追い求めてしまうのが人間の性の悲しいところでもある。本作はそうしたところに端を発した伝奇小説である。
     歴史ものを題材としているが、そこまで難しい話題ではなく、文章も平易なため非常に読みやすい。ページ数も200ページ強なので、一気の読めてしまう。

  • 織田信長の協力な助力者とされる狩野永徳、彼の幻の作品『安土屏風』を巡る話。

    それまでにない豪華絢爛な城であったとされながら、築城数年、本能寺の変の直後に焼失してしまった安土城。その姿を唯一写し取っている安土屏風は少年使節団を通して欧州に渡り、現在は行方不明。
    永徳の画に魅入られ、屏風を追う老年の主人公の回りでは死の影が見え隠れする。
    歴史ミステリーに、ホラー要素がうまく織り込まれていて、読後の満足感が高い。

    琵琶湖にいって、在りし日の安土城を思い描いてみたくなった。

  • 初の阿刀田高。歴史ミステリともいうべきか。信長が狩野永徳に命じて描かせた安土城の屏風絵が一種の呪いとなる...そんな話。史実から様々な関連性をザッピングさせるところが凄い。日本史に明るくないと睡眠効果を発するところがあるけれど、総じて面白かった。

  • じわじわ来る、おもしろい。

  • 新規購入ではなく、積読状態のもの。
    2008/5/18 読了。
    織田信長が狩野永徳に描かせ、その後天正遣欧少年使節によりローマ法王に献呈されたとされる「安土城屏風」を主題に、登場人物達の間のミステリと歴史的なミステリを絡ませた阿刀田氏ならではの幻想的な小説。ウィンゲの木版画(文庫本表紙)に不自然に大きく描かれた船の図の持つ意味は?

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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