葡萄が目にしみる (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 991
レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041579084

作品紹介・あらすじ

葡萄づくりの町。地方の進学校。自転車の車輪を軋ませて、乃里子は青春の門をくぐる。淡い想いと葛藤、目にしみる四季の移ろいを背景に、素朴で多感な少女の軌跡を鮮やかに描き上げた感動の長編。

感想・レビュー・書評

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  • 昭和の景気のいい時代といい、葡萄畑が広がる風景といい、
    自意識過剰な体格の良い本好きな少女といい、
    林真理子の自伝的小説なのか。

    葡萄作りの裏側(と言って良いのか…)も地元の人ならではの描写で、
    他の小説ではなかなか読めない気がする。

    小説の雑誌を買ったり、アンネの日記に憧れて鍵付きの日記帳を使ってたりと本好きとして共感出来るところも。
    (アンネは読んでなかったけど…←)

    見てはいけないモノを見てしまった衝撃や(勝手に)裏切られたような感覚、
    違うグループの女子やいつも一緒にいる友達への嫉妬なんかがいちいちリアル。
    この歳になってある程度引いた目線で読めるから、
    面白いと思えるのかも。
    十代の時に読んでたら…どうかなぁ。
    面白いけど、痛々しくて恥ずかしくなってるかも…。
    ページをめくる手が基本は止まらないけれど、時々進まなくなるような…。
    逆に救われるかもしれないけど。

    林真理子の本を一冊読むのは初めてでしたが、
    青春小説として名作だと思います。

    あと、大人になってある程度成功してからの最後がなんとも言えなかった…。
    葡萄のように甘ずっぱい学生時代の部分で終わらないのも、
    林真理子ならではなのかもしれない。

  • 自分の内面を抉り出すような目を持った作家は本当に凄いと思う。乃理子の倍も生きていてもまだ、どうしようもない自意識との格闘は続いているよ。

  • こういう時あるよねってすごく思った。田舎育ちでぱっとしなかったからなおさら!女の子って、めんどくさいですよね、楽しいけど!

  • 戦後のこじらせ女子の青春小説、とても楽しかったです。思春期、色んな劣等感を感じたりする乃里子がきちんと大人になって地元のみんなと同じように就職して人と関わっていった中で青春の中の劣等感を思い出すような相手と談笑しながら食事するシーンで救われた、報われたなぁ、大人になったなぁとすぅーっと染みました。

  • 全編読むと最後の章の唐突さに?となるけど、リアルな青春小説だと思う。
    それにしてもいくら人間失格が当たったからって、次々小説の表紙を漫画風イラストに変えてしまう風潮はどうにかして欲しい。私はたまたま前のデザインのものを見つけて買えたから良かったけど…そもそも主人公の乃里子は可愛くないという設定じゃないか。

  • 林真理子の作品は初めて読みました。40〜50代の女性に人気のある女性作家さんというイメージがあったのですが、読み終えてそれがよくわかりました。

    学校の国語教師から、林真理子さんは男性にちやほやされるタイプではないと聞きました。主人公乃里子は林真理子の分身のようなものだと。この人は、その時代を生きた女性が持っていた、自己実現をしたい気持ちと男性の腕の中に収まっていたい気持ちとが生む葛藤に苦しんだんじゃないかと思います。



    私は今高校生ですが、その葛藤に時々苛まれます。今の自分は華やかな周りの世界から疎外されているのではないかと、根拠のない惨めさを感じます。何故か。勉強して社会的に独立した個人として一人前になりたいと夢を見ながら、古めかしい女性像に憧れたりもします。
    つらい 苦しい 消えてしまいたい
    けれど、この不安定に揺らぐ気持ちを抱えながら生きている今が、矛盾しているのは承知ですが、ちょっとだけ愛しく思えてくるのです。そんな私はきっと、林真理子以上に自意識過剰なのでしょう。

  • この本は、コンプレックスの意識がない人は読まなくてよろしいです!!!(笑)
    私の場合、特に中・高で感じたコンプレックスを思い出させる本でした。

  • 林真理子の実体験をもとにしたらしき部分の多々ある作品。幻冬舎の見城氏との対談本『過剰な2人』で取り上げられていたので読んだ次第である。ギラギラした欲望とその裏側のルサンチマンが怖いぐらい生々しく描かれている。ゾクゾクした・・・

  • 解説 栗本慎一郎

  • 林真理子が丸出しだ。

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著者プロフィール

林 真理子(はやし まりこ)
1954年、山梨県山梨市生まれ。山梨県立日川高等学校を経て、日本大学藝術学部文芸学科を卒業。コピーライターとして活動後、1982年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が、デビュー作ながら話題になる。1986年『最終便に間に合えば』『京都まで』で直木賞を受賞。現在、直木賞、講談社エッセイ賞、吉川英治文学賞、中央公論文芸賞、毎日出版文化賞の選考委員を務めている。2019年4月1日の新元号の決定・公表に先立ち、原案への意見を聴く有識者懇談会のメンバーにも選ばれた。

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