葡萄が目にしみる (角川文庫)

  • KADOKAWA (1986年2月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041579084

作品紹介・あらすじ

葡萄づくりの町で育った岡崎乃里子は、東京へはまだ、たったの五回しか行ったことがない。冴えない容姿にコンプレックスを抱く乃里子だったが、地元で有名な共学校に通えばきっと、自分にもきらびやかな青春が待っていると信じていた。生徒会役員の保坂に寄せる淡い想い、そしてラグビー部のスターである岩永との葛藤。目にしみる四季の移ろいを背景に、思春期の少女のすべてがつまった、感動の青春小説。


※カバーの絵柄は(株)かまわぬのてぬぐい柄を使用しています

みんなの感想まとめ

青春の葛藤や恋愛をリアルに描いた物語は、主人公乃里子の成長を通じて多感な少女の心情を鮮やかに映し出します。山梨弁での会話や、地方特有の文化が物語に息を吹き込み、読者は彼女の生活に深く共感します。主人公...

感想・レビュー・書評

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  • 昭和の景気のいい時代といい、葡萄畑が広がる風景といい、
    自意識過剰な体格の良い本好きな少女といい、
    林真理子の自伝的小説なのか。

    葡萄作りの裏側(と言って良いのか…)も地元の人ならではの描写で、
    他の小説ではなかなか読めない気がする。

    小説の雑誌を買ったり、アンネの日記に憧れて鍵付きの日記帳を使ってたりと本好きとして共感出来るところも。
    (アンネは読んでなかったけど…←)

    見てはいけないモノを見てしまった衝撃や(勝手に)裏切られたような感覚、
    違うグループの女子やいつも一緒にいる友達への嫉妬なんかがいちいちリアル。
    この歳になってある程度引いた目線で読めるから、
    面白いと思えるのかも。
    十代の時に読んでたら…どうかなぁ。
    面白いけど、痛々しくて恥ずかしくなってるかも…。
    ページをめくる手が基本は止まらないけれど、時々進まなくなるような…。
    逆に救われるかもしれないけど。

    林真理子の本を一冊読むのは初めてでしたが、
    青春小説として名作だと思います。

    あと、大人になってある程度成功してからの最後がなんとも言えなかった…。
    葡萄のように甘ずっぱい学生時代の部分で終わらないのも、
    林真理子ならではなのかもしれない。

  • 青春小説
    女子高生が主人公
    中学編もちょっとあり
    高校生活が描かれていてやはり恋愛系の内容も
    当然あって揺れる気持ちが青春してるなぁと感じました
    会話は山梨弁で語られていてさすがに著者の地元が
    舞台であることがわかる
    もしかしたら主人公は著者自身のことも大いに
    語られているのかもしれない
    青春小説ってやっぱ好きかも

  • 高校生のときに読んだものを再読

    “こんな青春したかったなぁ”というよりは
    “こんな青春だったなぁ”という印象

    さえない主人公は急に可愛く変身しないし、男の子は王子様じゃない、友達も良い子ばかりじゃないし、何ならちょっと腹立つ

    以前読んだとき、乃里子たちと同じ高校生だった私は、学校一の美少女今日子に憧れてお弁当箱にタッパー、お箸の代わりにフォークを持って高校に通ってました

  • なんかなあ…
    文学性がないわけじゃないけど自分の中の嫌いな自分と向き合うことを強制してくる感じがきついんだよな
    それでいて一度読むと不快な感覚がやめられなくて一気に読んでしまうという
    ほんと一部の女流作家ってこういうの上手いよね
    山田詠美とか村山由佳とか林真理子とか村田沙耶香とかさ
    ここまで不快にさせるのも表現力ってことかな
    これを「淡い」とか「若い」とか「切ない」とか言えるほどわたしはまだ成熟できてないです
    ひたすらにグロくて生々しい
    ここの感想のみんなは大人だな…わたしは山﨑豊子くらい程々に男性化してる女性作家が性に合ってるのかも…

    あと田舎のスティグマがめちゃくちゃ強くてびっくり
    これ読んだら田舎とか怖くて住めないわ
    さすがにフィクションと言ってください

    あとほんと女って生まれ持った容姿で人生変わるよね
    いや、1番のファクターは教育だけどさ
    同じ教育レベルの場合は容姿次第で1ステップくらい階層移動が起こるレベル
    今日子ちゃんも最後華やかな職業就いてたでしょ
    そういうところよね 作者はほんとよくわかってる
    ほんと残酷

    あと、モテる男に向ける女の眼差しもよーくわかってるよね
    性的魅力一点突破型のチャラい男を女は惹かれつつも基本は警戒する 自分のガードに自信がないから
    そんな気がする


    追記
    村田沙耶香の「しろいろの、〜体温」と同じ読後感って言ってる人目が飛び出るかと思った
    読んでる本がわたしと同じやんけ
    読後感が同じかはわかんないけど(あっちはハッピーエンド?)なので
    でもスクールカーストの描写がガッツリ入ってるところは同じ

  • 戦後のこじらせ女子の青春小説、とても楽しかったです。思春期、色んな劣等感を感じたりする乃里子がきちんと大人になって地元のみんなと同じように就職して人と関わっていった中で青春の中の劣等感を思い出すような相手と談笑しながら食事するシーンで救われた、報われたなぁ、大人になったなぁとすぅーっと染みました。

  • 林真理子さんの小説を読むのは、これが初めてです。
    辻村深月さんの「鍵のない夢を見る」の文庫本の巻末に辻村深月さんと林真理子さんとの対談を読んだのが、本作品を読んだきっかけです。

    まだスマホはおろか、携帯電話すらない時代の地方の女子高校生が主人公ですが、妄想がたくましく自意識過剰な青春です。
    高校生が接することができる情報に限りがある時代ならではの話で、その当時の高校生は多かれ少なかれ、そういう感じだったと思われます。

    本作品を読んで、若干テイストが異なりますが、原田宗典さんが高校生のころのことを書いたエッセイを思い出しました。

    • アンシロさん
      はじめまして。私も「鍵のない夢を見る」の対談を読み、こちらの作品を読みたいなと思いました。

      好きな作家さんが影響を受けた作品を読むのはルー...
      はじめまして。私も「鍵のない夢を見る」の対談を読み、こちらの作品を読みたいなと思いました。

      好きな作家さんが影響を受けた作品を読むのはルーツを辿るようで、新たな作家さんとの出会いがとても楽しみです。
      2023/09/18
    • anisonshikaさん
      アンシロさん、コメントありがとうございます。
      林真理子さんの存在は知っていたのですが、私は作品を読んだことはありませんでした。
      林真理子さん...
      アンシロさん、コメントありがとうございます。
      林真理子さんの存在は知っていたのですが、私は作品を読んだことはありませんでした。
      林真理子さんのほかの作品では「本を読む女」も気になっています。
      2023/09/20
    • アンシロさん
      お返事ありがとうございます。
      私は半年程前から読書をするようになって、まだまだ知らない作家さんや作品ばかりなのできっかけや出会いがとても楽し...
      お返事ありがとうございます。
      私は半年程前から読書をするようになって、まだまだ知らない作家さんや作品ばかりなのできっかけや出会いがとても楽しみです。

      「本を読む女」も本屋で探してみます。今後ともよろしくお願いします。
      2023/09/20
  • 「しろいろの街の、その骨の体温の」を読んだ時と似た読後感。
    成長過程の女子の気持ち悪さとひたむきさを描いた小説を読むと感情移入してしまい心が疲れる。

  • 中学生の時に初めて読んで「なんでこの人私の頭の中が分かるの!?」とひどく狼狽した。
    以来、何度も読み返している。
    みんなが憧れる男の子に対する気持ち、自分の容姿に対するコンプレックス。
    青春だね。

  • 自分の内面を抉り出すような目を持った作家は本当に凄いと思う。乃理子の倍も生きていてもまだ、どうしようもない自意識との格闘は続いているよ。

  • こういう時あるよねってすごく思った。田舎育ちでぱっとしなかったからなおさら!女の子って、めんどくさいですよね、楽しいけど!

  • 全編読むと最後の章の唐突さに?となるけど、リアルな青春小説だと思う。
    それにしてもいくら人間失格が当たったからって、次々小説の表紙を漫画風イラストに変えてしまう風潮はどうにかして欲しい。私はたまたま前のデザインのものを見つけて買えたから良かったけど…そもそも主人公の乃里子は可愛くないという設定じゃないか。

  • 母のオススメ本。
    そんなこともあったなと思える小説。
    周りからの見られ方を気にしたり、自意識過剰になってしまう学生時代を思い出した。
    文章構成も好みでページ数も少なく一気読みしてしまう本。

  • 地方で育った素朴な少女の青春のほろ苦さを綴った内容。垢抜けない自分と大人びた同級生を比べながら、順当なんだと劣等感を持ちながらも、沸々とする負けず嫌いが隠せずに葛藤したりもする。最後の締め方がもうちょっと、と思ってしまった。

  • 地方の進学校に通う冴えない女子の冴えない話。自意識過剰で、不様で、報われず、小っ恥ずかしい学生生活。
    でも、そうだよね。男女関係なく、書かれた時代も超えて、うまくいかなかったり、ひとり悶々と悶えたりするんだな。と冴えない主人公に共感しながら、自分の学生生活を思い起こしながら、読み進めた。かつての同級生の、顔も思い出せない女子たちも、男子と同じようにもがいて生きていたのかと思うとなにか胸が暖かくなるような切ないような思いがした。
    普遍的な青春の姿が書かれているのだと思う。

  • 読む前に想像していた以上に、容赦ない内容だった。

    自分と周りと比べて計り知れないブスさに落ち込む。
    周りにどう見られているかを取れかかったスカートのプリーツ以上に気にする。
    恋をする、ではなく恋に恋している。
    友人の無遠慮な言葉に怒り執着し続ける。
    ……………。

    ああああ歩く自意識過剰だった暗黒時代が一気に思い出されたではないか!!
    そうだよ、これが郊外の現実。
    結局スポーツもワルさもかっこよくこなす岩永みたいな奴が頂点に立つのがもう郊外シナリオで決まっているんだ。
    もう10代の頃のことは引きずってないと思っていても、誰よりも気にしているダサい自分…。 

    この小説、クラスの1軍だった方達はどんな気持ちで読むんだろうか。

    あと、あんなに読みづらい解説を読んだのは初めてでした。

  • 自身が中学生の時,表紙に描かれていた可愛い女の子に惹かれて購入した一冊.十年くらい前に一読したはずなのだが,訳あって(ネタバレになるので詳細は控えるが,つい先日発売された本ガチャである)紫の美しいカバーの本をお迎えした.
    youtubeで本作のドラマ版を観ることができた.しかし,かなり設定が異なっていて困惑したが,どちらとも自身にとってはおもしろかった.
    読み終わって感じたのは,自身(20代)よりも少し先輩方(30-40代)が読まれた方が共感する部分が多いのではないのかと思った.

  • どこにでもいるような、ちょっと自分に自信のない田舎の女子学生の恋愛小説。
    起伏もドラマ性もない日常を描いているからこそ、主人公がより身近に感じられて、その心情描写に惹き込まれる。

  • 個人的な大好きな小説。もう、主人公の乃里子の心の動きには共感しかない。嫉妬、恨み、落胆。
    読んでるうちに、身に覚えがある感情すぎて
    泣きそうになる。

  • 20年以上ぶりに再読
    やはり面白かった
    冴えない女子学生の自意識過剰物語
    恥ずかしながら、自分と重なる部分もあり
    こうやって林真理子に物語にしてもらえたなら
    私の青春も報われただろうに、と思う

  • 葡萄農家の娘で
    種無し葡萄を作るための薬品で
    その時期は爪の中まで紫になる
    というような記述が記憶に残っている

    劣等感や
    少しづつ大人になる過程で起こる出来事の
    表現がとてもリアルだった

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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