幸福御礼 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.38
  • (3)
  • (9)
  • (20)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 63
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041579336

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 夫の実家は田舎の名家。そんな面倒くさい田舎には近づかず、ごく普通のサラリーマン家庭として東京で暮らしていたのに、突如夫が田舎の市長選に出馬することになってしまう。
    大反対していたのに、徐々に選挙に巻き込まれてゆき、妻の価値観は180°転換してゆく。
    その巻きこまれ方は、決して政治に興味が出てきたからではなく、初めは夫への愛情や姑への意地などからはからずも関わり合うハメになり、ひとたび方向性がそちらに向くや、エスカレートしてのめり込んでゆくというもの。
    ああ、ありそうだなぁこういうのって。
    良くも悪くも、自分の価値観や生き様を貫き通せなくする邪魔物が、夫婦という関係性。
    一人だと比較的単純明確な人生が、人数がたった+1されるだけで、まったく先が読みづらくなる。
    更に婚家が関わってくれば、+は2にも3にもなって…。
    選挙なんて大事件でなくとも、こんなふうにして個人的な事件が起きて知らないところに自分を運んでいってしまうこと、ありそうだなぁ…。
    予定と違った場所にいても、それで幸せならいいんだけどね。

  • 「やんごとなき方々を見るがよい。手を振ってくださったと言って人は感涙にむせび、気さくだと言って頭を垂れる。自分がほの見せるやさしさが、これほど人を喜ばせるならば、どうして意地悪な人間になったりするだろうか」

  • この本面白いです。マリコさんにはめずらしい選挙の話だけど、いかにもありそうな話に上手くまとめています。主人公由香が、都会で夫婦二人で暮らしていたころよりも、夫の故郷に帰ってからの方がイキイキと充実しているのが印象的。

  • 東京の、どこにでもいるフツーのサラリーマンの志郎と結婚したはずの由香。しかし、ひとたび夫の実家である河童市に戻れば、二人は河童市の市長を長年務める政治家一族「大鷹家」の一員だ。由香はそんな大鷹家を嫌っていたが、ある日突然、次期市長選挙に志郎が立つ事に!
    初めのうちは、離婚を楯に志郎の立候補に猛反対する由香だが、夫への愛と姑春子への対抗心から、嫌悪していた政治家の妻という立場に染まっていく。
    軽快なテンポと生き生きした登場人物たちによって繰り広げられる、選挙のドタバタ劇だ。目を見張るのが由香の変貌ぶりで、ラストまで異常なテンションを保っている(特に最後の一行はぞぉ~っ)。

  • 地方都市の選挙が舞台。
    嫁姑のバトル以上に、
    選挙の舞台裏がリアリティがあっておもしろい。

  • 流され流され、自分がなるとは思ってもみなかった女になって(成り下がって?)行く女、由香、の話。

    一般人と思って結婚した夫が、代々市長の有名一家の長男。
    「そこら辺の玉の輿狙いのバカ女とは違うのよ。私は本当は惨めな男に尽くすのが好きなの!彼も有名だから結婚するわけじゃないのよ!」と言いつつ結婚。
    結婚後も東京に残り、彼の地元とは疎遠になることで、玉の輿じゃないアピール(自他共に)の予定が、
    「あなたの地元に帰るの、ストレスたまるからいやよっ!」と言いつつ結構頻繁に帰ることになって、
    伯父の現市長が病に倒れると夫が出馬を決意。
    「あなたが選挙に出るなら、と言うか地元に帰るなら離婚よっ!」と息巻くも、
    疲労で階段から落ちた夫を見て、母性本能くすぐられたか、「この人には私がついてなきゃ!」と一緒に引っ越します。
    女は選挙を全力サポートがモットーの姑に反抗し、斜に構え、姑参加の「奥様グループ」を馬鹿にするも、
    「若い層の興味を選挙に向けなきゃ!」と自ら「若奥様グループ」結成。
    だんだん選挙にのめりこんでいきます。と言うか没頭していきます。
    自分の貯金を“袖の下”に使い、睡眠時間を削って、有名政治家に体を売ろうとまで考えながら夫の当選のために尽力します。

    だんだん、苦手だった姑にそっくりになってきます。

    なんか今の自分を見てるみたい。「姑に似てくる」意外は(笑)
    当人が満足ならそれでいいんですけど、由香さん、この変化に気づいてるのかなー?
    過去を振り返って、こんなはずじゃ、なんて思わないでほしいなー。

  • こういう本も書けるのですね~多才だなぁ



    東京でサラリーマンをする志郎のものとに

    出身地である河童市の市長をつとめる伯父が

    余命いくばくもないという連絡が入る。

    代々市長という大鷹家の長男として

    市長選に出ることを決意する志郎とその妻由香。

    お姑さんと選挙を戦っていくうちに

    どんどん変わっていく由香。

    あっという間に読み進めることができました。




    嫁と姑のバトル、田舎の地元の人とのあれこれ。

    田舎の小さな地方都市ってこんな感じなんだろうなぁと

    頭の中で鮮やかに映像がイメージできた。

    選挙戦というあまり縁の無いテーマだけど

    おもしろかったです。

  • 「我が子のお受験」を「夫の選挙」に置き換えるといいのかも

  • 大昔のルンルンを買って・・しか林真理子は読んだ事がなく、ほのぼのムードかと題名に惹かれて買った本。意外にも選挙のお話でしたが、大反対だった妻が選挙にのめり込んでいく様子が面白い。姑との戦いも明るく読める。

  • 林真理子っぽくない。
    こーゆー話も書くんですね。
    どんどん大嫌いなお姑さん化していく主人公が面白いです。
    特にラスト(笑)

全12件中 1 - 10件を表示

プロフィール

林 真理子(はやし まりこ)
1954年、山梨県山梨市生まれ。山梨県立日川高等学校を経て、日本大学藝術学部文芸学科を卒業。
コピーライターとして活動後、1982年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が、デビュー作ながら話題になる。1986年『最終便に間に合えば』『京都まで』で直木賞を受賞。
現在、直木賞、講談社エッセイ賞、吉川英治文学賞、中央公論文芸賞、毎日出版文化賞の選考委員を務めている。

幸福御礼 (角川文庫)のその他の作品

幸福御礼 単行本 幸福御礼 林真理子
幸福御礼 (朝日文庫) 文庫 幸福御礼 (朝日文庫) 林真理子
幸福御礼 (角川文庫) Kindle版 幸福御礼 (角川文庫) 林真理子

林真理子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
林 真理子
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする