“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 角川書店 (2010年7月31日発売)
3.81
  • (27)
  • (24)
  • (26)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 240
感想 : 36
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (340ページ) / ISBN・EAN: 9784041595107

作品紹介・あらすじ

“菜々子さん”が、突然3年前の事故は「事件だった」と語り出した。彼女が語る情報の断片は、なぜか次第に菜々子さんが犯人だと示し始める。しかしそれは、菜々子さんの巧妙なる“シナリオ”だった!

みんなの感想まとめ

全身麻痺の主人公が語る過去を巡るミステリーは、単なる真相解明にとどまらず、深い人間ドラマを描き出します。菜々子さんの独特な言葉遣いやキャラクター描写が印象的で、彼女の魅力は一見好感度の高い存在の裏に潜...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 全身麻痺で体を動かすことも物を見ることもできない主人公の過去を巡るミステリー。

    特殊なシチュエーションと真相にたどり着くことだけが目的ではない異質なミステリーで面白い。

    菜々子さんの「〜だわ」の使い方に違和感があって、小説や映画にある女言葉とはまた微妙に使い方が変で伏線かと思ったら全然そんなことはなかった。あれなんだったんだろう。

    10年前くらいのラノベだから文章のくどさに懐かしさを覚えた。

  • 「彼女はぼくに自分の手柄を掲げて見せたのだ。」
    ホームズワトスン関係の「青春ミステリ」語彙豊富な小中学生版
    というよくあるラノベとは違うのだよラノベとはという
    脱ラノベ志向風ライトノベルてきミステリかと思ったが
    菜々子さんがちゃんとライトノベル風に「俗物」で「人間らしい」
    魅力的なキャラクタとして描かれているのが面白い
    文章はよいけれど構成はもうすこしひねらないほうが良いと思う

  • 「持病」を抱えるため、周囲からは嫌われず、好感度高いのに、実はちょっと「陰険」?な菜々子さん。菜々子さんが通っている病院にいるのは誰なのか……。逆転の逆転、なほんとのラストはなるほどねー、と思った。よいラストノベルミステリ。そして新人とは思えない安定感。ちょっと黒いけど、ほんとに灰色ぐらいの黒さなので、一般の方でも読めるかと思います。小学生時代の話がメインなんだけど、小学生にはこれができてこれができない、という線引きがなかなか秀逸だなあと思いました。黒「リンネ」かも。

  • 学園ミステリーなのかな? 
    ラノベにしてはライトでは無いな。 
    ある事故をきっかけに寝たきりになった少年が主人公 
    こういう状況なので、ほぼモノローグで物語がすすみます。 
    事故のきっかけを作ったのははたして彼女”菜々子”なのか? 
    案外、物語に入り込んじゃったので良しとします(笑)
    ちょっと背伸びをしたい小中学生向き。

  • ある事故(事件)をめぐり、主人公と菜々子さんがお互いを疑い合う物語。主人公が、とある強制胡座椅子探偵状態という大変ショッキングな状況で物語が始まる。乱歩の芋虫状態に近いです。最後に真相が明かされるが、ストーリー的には枝葉のように感じた。
    事件にまつわる菜々子さん特有の症状をきっかけに、彼女は主人公の前で事件の真犯人について推理を始める。その推理は菜々子さん本人が真犯人でないことを強調するものであった。そこで主人公は菜々子さんがこう思っていることに気づく。「あの事件の真犯人は菜々子さんではないか」と主人公が菜々子さんを疑っていると。主人公は菜々子さんに命をとられまいと、動かない身体を必死に動かして彼女を疑っていないことを示そうとするが……これホラーじゃないかと。
    一番印象に残ったシーンは、菜々子さんが本心を隠せないところ。主人公が菜々子さんに事件を起こす動機がなかったことを指摘するのだが、実は動機ありますと長々説明してしまう。自白すれすれみたいな危ない道を歩いてしまうのは、主人公に好意を持っていたことの裏返しだろうか。
    Nと主人公の人生がめちゃくちゃになる程の事件だったのに、菜々子さん「小悪魔」だから的な感じで主人公のなかでは真相が闇に葬られます。そこはキャラクター小説だからいいのか?

  • デビュー作らしくミステリ趣向がこってり凝ってる。不良グループにいじめられるぼっち気質の真面目な僕と、頭とルックスは良いが性格は曲者のヒロインという組合せは、ぼっち学園ものの王道。ただ普通と違うのは、舞台が小学生なことと、被害者兼探偵の僕が全身麻痺なこと。やな奴代表のNを含めて、いかにもありそうな子どもカーストがダークぎみだけど、3年後に蒸し返された複雑な事件設定は、ミステリファンならチャレンジしたくなる。被害者なのか犯人なのか、自称陰険な菜々子さんに導かれた真相は、枠組みレベルの意外性もあるし、なにより動機がピュア&スイートなのが気に入った。マニア度高いが良作。

  • 極限なまでの閉鎖空間ミステリ
     病室で全く動かない僕に対し、クラスメイトだった菜々子さんは事件について独白を始めます。この特殊な環境下でのみ成立する心理戦、恐怖感の演出がよく出来ています。プロットの巧さとクセのある文体が相まって、ありがちな展開から先の読めない展開へ。回想シーンが冗長気味なのが難ですが、ライトノベル系ミステリとしては頭ひとつ抜けていると思いました。
     本文中では明らかにされなかった菜々子さんの謎が気になるところです。

  • ラノベ要素は少し既視感があるが、ロジックは相当に気合いが入っており、小説としての落としどころも好みど真ん中。

  • 昔起きた事故について、突如「事件だった」と言い始めた少女。
    彼女の名前は、便宜上『菜々子さん』が使われている。
    なぜならば、本名を呼ぶと発作が起きるから。

    事件だったと話している『今』と、事故だった『過去』の
    さらに過去が語られていく。
    ので、物語というよりは、視点が定まった
    歴史書を読んでいるような気分に。

    『今』の自分達がどうしてこうなっているのか、というのも
    徐々に分かってくるわけですが、途中で面倒になって
    斜め読みして終了。
    新しいタイプのヒロインらしいですが
    単なる策士、ではないでしょうか?

  • 本名を呼ばれると起こる菜々子さんの発作。
    全身麻痺で寝たきりの主人公。
    1つの衝撃的な事件から始まる本作。
    独白と、過去の回想を交えて、主人公は段々と真相に近づいていきます。

    しかし、本作の魅力はそこではありません。
    魅力的な菜々子さんというキャラクターを存分にいかしたストーリー展開。
    そんな彼女の性質から訪れる最後には、あまりのいじらしさと方向のとんでもなさから、
    読後は彼女のキャラクターにすっかりひきこまれてしまいます。
    シリアスな展開を温かく彩る、二入のやり取りにぜひホッコリしてください。

  • 語り口がくどすぎて、論理の運びが強引すぎて、疲れた・・・
    思いがけない些事を伏線として回収する種明かしは良かった

  • 2011年 1月当時の日記転載

    根暗な主人公が鬱屈とした独白延々と語り続ける。
    ”菜々子さん”はかわいいけども。
    正直この一人称はダルイ。

    そしてミステリネタとしては、チープなトリックが序盤で明らかになると、事件か事故かとか、犯人的な人物とか、オチが透けて見える状態。

    こんな状態でどーすんのかなとおもったら、散々遠回りしつつ、それでも納得のいく所に着地。
    つーか頭いいなこの人…。
    ミステリ風に書いてて全然ミステリではないのだけども、結論は序盤から視えているのだけども、その過程を十分に楽しむ事ができたと思います。

    まあだからといって序盤のつまんなさが帳消しになるわけじゃないですが。

    会話のセンスはあると思うのですが、お硬くて。たぶん主人公のせいだね。
    もう少しコミカルな会話で序盤を盛り上げればかなり良かったと思います。

    まあそれでも十分素晴らしい作品だったと思います。2巻も読もうw

  • 久しぶりに当たりに引いた感じ。最初の文から引き込まれてすいすい読めた。途中重い話もあり、主人公の姿勢に突っ込みたくもなったけど、全体としてみればとても良い作品だった。一緒になって推理もできるし、ある程度自分の考えていたとおりだったが、真相を聞かされたときはやられたと思った。久しぶりにラノベらしくないラノベに出会えてうれしい

  • 初めて読んで初めて買ったライトノベル
    これが無料公開されたおかげで今月の引っ越しが大変

  •  好意を寄せる男の子をものにするために陰謀を張り巡らしたり、虐めた男の子に仕返ししようとしたりするヒロイン。そして主人公は現在寝たきりというのも衝撃的。

     非ウィルス型嗜眠型脳炎により引き起こされる全身痙攣で指一本動かせず、瞬きすらもできない身体となった坪手明の病床を、今では習志野菜々子という仮名で呼ばれる少女が訪れる。それは、三年前、彼らが小学六年生だったあの事故から、平日は欠かされる事なく続けられてきた儀式だった。
     その儀式が途切れた金曜日の翌月曜日。菜々子さんは突然、あの事故の出来事を蒸し返し始める。彼女が氏名連想誘発性心神喪失症候群と名付けられた、自分の本名を呼ばれると発作を起こす病気となった出来事が、誰かの故意で引き起こされた事件だったというのだ。
     それをきっかけに、考えることしかできない坪手明は当時の出来事を思い起こす。自分と菜々子さん、そしてもう一人のNに起こった出来事を。

     現在の二人の病室での出来事と、三年前の出来事を、交互に描写しながら、主人公の思考の軌跡をたどっていく形式の作品。そして最後に、菜々子さんの思考で真相が明かされる。主人公は現在全く意思表示ができないのだが、菜々子さんの一方的な語りと彼の思考が、まるで会話が成立しているように作り上げられている。
     そして、三年前の回想では、主人公の思考方法と、菜々子さんの性格や行動が段階的に明らかにされ、それに基づいて事件が解き明かされていく。ラプラスの悪魔という、初期条件を適切に与えることで全ての未来を自在に操る仮想の悪魔の存在のように、前提が変わるたびに主人公の頭の中で仮説がコロコロと変わっていくのが面白い。そしてそこには、事態を全て掌握しようという菜々子さんの思惑も見え隠れする。

     意図したことかどうかは分からないけれど、本当に小学生が背伸びをした表現を使ったように感じる文章のところもあったりして、ちょっと戸惑う表現のところもある気がする。だけど、ほとんど二人の登場人物だけで、互いに会話を成立させず、しかし意思疎通は出来ているように組みあがっているという、少し不思議な感じは面白いと思う。

  •  この作品にとっての幸運はこの絵師さんがついてくれたことだと思う。それによって「菜々子さん」の魅力は何倍にも跳ね上がっており、それがこの作品の評価を上げることにも繋がっている。特に175Pと219P、255Pの挿絵は秀逸の一言で彼女の魅力である「陰険」で「一途」で「頑張り屋」なところが見事に表現されている。
     物語はミステリ調で「事故」は「事件」だったのではという菜々子さんの語りが騙りではないか、彼女が真犯人ではないかと主人公が考える過程はぞくぞくさせられた。やや論理が飛躍してないかなと思う部分もあるけれど、気になるほどではなかった。
     そして、真相には思わず膝を打った……と同時に菜々子さんへの好感度が突き抜けるのを感じた。複雑な脚本を練るだけの知性があり、その通りに人物を動かさんとする意志の力もあり、機転も利き、判断力も度胸も一級のものを備えているのに、肝心要なところで絶対的に「間違って」しまっている。それも全力で。それを愛らしいと思ってしまう辺り、僕は手遅れかもしれません。

  • 菜々子さんのひねくれた感じが好きです。

  • 気味が悪い。出来は悪くないとは思うが、主人公と菜々子さんの言動・思考に不快感を覚える。

  • そういえばスニーカーはひさしぶりだな、とか意味不明のことをおもいながら読んだ。電子書籍でもでてたらしいけど、、、。これは時間かけて読んでしまったから電子書籍は、、、ちょっと、、、とおもいました。

     この文章は読んでからだいぶ時間をあけているのでちゃんとかけてないのでご注意を。
     読んでいたときにけっこう眠い状態だったためにそんない覚えてないのですが(おいっ)、もっとおもしろいものかとおもったら、意外と普通でした、ということ。
     主人公が眼がみえなくて体が動かなくって耳だけ使える、みたいな状態でずっと病院のベットで生活、それで平日に菜々子さんがきてくれる、というわけなのですが、、、。
    主人公をベットにしばりつけているというのが斬新だった、とおもいましたが、まったく喋ることはないのでずっと菜々子さんが話かけたり主人公の思考とか回想ぐらいしかなかったので斬新だったちゃあ斬新だったけど、正直それほどでもなかったようなきがした。
     推理自体もそれほどでもなかったような、、、というかんじですかね。菜々子さんのキャラとしてはだいぶいいかんじにはなってましてたけどんね、はい。

  • 菜々子さんの性質に惹かれる。ありがちな腹黒ではなく、陰険さとして現れてる独特なポリシーが、ピリっとしたいい味付けになってる。語り口も舞台も状況も独特な設定でワクワクしながら読めた。

全30件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

第13回学園小説大賞にて「なしのすべて」で優秀賞を受賞。2010年『“菜々子さん”の戯曲』でデビュー。同作は「このライトノベルがすごい! 2012年」で53位にランクインするなど、注目を集める。他の著作に、『演奏しない軽音部と4枚のCD』『お口直しには、甘い謎を』『針町あかねは壁がある カメラ小僧と暗室探偵』『のど自慢殺人事件』『僕と彼女の嘘つきなアルバム』などがある。

「2020年 『さよならが言えるその日まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高木敦史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×