駅は見ている (角川文庫 み 9-8)

  • KADOKAWA
3.43
  • (2)
  • (6)
  • (12)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 105
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041598092

作品紹介・あらすじ

古い駅には、乗降客の哀歓を見つめてきたような味わいがある。近年の機能主義で派手な新改築駅にはない駅の歴史の重みにふれ、その素顔と人間模様を綴る1章の他、ふらりと出かける旅の楽しさを綴ったエッセイ集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • カメラとブログの普及で誰もが気軽にネット上に紀行文を書ける時代になってはいるが、文字だけで簡潔に旅行記や旅行先の感想をまとめるのはさすがだし、行ったことのある場所などは文字だからこそ色々と頭の中で思い浮かべることもある。
    また、羽田空港からの国際線が台湾だけだった時期も懐かしい。そして最後のボヤキも、作家宛に手紙が届いていた時代を感じる。今ならTwitterでやり合うのだろうか。

  • ・夕張駅
    炭坑の街から観光に力を入れるようになって駅を移転までさせたのに。
    最後に「活況を祈るのみ」と書いてるのが悲しい。
    ・山形駅
    山形新幹線はなにか特殊らしい。
    改軌がどうとか。
    ・大宮
    最初からあった駅じゃないんだって。
    でも鉄道駅としての愛着が市民にあるとか。
    それで鉄道博物館できたらしい。
    鉄道博物館行ってみたい。
    ・東京駅での新幹線の清掃
    デッキの床の蓋をあけて下に落とすらしい。
    そんなとこがあるんだ。
    ・北近畿タンゴ鉄道
    駅舎が凝ってるらしい。
    近場といえば近場だけど、知らないなー。
    ・阪急梅田駅
    当たり前に思ってたけどなにやらいろいろすごいらしい。
    ・松山駅と松山市駅
    四国はついついバスで行ってしまう。
    市駅のほうは中に入ったことないけど、駅前には何度か行きました。
    ・門司港駅
    18きっぷの旅でホームに降りたはずだけど、乗り継ぎがよすぎて駅をみる余裕はいっさいなかった。
    一度関門トンネルを通ってみたいとは思うけど。

  • 【古書】新刊ではもはや入手できない著者の本を数冊購入したうちの一冊。駅建物に焦点を当てた珍しい紀行文。後半部分を読むと、フリー切符で訪れた駅を詳述している感じがして、目新しい感じが薄れてしまった。今は周遊券のようなフリー切符の種類が少なく残念だ。

  • 日本各地の駅の表情を、駅長へのインタビューを基軸にさらりと切り取った1冊。

    宮脇さんらしい淡々とした、しかしじわりと味の染みてくる佳作ではあるのですが、似たような企画、以前も読んだような…。駅絡みの作品では「終着駅に行ってきます」という名著が存在するので、これを上回る事は厳しいのかな、というのが率直な印象です。

    駅だけでは文量が足りなかったようで、後半は旅行記がいくつか。青春18きっぷで旅をする大先生って、何気に珍しいかもしれません。

  • 20年以上も前に小学館から、全12巻からなる『JR・私鉄全線各駅停車』といふシリーズが刊行されました。
    これは「路線」ではなく「駅」を中心に編纂されたシリーズで、駅のデータブックとしても使へるユニイクな読み物であります。
    『駅は見ている』は、そのシリーズに連載された、宮脇俊三氏による駅のルポルタージュでございます。この『JR・私鉄全線各駅停車』は、当時わたくしも定期購読してゐたので愛読したものであります。
    一冊にまとまると、また違ふ趣がありますな。なほ、連載分だけでは分量が足りないので、「車窓・駅・駅弁」「フリーきっぷの旅」が加へられてゐます。

    駅の実態を活写するにあたり、『駅は見ている』とはまことに当を得たタイトルと申せませう。著者は「少しキザ」と謙遜してゐますが、そんなことはない。鉄道開通以来、駅は存在するわけですが、市井人の人生を一番見てきた舞台はやはり駅ではないかと思ふのであります。
    宮脇氏はさういふ駅たちを愛情をもつて描写します。夕張や門司港のやうに、昔日の栄光に押しつぶされまいと頑張る駅とかは感情移入しますな。
    東京駅では、日本各地から集まる「ごみ」の問題に特化して述べるなど、通り一遍の紹介に留まつてゐないところが宮脇氏らしい。

    読後は、ふらりと近所の駅に立ち寄りたくなる。さういふ一冊であります。ぢや、おやすみ。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-148.html

  • 13/09/24、ブックオフで購入。

  • 以前にも読んでいたが、松山に旅行に行った際に旅情が湧いてきて、どうしても宮脇先生の本を読みたくなった。

  • ハマっております。自覚あり。
    地味にしみじみ面白い。こういう本は何度か時間が経ってから読み返すと又面白いんだろうなあ〜と思います。

    知らない土地の知らない駅の知らない人たちの日常。そんなものが垣間見えてくる気がするローカル線。今までのったことの無い線はわくわくします。鉄要素はあまり無いと思うんですけどね…
    千葉が全然出てこないのは残念です。…まああまり鉄道よりは車のほうが楽なのかな、千葉は。あまり乗り換えもないしねえ…
    銚子電鉄も…銚子との接続は素敵ですが…駅舎が…(笑)
    旅に行きたいな、と思わせるのです。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

宮脇俊三
一九二六年埼玉県生まれ。四五年、東京帝国大学理学部地質学科に入学。五一年、東京大学文学部西洋史学科卒業、中央公論社入社。『中央公論』『婦人公論』編集長などを歴任。七八年、中央公論社を退職、『時刻表2万キロ』で作家デビュー。八五年、『殺意の風景』で第十三回泉鏡花文学賞受賞。九九年、第四十七回菊池寛賞受賞。二〇〇三年、死去。戒名は「鉄道院周遊俊妙居士」。

「2023年 『時刻表昭和史 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮脇俊三の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×