- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041598122
作品紹介・あらすじ
鉄道でどこかへ行くのではなく、鉄道に乗ることそのものを楽しもう。地方別にその土地ごとの路線の乗りこなし方や、逃したくない見どころなどを案内しながら、分かりやすく鉄道趣味を解説した入門書。
感想・レビュー・書評
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鉄道旅行の楽しさがあふれている。
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鉄道旅行を“路線”と“駅”の視点から書いた一風変わった紀行文。路線では、いつもの著者であれば出発駅から到着駅までの列車時刻を克明に記すのに反して、大きく紹介する地方の路線名を辿る手法を採っている。路線間の接続の良し悪しを論ずるのではなく、その地方の地史・歴史に目がいくような紀行も有りなのだと思わせてくれる。一つの駅だけを取材した紀行文は珍しいと思う。その駅の始発から最終までを見ながら、様々な人間模様、歴史などを綴る文章に、あらためて感心させられた。
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時刻表片手に読みました。
「はつかり」「つばめ」などの懐かしい(と言っても私はそれを見たことがないですが…)特急のことが書かれていたのが嬉しかったです。
あと、「旅行に行きたいが時間も金もない」となげく人にはぜひ鶴見線をと言ってくれたのがとてもありがたい
です。
「遠くへ行くばかりが旅ではない」と代弁してくれて
私のように時間もお金もない鉄道ファンにはありがたい
一冊です。 -
15/06/12、ブックオフで購入。
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昭和56年〜58年の、「鉄道旅行のたのしみ」。後半の<駅は見ている>は、素敵だった。どの駅も、今とはまったく違う様子なのだろうけど(というのはここで上げられた中で一番馴染みのある岩見沢駅が、あんまりにも生まれ変わっちゃってるから余計そう思うわけだけど)、宮脇さんの視線で綴られる30年前の国鉄の駅と駅長さんたちの様子は、とても駅を楽しく感じられたのでした。
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個人的に山陰本線が好きなので、この路線を礼讚するページがあると嬉しくなった。
たとえば、「この線に乗って汽車旅のたのしさを感じない人がいたら不感症で、とても、ともに語る気がしない」など。
「実用に徹した鉄道には大工道具のような美しさがある」と鉄道の魅力を語るくだりがあるが、それはそのまま山陰本線に当てはまるだろう。 -
先月のダイヤ改正ではまたしても多くの別れがあり、テツと呼ばれる方々からは怨嗟に近い声が寄せられてをります。
即ち、夜行列車のさらなる削減や初代「のぞみ」300系の引退などであります。
「日本海」には何度か乗りましたが、愛知県在住のわたくしはいつも、新幹線と「しらさぎ」で敦賀まで出て、そこから乗つてゐました。一度くらゐ大阪から乗つてみたいと勘案してゐましたが、実現する前にのうなつてしまつた。
300系「のぞみ」はデビュウ時、早朝の1本が名古屋駅・京都駅を通過するとして話題になりました。新横浜に停車させたかつたことと、東京-大阪間2時間30分運転を実現したかつたからなのですが、この電車の限界をイキナリ見せ付けられたやうで悲哀を感じたものです。
テツ旅派からは、年々鉄道旅行の旅情が失はれてゐると嘆きの声が聞かれます。
しかし鉄道会社は、一部のテツのために車両を走らせてゐる訳ではないので、まあ詮無いことです。
さて宮脇俊三さんの『鉄道旅行のたのしみ』を読みますと、旅のたのしみは実に多様で、素養や嗜好が違ふ各人で千差万別であることが改めて分かるのであります。
一般に何となく「古いもの=興味津々」、「新しいもの=ツマラナイ」といふ図式があるのではないかと感じるのですが、宮脇氏の文章に魅せられた人は、どんな車両、いかなる路線に乗らうが愉悦を得られるでせう。
カッコイイと思つたのは、鉄道に乗つてゐて一番の楽しみは「居眠り」であるといふところ。中中言へない言葉であります。
知らぬ間にまどろんで、はつと気付くと汽車が走つてゐる。確かに最高の贅沢と申せませう。
鉄道マニアの代表みたいにいはれてゐた時期もありましたが、ひよつとしたら宮脇氏は、いはゆるテツとは対極に立つ人ではないでせうか。
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11215765383.html -
私は鉄道オタクじゃない。
宮脇さんの文章は熱くない。淡々と列車の様子(外観・中身)を描写する。でもそこにはちゃんと愛情は伝わってくる。まだ見たことのない風景が広がってる感じがする。 -
最初は地域別鉄道解説。首都圏や関西など人口が多い地域を以外では、廃止になった路線がかなり多い。楽しい反面、少し悔しい感じがする。後半は駅のルポ。連絡船廃止前の青森や高松と言った旅情を感じさせる駅もよかったが、天王寺や名古屋と言った大都市のターミナルが面白かった。特に民営化前の寂れて薄汚れた感の国鉄の駅。乗り降りしたなあと思い出す。改修されて立派な駅ビル付きの天王寺や名古屋を今作者がルポで書いたら、どんな風になるのだろうか。
著者プロフィール
宮脇俊三の作品





