ひとめあなたに・・・ (角川文庫)

  • 角川書店 (1984年12月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041600016

みんなの感想まとめ

狂気と正気の狭間で揺れる人々の姿を描いたこの作品は、再読するたびに新たな発見をもたらします。特に、登場人物たちの心の葛藤や、彼らが抱える狂気に共感する読者が多く、感情移入しやすい点が魅力です。中学生の...

感想・レビュー・書評

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  • 再読。何回読んだやろう。新井素子の描く狂った女たち、好きやわ。由利子さん以外、みんなに共感できる。初めて読んだ中学生の頃は、真理に一番共感して、幸せなまま死んで良かったと思ってた。今読んでも、それは変わらなかった。楽しい夢の続きを見たくて頻繁に二度寝をしてるので、智子にも共感できる。どちらが現実か、迷うときがある。極限状態になったとき、私はどんな風に狂うだろう。

  • 正気を失う人と保つ人。保つ人は、自分に狂うことを最後まで許さない人。

  • でたーチャイニーズスープ。これだよこれ、初めて読んだ時結構衝撃だったんだよね。素子さん好きになったのこれでかもしれない。

    真理の章も結構鮮明に覚えてた。

    読み返してみて、朗とのやり取りはあんま興味なし。甘い、むずがゆくなる。
    最近素子さん読んでるけど、そのラブストーリー的な部分はちょと…。そんな甘くないぜよって思ってしまうくらい年取ってひねくれてしまったんだな、きっと( ;∀;)

  • 実家で再読。地球に巨大隕石が衝突することが判明、終末までの期限は1週間。交通はストップし自暴自棄な人々が暴走する中、江古田に住む圭子は鎌倉に住む恋人の朗に会うために徒歩で出発する。

    実家にいた頃は鎌倉はともかく江古田ってどこやねんという感じでピンときていませんでしたが、上京して最初に住んだのが江古田のすぐそばで、ここがあの江古田かーみたいな無駄に感慨(笑)

    圭子が旅の途中でかかわる何人かのエピソードが、世界が終わるときに人はどういう行動をとるのかといういくつかのサンプル的に登場してくるのだけれど、なんといっても強烈に印象に残っているのはチャイニーズスープ。あと1週間で世界が終るというときに、自分を捨てて愛人のもとへ行こうとした夫を刺殺した妻は、愛する人と同化し自分のなかに「かえしてあげる」ために、ユーミンの「チャイニーズスープ」を口ずさみながらシチューにして煮込もうとする。とんだ狂気だけれど、これはたいへん切なかった。

    その他、ひたすら眠り続けて、これは自分の夢だという少女、先の見えない人生に最初から愛想をつかしていて世界が終わることをむしろ喜んでいる少女など、いろんな女性が登場する。単純に、自分ならどうするだろう、誰と一緒にいたいと思うだろうと想像をめぐらせてしまう。終末ものの名作。

  • 「とにかく、珍しいくらい人なつっこい人。入学式の日から、クラス全員を名前のほうで呼び、全員の親友みたいな顔をしてる人。」

    「あたしね_おそらくあたし_地球が亡ぶってニュース聞いて、この世の中でただ一人、しあわせなのは、あたしだけだと思うの。ほんっとに」

    私は、ハッピーエンドの小説が好きだ。読んで読み進んで泣かされる事があったとしてもその先にハッピーエンドがあればと絶対期待している。本の中でさえ絶望させられたら死んでしまう。狂って壊れていく女性を描くのが好きだと新井さんは言う。狂って壊れていく女性は美しいって。うえっ、て
    思う。狂気に満ちて、自分を見失ってる状態が美しいだなんて、考えられない。それに不謹慎だけど、地球が一週間後に亡ぶって聞いて、しあわせなのって言ってしまう、気持ちが判ってしまう。

    「あたしは、ね。走ってきたの。走ってんの。ずっと。もうすっかり加速がついちゃったの。だから、とまれないの・・・・・・」

    この気持ちも判ってしまう。真理は恋に走ってたわけじゃないんだけど、真理みたいにレールの上を走る事しかできなかったわけじゃないんだけど、とまれないというより止まりたくない気持ちは判る。

    痛い、痛い、痛い。読んでて途中痛くてひといきには読めなかった。スプラッタ物が若干苦手なんだけど、えぐぐはない。けど痛い。でも判る。泣く。泣いてしまう。でもよかったひとめあえて。

  • 構成おもしろかった

  • 2020#44

  • 当時20歳かそこらの小娘が書いたという本。
    ラノベの元祖と呼ばれているらしく
    友人の勧めで読んだよ。

    地球が終わる日までのカウントダウンの話。
    人が狂うありさまを描いているのだけれど
    よくここまでいろんな人の心情を分けてかけるなあと感心。
    人を食べるシーンとかかなりきつかったので飛ばしちゃった。

    最期の日を一緒に過ごす相手がいる、主人公に嫉妬した。

  • 昔々、私がまだ少女だったときに読んだ本。
    当時だったら星3つくらいはつけたのだろうけれど。
    私もりっぱなおばさんとなってしまいました。

    それでも、なんとなく覚えていたところもあった。
    妻と愛人がやりあうところとか、思い出した。
    あ、次にこんなセリフを言うぞ、と。
    若いころの記憶力は、実に素晴らしい。
    改めて実感をした。

    そもそも、文体がラフすぎて、それだけでもおばちゃんにはつらかったです。

  • 高校生の時?久しぶりに読んだ本。
    その頃の自分には状況がリアルに感じられた。

  • 独特な文体で書かれている小説。
    好みが分かれそうですが私はスンナリと受け入れられました。
    しかし若干古い感じ。

    地球に隕石が落ちて、全人類が滅亡するだろうと言われ慌てふためく人たち。
    隕石激突まであと五日。

    交通機関がストップした中、迷いもせず一心不乱に恋人の元へ向かう主人公。
    正直少し羨ましい。
    私はきっと迷いに迷って狂うタイプ。
    家族とも一緒に居たいが、大好きだったあの人にも会いたい。考えまくって五日間が終わりそう。

    人肉料理を作るシーンが衝撃的。
    その日は本当はビーフシチューを作る予定で、材料も全て揃えておいたのですが、急遽レシピ変更。
    しばらくビーフシチューは作りたくない。

  • リアルタイムでは読んでなかった。こっちの方がはるかに先なんだけど、終末のフールみたいと思った。今人気の作家は大なり小なり新井さんに影響受けてるのねと思った。

  • 終○のフールに似た、隕石激突で地球滅亡直前。 と言う設定の中、『極限』に追い込まれた女子達の狂った様を、わりと軽いタッチで描きつつ、時に、垣間見せる女性作家ならでは?な、グロテスクな表現・描写… とにかく勢いで読み切った。 “女って、そんなあやふやな 何考えてんだか、自分でもよく判らない、一つのものであると同時に他のものでもあり得る、そんな妙な生き物かしら” …女子自身でも判らない、妙な生き物を、そりゃあ、オトコが判るはずもないな。と改めて。

  • 狂気と正気、混乱と絶望の最中。あたしは狂った人々と遭遇する。
    哀しくも、実際正気でいられるのだろうかと疑いたくもなる作品。ラストはハッピーエンドで、綺麗に終わってる。
    しかしながら、最後をどうやって迎えたのかは闇の中である

  • 地球が滅亡すると知ったとき、それをどう受け止めてどう過ごすのか…。僕も大半の人と同じように狂ってしまうと思います。
    ところがこの物語では理由はどうあれそれまでの日常を繰り返す人々がいます。彼らは達観して狂ってる人を傍観するのですが果たして狂ってるのはどちらなのか?
    こういった極限状態の中で人間はどうなってしまうのか、女性を中心に描かれていて、女性の心情は複雑な感情が文字通り渦巻いてるんだなぁと思いました。



    この作者さんはライトノベルの雛型といわれてるらしいですね。読んで納得。主に口語文で綴られている文章は今のライトノベルに影響を与えたんでしょう。ライトノベル読んだことありませんが。

    しかし表現の生々しさにはびっくり!特に最初の由利子さんの話は引きました。読みやすい、今で言うライトノベル適な文章でありながらあそこまでグロテスクな表現ができるとは…。そしてこれを20で書いたというのは。なかなか信じられないです。

    ここが現実だって言う証拠とは?地球が壊れてしまっても残るものとは?
    若さ故のストレートな訴えも考えさせられました。いつか自分が死ぬときに形として残らないとしても、なにかしらを残せるようにしたいですね。

  • えぐかった…。はたちで書いたんだって、これ。

  • 私は出会った、心から愛せる人に。まるで自分自身の分身のような、運命の人に。でも現実は残酷だ。隕石衝突まであと一週間。誰も仕事なんてしていない。電車なんて動いていない。でも最後に、最後に一目会いたい。だから私は歩くことにした。世田谷から鎌倉まで。

    すごい。衝撃。本作はふたつの側面を持つ。人間の狂気と、人間の深愛。コインの裏と表。コインが高速で回転すれば狂気は深愛と交わり、深愛はまた狂気を生む。その回転が止まったとき、上を向くのは……

    すごい。読書初心者にはオススメできない、本好きに是非とも読んでほしい作品。

  • 「地球があと一週間で終わる」という状況で、正気を保った2人と狂ってしまった幾人かを、特徴的な口語体で書き綴った一作。
    個人的にはほぼ十年ぶりの再読。前に読んだときは正気を保ったヒロインに注目して読んだ一作だけど、今回は「狂ってしまった幾人か」の話を”もっと聞きたい”、と思いながら読んでた。ある意味で純すぎる人たちがちょっとしたボタンの掛け違いで狂ってる。どの人も正気を保ってる人と紙一重で、一歩間違えば自分もそうなりかねない、そこに共感を覚えた。
    そういう人を描いている作品は他にもたくさんあるんだろうけど、作品を通して口語体で書かれているこの小説は、”もっと読みたい”という気持ちよりも”もっと聞きたい”という感情を引き出すところがある。文語・口語混交文ではなく口語文のみで小説を書ききる、この作者以外でこの文体を使いこなせた人は少ないことも含め、もっと評価し議論されてもいい。少なくとも、自分は今までこの作者を過小評価してたんだな、と確認させられた一作。

  • 語り口調が独特で、慣れると好きになる作品。話の設定が個人的に好き。話の起承転結がわかりやすい本。

  • これ今読み返してもほんとすごいなー。ぎりぎりの最後、それぞれの形で愛とエゴを膨れ上がらせていく女性たちの姿。
    中でもお気に入りは当然ゆりこさんとまりちゃん!

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著者プロフィール

1977年「わたしの中の・・・・・・」が奇想天外新人賞佳作に入賞し、デビュー。以後『いつか猫になる日まで』『結婚物語』『ひとめあなたに・・・』『おしまいの日』などを発表。1999年に発表した『チグリスとユーフラテス』が第20回日本SF大賞を受賞。

「2022年 『絶対猫から動かない 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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