ひとめあなたに (角川文庫 緑 600-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 653
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041600016

感想・レビュー・書評

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  • 再読。何回読んだやろう。新井素子の描く狂った女たち、好きやわ。由利子さん以外、みんなに共感できる。初めて読んだ中学生の頃は、真理に一番共感して、幸せなまま死んで良かったと思ってた。今読んでも、それは変わらなかった。楽しい夢の続きを見たくて頻繁に二度寝をしてるので、智子にも共感できる。どちらが現実か、迷うときがある。極限状態になったとき、私はどんな風に狂うだろう。

  • 正気を失う人と保つ人。保つ人は、自分に狂うことを最後まで許さない人。

  • でたーチャイニーズスープ。これだよこれ、初めて読んだ時結構衝撃だったんだよね。素子さん好きになったのこれでかもしれない。

    真理の章も結構鮮明に覚えてた。

    読み返してみて、朗とのやり取りはあんま興味なし。甘い、むずがゆくなる。
    最近素子さん読んでるけど、そのラブストーリー的な部分はちょと…。そんな甘くないぜよって思ってしまうくらい年取ってひねくれてしまったんだな、きっと( ;∀;)

  • 実家で再読。地球に巨大隕石が衝突することが判明、終末までの期限は1週間。交通はストップし自暴自棄な人々が暴走する中、江古田に住む圭子は鎌倉に住む恋人の朗に会うために徒歩で出発する。

    実家にいた頃は鎌倉はともかく江古田ってどこやねんという感じでピンときていませんでしたが、上京して最初に住んだのが江古田のすぐそばで、ここがあの江古田かーみたいな無駄に感慨(笑)

    圭子が旅の途中でかかわる何人かのエピソードが、世界が終わるときに人はどういう行動をとるのかといういくつかのサンプル的に登場してくるのだけれど、なんといっても強烈に印象に残っているのはチャイニーズスープ。あと1週間で世界が終るというときに、自分を捨てて愛人のもとへ行こうとした夫を刺殺した妻は、愛する人と同化し自分のなかに「かえしてあげる」ために、ユーミンの「チャイニーズスープ」を口ずさみながらシチューにして煮込もうとする。とんだ狂気だけれど、これはたいへん切なかった。

    その他、ひたすら眠り続けて、これは自分の夢だという少女、先の見えない人生に最初から愛想をつかしていて世界が終わることをむしろ喜んでいる少女など、いろんな女性が登場する。単純に、自分ならどうするだろう、誰と一緒にいたいと思うだろうと想像をめぐらせてしまう。終末ものの名作。

  • 「とにかく、珍しいくらい人なつっこい人。入学式の日から、クラス全員を名前のほうで呼び、全員の親友みたいな顔をしてる人。」

    「あたしね_おそらくあたし_地球が亡ぶってニュース聞いて、この世の中でただ一人、しあわせなのは、あたしだけだと思うの。ほんっとに」

    私は、ハッピーエンドの小説が好きだ。読んで読み進んで泣かされる事があったとしてもその先にハッピーエンドがあればと絶対期待している。本の中でさえ絶望させられたら死んでしまう。狂って壊れていく女性を描くのが好きだと新井さんは言う。狂って壊れていく女性は美しいって。うえっ、て
    思う。狂気に満ちて、自分を見失ってる状態が美しいだなんて、考えられない。それに不謹慎だけど、地球が一週間後に亡ぶって聞いて、しあわせなのって言ってしまう、気持ちが判ってしまう。

    「あたしは、ね。走ってきたの。走ってんの。ずっと。もうすっかり加速がついちゃったの。だから、とまれないの・・・・・・」

    この気持ちも判ってしまう。真理は恋に走ってたわけじゃないんだけど、真理みたいにレールの上を走る事しかできなかったわけじゃないんだけど、とまれないというより止まりたくない気持ちは判る。

    痛い、痛い、痛い。読んでて途中痛くてひといきには読めなかった。スプラッタ物が若干苦手なんだけど、えぐぐはない。けど痛い。でも判る。泣く。泣いてしまう。でもよかったひとめあえて。

  • 構成おもしろかった

  • 2020#44

  • 当時20歳かそこらの小娘が書いたという本。
    ラノベの元祖と呼ばれているらしく
    友人の勧めで読んだよ。

    地球が終わる日までのカウントダウンの話。
    人が狂うありさまを描いているのだけれど
    よくここまでいろんな人の心情を分けてかけるなあと感心。
    人を食べるシーンとかかなりきつかったので飛ばしちゃった。

    最期の日を一緒に過ごす相手がいる、主人公に嫉妬した。

  • 既読本

  • 昔々、私がまだ少女だったときに読んだ本。
    当時だったら星3つくらいはつけたのだろうけれど。
    私もりっぱなおばさんとなってしまいました。

    それでも、なんとなく覚えていたところもあった。
    妻と愛人がやりあうところとか、思い出した。
    あ、次にこんなセリフを言うぞ、と。
    若いころの記憶力は、実に素晴らしい。
    改めて実感をした。

    そもそも、文体がラフすぎて、それだけでもおばちゃんにはつらかったです。

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著者プロフィール

1977年「わたしの中の・・・・・・」が奇想天外新人賞佳作に入賞し、デビュー。以後『いつか猫になる日まで』『結婚物語』『ひとめあなたに・・・』『おしまいの日』などを発表。1999年に発表した『チグリスとユーフラテス』が第20回日本SF大賞を受賞。

「2022年 『絶対猫から動かない 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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