ほたるの星 (角川文庫)

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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041602744

感想・レビュー・書評

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  • 物足りなさを覚えた。
    物語の内容としては感動的といえるだろう。東京から山口に来た新米教師と児童、保護者、地域の人による夢への挑戦と達成の話。地域面でも立場面でもヨソモノで弱い主人公が敵ともいえる職場や周囲の人間に認められる話でもある。
    この物語は映画であり、この本は「原作本」で、映画本編とは差異がある。映画を見ずにこの本を読んだ。
    物足りない。まず事件性がない。本の後ろの説明にあるような、バラバラの子どもたちの様子は冒頭にわずかにあるだけですぐに先生を慕うようになるし、要求ばかりする鬼のような親(母親)は、最初の授業参観だけ。他の教師は型通りといっても、冷ややかに当たる程度で主人公の行動を阻害するような活動をするわけでもなければ特に実権を持っているわけでもない。教頭というNo.2が敵とはいえNo.1の校長が味方であり、壁障害の役割をなしていない。地域の方の協力は簡単に得ることが出来たし、問題児とされた比加里も、終盤まで大した問題を起こさず順調に進んでいく。このようなことから、この物語の売りのひとつである、だんだん本気に、いくつもの困難を乗り越え、が弱い。個人的には無いといっていいくらい、感じなかった。主人公である新米教師の性格もよく分からず、松蔭云々で職務に燃えているのかと思いきや、母親からの注文を淡々と堪えて流すだけであったり、保健室の先生とコンビのようにつるんで行動するくせにラブロマンスにはとんと疎かったり、と掴みようがないというか芯が一本通って無いというか、主人公=これだ、というものがない。だから何を考えているのかよく分からなかったし、言葉が本気なのかもよく分からなかった。子どもたちが慕うことすら、どうしてかなと思うくらいだった。
    物語が淡々で、ホタルに関しても、論議の白熱は伝わるもその後の成果は曖昧で、役所でのトラブルも結局なんてことなしに工事延期と解決。サササと進む一方で余韻に浸るひまもない。終盤に出てきた比加里の父親もなんだったんだという話で、今更急に登場されても困るしかなかった。しかも出たからといって傷つける位の役割しかなく、問題児という比加里の人物キーワードをとりあえず出しておきました感が拭えない。物語の終わり方も、余韻のつもりなのか知らないが尻切れトンボもいいところだった。都合よく事件が解決してホタル飛びました。以上である。
    せっかくの良い題材が生かしきれていない。雰囲気いい話でおわっている。とてもじゃないが「現代の二十四の瞳」とは言えないと思った。
    この話を活かすためには、もっと一つ一つを丁寧に掘り下げていくべきだったと思う。例えばバラバラでしらけ気味の泥の感触を知らない現代っ子を出すなら、何故バラバラなのか、何故しらけ気味なのかもっと突き詰めて、原因の提示、改善策への苦難、本人や周囲の反発・無関心とそのことへの対策、変化成長代償など、描くことは多いと思う。当然子ども一人一人で勝手が変わってくるし、問題児とされた比加里と、他の児童との対比類似取り上げも出来、登場人物に魅力が出ると思う。学校は勉強と頑なな教頭たちの考えはどうなのか、生き方を学ぶことが大切と語る松蔭派の考えはどうなのか、それらを受けて主人公はどう考え、どう悩み、どう変化し、どう子どもや周囲に伝えるのか。単に固い頭の敵教頭に邪魔されたけど素晴らしい松蔭派の元で頑張りました、では面白くない。第三、第四の考えを主人公が生み出し、まわりを納得させ、感動なら感動に導いて欲しかった。映画ではなく本という媒体だからこそ、出来る事はあると思う。
    ふらふらしたり遊びの部分があってもいい。ただ一本間違っていてもいいから芯を持って、様々に学んだことを書き込む余白の余裕を持って、念願の希望をちゃんと示して、或いはしらけるならしらけて、要求なら要求して、本気で生きて。一生懸命さがひとつあれば、人物も物語も輝く、感動も大きい。
    反面教師含め、この作品から多くのことを学んだ。その点については感謝します。しかし一作品としては、そこまで魅力的とは思えなかった。

  • 弟にすすめられて読んだ本。
    二十四の瞳のような本で、ほたるを通して担任が変わり生徒がかわり母親・地域がかわっていくのは素晴らしい。

    「一人が変わればみんなが変わる。」
    「失敗を恐れて何もしない。これが最大の罪です。」

    最後は感動です☆

  •  「ぼくらの七日間戦争」でお馴染みの宗田理氏が取り組んだ物語ということで手にとって読んでみた。映画化を考慮の上で書かれた小説ということもあり、すらすらと読み進めることができた。読み進めていて、まず感じたのは懐かしいという感覚だった。もちろん平成16年に作成された物語らしく子供がインターネットでホタルについて調べたりもしているが、物語の雰囲気は「ぼくらの七日間戦争」と同じ雰囲気を持っていると感じた。
     巻末に、映画「ほたるの星」の監督である菅原浩志氏の撮影後記なるものがあり、その中で「軟弱で線の細い男が多くなっている昨今、逞しく男らしく、それでいて…」という俳優に三輪元を演じて欲しかったと記されている。が、僕がこの物語を読んでイメージした三輪元は、どちらかというと軟弱で線の細い主人公だった。三輪元は、強い主人公ではなく、(この物語の体験を通して)強くなっていく主人公なのではないだろうか。

  • 山口などを舞台とした作品です。

  • 映画にもなった「ほたるの星」
    小学生がほかるの飼育を通して、徐々に学び成長していく様子は、気楽に読み味わえる。
    さらに、周りの教師や親もそれに伴い変わっていく。

    会話が多く、テンポよく読むことができました。

  • 確か最後のあたりが国語の文章で出ました。
    塾を通じて知った本は多いです。

  • 2006.11.09

  • 夢中になれることがある・見つけられるのはいいことです。

  • 読みやすいですよー!
    最後がちょっと微妙だったけど、映画は見たい!!

  • 表紙を見て読みたくなった。ほたるなんて、東京で見たことがない。ほたるの住める川にしようとか、忘れていたものを思い出させる作品。宗田理の本は実はこれが初めてです(笑)

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著者プロフィール

宗田 理(そうだ おさむ)
1928年、東京生まれの作家。父を亡くし、母の実家愛知県で1937年~45年まで暮らす。日本大学芸術学部卒業。シナリオ製作、編集者などを経て、『未知海域』が情報小説として高く評価され直木賞候補となったことをきっかけに、1979年作家デビュー。
1985年に刊行された『ぼくらの七日間戦争』は宮沢りえ主演で映画化され、当時の中高生を中心に圧倒的な人気を呼んだ。主な作品に『ぼくらの七日間戦争』をはじめとする「ぼくら」シリーズ、「2A」シリーズ、「東京キャッツタウン」シリーズ(角川つばさ文庫)など多数。

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