森の聲 現代ホラー傑作選第5集 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (1995年8月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041607343

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  • 泉鏡花、夏目漱石から芥川龍之介、太宰治、川端康成ら明治〜昭和期の文豪が遺した怪奇幻想譚、恐怖譚11編を収録したアンソロジー。

    ・妖しい力を揮う占いの老婆に囚われた許嫁を救い出そうとする男の苦闘「妖婆」(芥川龍之介)はどこか古典ゴシック小説の雰囲気。欧米の怪奇幻想作品の翻訳も手がけていた作家だけにその辺りの影響も見て取れる、気がする。
    ・忘れていた過去のある"罪"が追いかけてくる「灰色のマント」(石川淳)。主人公の妻の言葉が強く印象に残るが、当時の人々にはこういう考え方もそう珍しくなかったのかもしれない。
    ・貧しい母親と男の子「化鳥」(泉鏡花)は終始幼い男児の視点で描かれるからか何とも掴みどころがなく、終始幻想的で切なくもどこか優しいような。9歳の時に亡くなった母への思慕を生涯抱き続けた鏡花の心象風景とも思える。
    ・異種婚姻譚と思わせて……の「神の嫁」(折口信夫)は読後調べてみたら未完なのだとか。
    ・初老の男と若い女性の片腕との一夜の睦言「片腕」(川端康成)。ノーベル賞作家のフェティシズム溢れるド変態作(←怒られろ)。
    ・「青柳のはなし」(小泉八雲)。これも異種婚姻譚。
    ・娘の死をきっかけに家族が徐々に壊れていく「海辺の望楼にて」(佐藤春夫)。主人公、その親友でもある妹の婚約者、そして妹―三者の関係は作家の実生活の暗喩では……とは勘繰り過ぎか。
    ・貧しい炭焼きの父と娘「魚服記」。モノクロームで陰鬱な幻想譚。
    ・死んだ自分が己の骨を見ている―という詩「骨」(中原中也)は、彼の詩には珍しいカラッとした自嘲と諧謔。
    ・「夢十夜」(夏目漱石)は、今さら言及するまでもないマスターピース。
    ・ある料亭での冬の夜の凶事「心中」(森鴎外)。怪談と思ったらロバート・ブロック的なやつだった、みたいな。
    ひゅうひゅう。

    文豪、巨匠といわれる作家らが遺した幻想怪異譚、恐怖譚を"ホラー・アンソロジー"として編んだものは、本書の刊行(1995)以前はほとんどなかったんじゃないだろうか。だとするならば、何度目かのホラー・ブームに湧く令和の現在に続く日本ホラー小説の―大乱歩とは別の―源流の一つとして提示したこの本はもっと注目されていいのでは……とも感じる。
    ま、編者によるあとがきには今や隔世の感もあるのだけれども。

  • 芥川 龍之介「妖婆」
    石川 淳  「灰色のマント」
    泉 鏡花  「化鳥」
    折口 信夫 「神の嫁」
    川端 康成 「片腕」
    小泉 八雲 「青柳」
    佐藤 春夫 「海辺の望楼にて」
    太宰 治  「魚服記」
    中原 中也 「骨」
    夏目 漱石 「夢十夜」
    森 鴎外  「心中」

    (中央図書館)

  • イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/5164658.html)
    正しい題名「森の聲」
    (収録作品)夢十夜(夏目漱石)/妖婆(芥川龍之介)/灰色のマント(石川淳)/化鳥(泉鏡花)/神の嫁(折口信夫)/片腕(川端康成)/青柳のはなし(小泉八雲)/海辺の望楼にて(佐藤春夫)/骨(中原中也)/心中(森鴎外)/魚服記(太宰治)

  • 『森の聲 現代ホラー傑作選第5集』
    内田康夫/編

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著者プロフィール

1934年東京都北区生まれ。1980年に自費出版した『死者の木霊』で衝撃的デビュー。主人公の信濃のコロンボこと竹村警部が活躍する作品に加え、1982年に刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦を主人公にしたミステリー作品は大ベストセラーに。映像化作品も多数。2018年逝去。

「2022年 『箸墓幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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