天河伝説殺人事件(上) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041607701

感想・レビュー・書評

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  •  浅見光彦ミステリーシリーズ。本シリーズの中で一番人気のある作品らしいので、初期の2作品(後鳥羽伝説殺人事件、平家伝説殺人事件)に続いて読んでみることにした。人気のある作品ということもあるが、興味深い展開を見せている。物語(上巻)は、新宿で変死事件と能の舞台での急死事件が、吉野の里で取材旅行中の浅見光彦の前で一つになっていく。この後の展開は、下巻を手にしていないので私もまだわからないが、なかなか先が気になる展開だ。またこのシリーズに共通することだが、地方の警察署の刑事が、浅見光彦が刑事局長の弟だと気づいたとたんに態度を急変させるシーンは、お馴染みながらほほえましい。
     ところで、変な感想を書くが、人に見てもらうことを前提としていると探偵物の読書ノートというものは非常に書きにくい。

  • これまでの本の選び方は、作者名を知り映像化してない作品から選択。
    ただ今度ばかりは、今までと異なる。
    かつてテレビ放映した映画を観て、面白かったと記憶して選択。
    何年も前なので、エピソードも余り覚えていない。
    なので、改めて原作を読みたいと思った。
    思ったというよりは、書店で閃きに近いものが脳裏に走ったのであった。

    当然のことながら、内田康夫作品は初体験。
    どの様な文章を書くのか、非常に楽しみでした。

    上下巻ともに6章で構成され、各章にはサブタイトルも存在。
    また章の移り変わりはとても印象的で、かつ映像的なエッセンスが凝縮。
    時には天の声がナレーションを務め、とてもポップな印象。
    文体もエネルギッシュで、読む者を惹いて止みません。

    これまで、殺人事件と題される作品は読んだことはなかったのですが、不謹慎な意味ではなく、エンターテインメント要素満載のミステリーでした。
    登場人物の性格や役割を少ない情報で、的確に読者に伝える手法。
    とても映像的でスピード感のある文章で、複数のドラマを同時に展開。
    慎重に展開する心理描写などもあり、メリハリの効いた作品です。
    土地勘のある方や、能楽に興味のある方は、もっと楽しめるでしょう。

  • 能の水上流宗家・和憲には、和鷹、秀美という二人の孫がいた。異母兄妹にあたるこの二人のうち、どちらかが将来宗家を継ぐだろうといわれていた。しかし、和鷹が舞台で「道成寺」を舞っている最中、鐘の中から姿をあらわしたその瞬間、観客が目にしたのは和鷹の変わり果てた姿だった!センセーショナルな謎の死に注目が集まる中、和憲の行方もわからなくなり…。

  • (苦い)思い出に残る1冊。

    十年近く前に、“改装版”ではない方の文庫版で読んだ。


    ●物語は、面白かった。
    ●内田康夫という作家も、当時は割りと好きな方だった。
    ●火サス等で放映される、ドラマ浅見光彦シリーズも、たまに観ていた。



    (改装版や最近の作品の文庫ではどうなってるか知らないが…)

    内田さんって、自分の作品の文庫巻末に自分で解説文書く人なのよね…。

    自画自賛というか…自作のここが良くできた、等という自慢話めいた言い回しが少々鼻につくこともあったけれど、作品自体は割りと面白いものも多いので許せていた……。

    それまでは!!!!



    しかし……

    『天河伝説殺人事件・上』で、なんと……

    巻末の自己解説文で……





    こともあろうに彼は、物語のラストシーンについて語ってしまった!!!

    “この締め括り方が気に入っている”と、得意気に!!!!

    下巻ならまだギリギリ許せるが、上巻の巻末にソレ書いちゃうの????




    まだ下巻を読み初めてもいない段階で、真犯人も、真犯人が選んだ結末も知らされてしまうなんて……(怒)。



    以来、内田康夫が大嫌いに!!!

    …まあでも、ごくたまに、安売りの中古本は買ってしまうが(笑)。

  • 拘留→身元バレのくだりはやっぱり面白い。

  • 感想は下巻に同じ。

  • 浅見シリーズを読むに当たり、やっぱりまず・これを読まなきゃ!って気持ちだったのだ。
    一体何年前だったか?に見たドラマの印象と、なんとも言えず惹かれるこの題名。
    ドラマは確か・・・人が往来する都会の真ん中で澄んだ音を立てて五十鈴が転がり落ち、人が倒れるシーンから始まり、そのときに見た神秘的な五十鈴が強烈に記憶に残っている。
    この話を読むと、能、面、吉野、天川村、天河神社に興味を持ち、天河神社での薪能を是がひにも見てみたくなる。
    物語で言う、独特で不思議な雰囲気、天河に在る「気」に、自分も浸ってみたくなる。
    なんていうか、この物語の悲劇の発端ともなる男女の出会いだって、元はといえばこの天河の気が招いたものなのだ。
    一体、どういう場所なのだ??
    多分、この物語を読んでそう思ったのは私だけじゃないはずだ。
    天河は、神聖な場所であると同時に、ある意味男女の運命を狂わせる場所にも思えた。

    ・・・それにしても吉野って、歴史伝説の宝庫のような場所だねぇ(^o^;
    実にたくさんの高貴な人が追っ手から逃れるため、山中を彷徨ったのだと思うとそれだけで何かしら「念」や「思い」のようなものが漂っている気がするし、エネルギーが満ちる場所なのではないか、って思う。

    そういえば話の最後で、某氏はカプセルを雪で飲み下していた。
    あれはまさか、自殺するつもりで毒を飲んだんじゃないよね??
    時間を気にしていたのも気になるんだけど・・・あえて浅見もそれを止めなかった。
    どうなるのか、謎の残る終わりだったけれど、浅見はあえて真相を警察に告発したり追究しない主義らしい。
    出合った女子たちとの淡い恋の行方も、「あとは野となれ山となれ」。一期一会という表現がぴったりだ。
    引き際と踏み込みすぎない立ち位置の見極めが実にさっぱりしている浅見なんだよねぇ~(^-^*。

  • 日光、吉野などを舞台とした作品です。

  • 能、お面をつけたら毒で殺される。吉野の話。

  • 能の水上流宗家・和憲には、和鷹、秀美という二人の孫がいた。異母兄弟にあたるこの二人のうち、どちらかが将来宗家を継ぐだろうといわれていた。しかし、和鷹が舞台で「道成寺」を舞っている最中、鐘の中から姿をあらわしたその瞬間、観客が目にしたのは和鷹の変わり果てた姿だった!センセーショナルな謎の死に注目が集まる中、和鷹の行方もわからなくなり……。名探偵・浅見光彦が挑んだ、最大級の難事件が新装版で登場!

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著者プロフィール

内田 康夫(うちだ やすお、1934年11月15日 – 2018年3月13日)
東京府東京市滝野川区(現・東京都北区)に生まれる。長野市出身の父の実家が戦災で被害を受けたため、長野市から戸隠山麓の村、秋田県羽後町、雄勝町、埼玉県、静岡県沼津市、秋田県秋の宮などに移り住む。
埼玉県立川越高等学校、東洋大学文学部国文学科中退。コピーライターや広告製作会社の社長を経て、小説を書く。1980年『死者の木霊』、1981年『本因坊殺人事件』を栄光出版社(当時。現在は別の出版社から刊行)から自費出版。3000部刊行の前者『死者の木霊』が朝日新聞書評で紹介されたことを機に、作家デビュー。1982年刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』が商業デビュー作となり、ここで名探偵浅見光彦が誕生。浅見光彦が登場する作品は116事件。累計で約9700万部を発行、映画やドラマ化もされて人気を博した。推理・ミステリー小説だけでなく、随筆やファンタジーなども手がけた。2008年、日本ミステリー大賞を受賞。
2015年7月26日脳梗塞が見つかったために入院し、毎日新聞で連載していた浅見光彦シリーズ「孤道」は2015年8月12日で終了。後遺症の左半身麻痺のため2017年3月に作家活動を休止、『孤道』執筆分がまとめて刊行された。加えて中断された物語の結末を一般公募し、最優秀作を「完結編」として刊行するという、毎日新聞出版、毎日新聞社、講談社、内田康夫財団連名による「内田康夫『孤道』完結プロジェクト」が広く話題となった。募集は2018年4月まで行われた。募集期間中の3月13日、敗血症のため83歳で逝去。
完結プロジェクト最優秀賞は和久井清水さん「孤道 我れ言挙げす」に決定。2019年春に講談社から刊行予定。

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