赤んぼう少女: 楳図かずお作品集 (角川ホラー文庫 601-4)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 208
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041608067

感想・レビュー・書評

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  • 子どもの頃「赤んぼう少女」を読んだときは、すごく怖かったのだけど、今読んでみると、タマミが憐れで泣けた。
    お化粧や着るもので美しく見えるレベルのルックスではないのに、努力してみて、己の醜さに涙するタマミ。
    悲しいときは古井戸に入って一人泣くタマミ。イケメンに恋して散々な扱いを受けるタマミ。凄い気力と体力と生命力があるし、頭も悪くないのだからその長所を生かして生きることもできたのに、負の方向へエネルギーを爆発させるタマミ。葉子よりずっと友達になれそう。
    「黒いねこ面」は咎なく主君に殺された主人の仇を飼い猫が討つ話で、胸を打つ。壁に塗り込めたりしてポーが元ネタなのは間違いなし。
    私が無実の罪で殺された場合、うちの猫4匹のうち仇討ちしてくれるやつはいないかなと考えたけど、ビビリ2匹、食ってりゃ満足1匹、誰にでも愛想振りまく1匹で該当猫ゼロ。化け猫になって仇討ちしてくれるのは頭が良くて、飼い主のみに愛情を持ち、体力と運動神経が良く、度胸と執念深さがある猫。かなり猫を選びます。猫に仇討ちを期待しないようにね。
    「怪談」はハーンが元ネタ。
    今都会に住んでるとこういう恐怖って全く身に迫ってこない。
    だからこそ「赤んぼう少女」の化け物の悲哀が際立つのかも。

  • 「赤んぼう少女」
    「黒いねこ面」
    「怪談」

    梅図先生の作品への映画の影響は大、だが、
    今回はアルジェントを大いに髣髴させた。
    巻末で大槻ケンヂが喝破しているとおり、
    タマミちゃんはチャレンジ精神サービス精神にあふれていてけなげなんだよなぁ。

  • 昔に読んでタマミちゃんの存在にはトラウマを覚えたものだが、読み返してみると案外乙女な一面を見せたり、方向性は正しいとは言えないがエネルギッシュでたくましい性格には恐れ入る。
    外見が醜いばかりに、世間からはじかれ、歪みに歪みまくった精神とやるせない情念の行所は物語として読み応えたっぷりでおもしろい。
    巻末には大槻ケンヂとの対談つき。

  • 小学生のときにうっかり読んで後悔した。でも、大人になって読み返してみると、けっこう、たまみちゃんはいじらしい乙女であることに気づき、恐怖漫画ではくくれないと思った。

  • たまみちゃん・・・たまに見返したくなる面白さ

  • ちょっと期待しすぎてた感はいなめない、
    もっと怖くて夜トイレに行けなくなるもんだとおもってた。
    でも醜い少女が美しい少女をいじめるっていう構図が切なくて好き。
    むしろタマミちゃん視点で描いた方がこわいんじゃないかしらとか
    いろいろ楽しめる作品だとおもう。

  • 100422(a 100503)

  • たまみ、せつなすぎるよ。陽子め、許せん!

  • 小学校1年生のときに歯医者で読んで以来、大人になるまでタマミちゃんにおびえ続けました…

  • タマミねえさん!

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著者プロフィール

楳図 かずお(うめず かずお)1936年和歌山県生まれ。55年に貸本漫画家としてデビュー、『週刊少年サンデー』などに作品を発表。ホラー漫画の第一人者。代表作に『漂流教室』『まことちゃん』『わたしは真悟』『14歳』など。ホラー、SF、ギャグ、時代劇まで幅広い。1995年以降、腱鞘炎という理由で漫画は休筆中。タレント活動を行い、2014年には長編ホラー映画『マザー』を初監督・脚本・出演。

「2022年 『こわい本11 猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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