マイク・ハマーへ伝言 (角川文庫 や 31-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 151
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041616031

作品紹介・あらすじ

松本茂樹が死んだ。スピード違反でパトカーに追跡され首都高速から墜落したのだ。だが、茂樹とともにポルシェ九一一sタルガを共有していた、マイク・ハマーと仲間たちは腑に落ちなかった。茂樹はハンドル操作をあやまるようなやつではない。茂樹の死には何か別の理由があったのではないか。やがて真相をつきとめたマイクは、仲間たちと警察への復讐を計画する-。発表当時、ニューハードボイルドの旗手と謳われ絶賛された、著者の幻の処女長編。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的青春小説ランキングではベスト5に入ります。今では絶滅危惧種であるインテリ不良達の最後のパーティー。作中を通じて終始テンポが良く、キレのあるウィットに富んだ会話も刺激的だ。キザなセリフも舞台がハマなら許される。たまに鼻につくこともあるが。

    以下はお気に入りのセリフ。

    「キャデラックは、車の形をした昔だそうだ」
    「どれくらい昔だい」
    「知らんよ。ソール・ベローが言ったんだ」

    「腹がへらないか」
    「良い考えだね」
    「時間が悪いな。昼と晩の真ん中だ」
    「うん。まずいものが食えるほど腹はへっていない。」

  • 横浜を舞台にする不良少年たちの苛立ちを交えた佇まいをうまく描き、ラストの狂気を帯びた終わり方も最高であります。矢作俊彦さんの文体は海外のハードボイルドミステリを下地にしてるのは明らか。横浜で生まれたことへの矜持とそのスタイル。其れだけでもPOPEYEあたりを読んでいるシティーボーイに改めてこの時代に教科書となるべき一冊だと思う。古さを感じないのは何度も言うけど横浜生まれのシティーボーイの矜持はいつの時代も普遍のものであるからなのだろう。田舎生まれのおじさんはものすごく眩しく思えたのでした。

  • 矢作俊彦の初期作品の中でずっと未読だったもの。
    ようやく読了。

    他の作品群に比べても横浜リテラシー度が高い!
    加えて車の知識が皆無な自分には少々きつかったのは事実。

    しかも始まりは会話中心で映画の脚本を読んでいるような雰囲気。
    あらすじを理解するまで少し時間がかかった。
    とは言えクライマックスに向けてぐんぐんと引きずり込まれていった。

    礼子はFemme fataleなんだろうなあ。
    今、この作品を映画化するとして誰がこの役をできるのだろう。


    現代では絶滅したある種の不良が書かれた一冊。
    加えて横浜リテラシーが以上に高い一冊。

  • ハードボイルド!
    男のロマン溢れるカッコイイ小説でした!
    車の型番号?が出てきて、なんじゃこりゃ??と思ったけど、このやるかやられるか、みたいな緊張感と微妙に青い感じが良い!

  • (欲しい!/文庫)

  • 克哉ってかっけーな でも"不運"(ハードラック)と"踊"(ダンス)っちまった

  • 初出は昭和53年1月30日 光文社より出版 当時売り出しのキャッチ・フレーズは〈ニューハードボイルドの旗手〉だった。 遠い異国の砂漠で死んだ礼子、彼女に対する仲間のそれぞれの想いを横糸に、ポルシェで崖をダイヴした松本の仇をとろうとモンスター・パトカーにバトルを挑む。 この3年後出版された短編集「神様のピンチヒッター」にて リョウは殺し屋に変貌、二村との共演も果たしている。

  • 「Wrong Goodbye」という言葉が浮かんだので読んでる。

  • 矢作俊彦の長編小説第1作品である。横浜を舞台に5人の仲間がモンスターパトカーへの復讐を企てる。
    小説の言葉の中にちりばめられた矢作ワールドに若い頃はとことん打ちのめされた。

  • 一昔前のヨコハマを舞台とする男臭い(いい意味で)作品。

    クセのある登場人物とオールドスクールな台詞が面白い作品ではあるが、なぜかあまり自分には響かなかった…。

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著者プロフィール

1950年、神奈川県横浜市生まれ。漫画家などを経て、1972年『抱きしめたい』で小説家デビュー。「アゲイン」「ザ・ギャンブラー」では映画監督を務めた、『あ・じゃ・ぱん!』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、『ららら科學の子』で三島由紀夫賞、『ロング・グッドバイ』でマルタの鷹協会・ファルコン賞を受賞。

「2022年 『サムライ・ノングラータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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