標的の向こう側 (角川文庫)

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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041623053

感想・レビュー・書評

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  • フランス在住の日系私立探偵の周りで起こる殺人事件のアレコレ、とかくと、ミステリみたいだと思うけど、一応「ハードボイルドだ」と本書に書かれているのでハードボイルドにしておく。

    まーなんというか、困ったことに面白くないんですなこれが。つまらない、下らないってわけではないんですが。

    ストーリーはわかりやすい、ヤクザの親分の娘と、一緒に持ちだした書類を取り返すために、殺し屋と謎の男に追われていたら、かくまってくれるはずのホストが殺されて、2つの事件が交差するわけで、だれが読んでもちゃんとストーリーは終えると思います。また、一人称視点なので、人物の取り違えなども起こらない。

    当然、スルスルと読めるんですが、なんにも引っかからないんですねこれが。

    原因は2つ有り、1つは日本人同士の抗争を、わざわざフランスとスペインに持って行ったこと。日本映画などでも有るんだけど、日本人同士しか出てこない不自然さがどうしても引っかかるわけです(本作は100%日本人というわけでもないけど)。

    もう一つが、たくさん出てくる登場人物の薄っぺらさ。「綺麗な女性」「無鉄砲な元ヤクザ」「冷静沈着な殺し屋」みたいな、シンプルなキャラクター設定しかされていないので、全く人間味を感じない。

    暇つぶしに読むと、長いのも相まってすごく時間を無駄にした気分になるので、それなりに腰を落ち着けて読むべき話なんだろうけど、ちょっと時間の無駄だったなあという印象に終わった。

  • フランス国籍でパリ在住の私立探偵・鈴切信吾が活躍するハードボイルド小説。『野望のラビりンス』に次ぐ、鈴切信吾ものの第二弾。

    主人公・鈴切信吾がフランス人という設定が面白い。私が大好きなタイプの小説だ。古典的といえる作風。だから、レイモンド・チャンドラーが好きな読者にはいいんじゃないだろうか。
    今回の事件の舞台はパリからスペインへ、そしてまたパリに戻る。日本のやくざまでもが絡んでくるという、丹念にしかも複雑に練り上げられた本格ハードボイルド作品だ。よい作品を見つけたと思ったが、鈴切ものはこの2冊だけのようだ。残念。

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著者プロフィール

1950年福井県生まれ。早稲田大学文学部中退。パリ滞在中エール・フランスに勤務。76年『野望のラビリンス』で小説デビュー。95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞長編部門、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞をダブル受賞。その後恋愛小説へも作品の幅を拡げ、99年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年『愛の領分』で第125回直木賞受賞。17年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞した。その他『タフガイ』『わかって下さい』『彼女の恐喝』など著書多数。2020年逝去。

「2021年 『ブルーブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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