- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041626160
作品紹介・あらすじ
盟友・橘逸勢らと共に、遣唐使として長安に入った若き僧・空海。密教の真髄を「盗みにきた」と豪語する空海は、ありあまる才で多くの人を魅了していく。一方長安では、奇怪な事件が続いていた。役人・劉の屋敷に猫の化け物が取り憑き、皇帝の死を予言したという。噂を聞いた空海と逸勢は、劉家を訪れ妖猫と対峙することに。その時から2人は、唐王朝を揺るがす大事件にかかわることになる-!中国伝奇小説の傑作ここに開幕。
感想・レビュー・書評
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空海って唐に行くんだ!これはホント?
勝手に西遊記の三蔵法師のイメージで読んでたので空海の頭のキレとユーモラスさに面白すぎ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『陰陽師』の安倍晴明とも通ずる空海への半端ない安心感。
そして橘逸勢との気持ちの良い掛け合い。
読者の気持ちとしては天才・空海への尊敬の気持ちは逸勢側だろう。
舞台が唐ということもあり難しいかなぁと思ったが、全くの杞憂だった。
『陰陽師』と違う所は、一巻では一件落着しなかった所だ。
読み応えがあり怪異の謎が気になるので早く続きを読みたい。 -
一応、小説ですが橘逸勢のキャラなどは別にして空海の足跡としてはかなり史実に基づいて書かれている秀逸な作品です。
空海の凄さを知る上では楽しく読める(但し、文章量が多いのは覚悟して…)作品だと思います。
龍海 -
再読。
空海と橘逸勢の関係性が良くて推しになりそう。 -
親の積読から拝借したけど面白かった!空海の天才ぶりも、逸勢との関係も良かった!続きも読みたい
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重い話ではあるはずだが、空海と逸勢の軽妙な掛け合いと展開の早さであっという間に小説の世界に飲み込まれていく。次の展開が気になる。
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次の展開に不安になりつつも空海なら大丈夫という安心感を持って読めた作品。(映画を先に観た影響もあるかもしれませんが。)
作風が読みやすくとても好きです -
何となく思った以上に厚めであった文庫本が4冊…読み始めると「続き」が気になってドンドン読み進めてしまう。作中に出て来る“呪”(しゅ)というような不思議な力で操られでもしているかのように、本の頁を繰る手が停められなくなってしまう。
「沙門空海」とは、かの弘法大師こと空海が生涯に亘って最も頻繁に用いたらしい自称で「僧侶の空海」という程の意味合いであるということだ。本作の主人公がこの空海である。
題名に「唐の国」と在るが、本作の物語は作中では「密」と呼ばれている、後に空海がもたらす密教、真言宗を学ぶべく唐に渡ったという時期に題材を求めた物語だ。
本作は空海に纏わる伝記的な事柄、空海が著したとされる書物に在る事、或いは空海に伝えられたとして綴られた書物に在る事、様々な言い伝えというようなモノを盛り込みながら、空海が遭遇する怪事件の顛末が語られるという「伝奇」の物語、ファンタジーである。
“主筋”は空海が出くわした怪事件の顛末という「伝奇」の物語だが、“副筋”は空海が至ろうとした境地、唐での経験を通じてもたらされた密教に関すること、真言宗を完成させて行くまでという「伝記」の物語という要素が在るように思った。「作中の空海による思索」という体裁で、真言宗で説かれている様々な事柄を要領良く語ってしまっていると思えるような箇所も見受けられた。「伝奇」と「伝記」とが絡まり合い、独特な作中世界が展開している。 -
映画を観たときも思ったけれど、
空海≒安倍晴明
橘逸勢≒源博雅
平安京≒長安
という感じで、どうしてここまでそっくりなキャラにしちゃったんだろう…と内容に没頭できない『陰陽師』のパラレルワールドにしか思えない物語。
文章からその場の土のにおいや空気の振動までも感じさせてくれる作者さんなので、せっかくならば空海が優秀な単細胞、橘逸勢が案外しっかり者とシャーロック・ホームズ的な組み合わせにしても良かっただろうに…。
話のテンポもちょっと遅いかなぁ…。
むしろ『陰陽師』ならこのテンポに味があるんだが…。