沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041626160

感想・レビュー・書評

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  • 『陰陽師』の安倍晴明とも通ずる空海への半端ない安心感。
    そして橘逸勢との気持ちの良い掛け合い。
    読者の気持ちとしては天才・空海への尊敬の気持ちは逸勢側だろう。
    舞台が唐ということもあり難しいかなぁと思ったが、全くの杞憂だった。
    『陰陽師』と違う所は、一巻では一件落着しなかった所だ。
    読み応えがあり怪異の謎が気になるので早く続きを読みたい。

  •  一応、小説ですが橘逸勢のキャラなどは別にして空海の足跡としてはかなり史実に基づいて書かれている秀逸な作品です。
     空海の凄さを知る上では楽しく読める(但し、文章量が多いのは覚悟して…)作品だと思います。

     龍海

  • 親の積読から拝借したけど面白かった!空海の天才ぶりも、逸勢との関係も良かった!続きも読みたい

  • 重い話ではあるはずだが、空海と逸勢の軽妙な掛け合いと展開の早さであっという間に小説の世界に飲み込まれていく。次の展開が気になる。

  • 以前DVDで見た空海美しき王妃の謎の原作本。ずっと読んでみたかったのだが、先日BSで陰陽師の映画が放送されてたのをきっかけにここに来てやっと手出し。結論すごく楽しかった。
    当時の長安の空気感や風物、宗教まで、色々楽しめた。ホントに当時の長安は国際都市だったんだなー。ゾロアスター教豆知識、仏教豆知識とか、教養的な部分も面白かった。ストーリーは陰陽師で慣れた伝奇物。ホラーテイストもありちょっぴり怖いが、空海が染谷将太さんの顔で余裕をかましまくるので安心して読める。
    分厚めだが行間スカスカでテンポよく読めるので、あっという間に読み終わる。2巻にも期待。

  • 次の展開に不安になりつつも空海なら大丈夫という安心感を持って読めた作品。(映画を先に観た影響もあるかもしれませんが。)
    作風が読みやすくとても好きです

  • 何となく思った以上に厚めであった文庫本が4冊…読み始めると「続き」が気になってドンドン読み進めてしまう。作中に出て来る“呪”(しゅ)というような不思議な力で操られでもしているかのように、本の頁を繰る手が停められなくなってしまう。
    「沙門空海」とは、かの弘法大師こと空海が生涯に亘って最も頻繁に用いたらしい自称で「僧侶の空海」という程の意味合いであるということだ。本作の主人公がこの空海である。
    題名に「唐の国」と在るが、本作の物語は作中では「密」と呼ばれている、後に空海がもたらす密教、真言宗を学ぶべく唐に渡ったという時期に題材を求めた物語だ。
    本作は空海に纏わる伝記的な事柄、空海が著したとされる書物に在る事、或いは空海に伝えられたとして綴られた書物に在る事、様々な言い伝えというようなモノを盛り込みながら、空海が遭遇する怪事件の顛末が語られるという「伝奇」の物語、ファンタジーである。
    “主筋”は空海が出くわした怪事件の顛末という「伝奇」の物語だが、“副筋”は空海が至ろうとした境地、唐での経験を通じてもたらされた密教に関すること、真言宗を完成させて行くまでという「伝記」の物語という要素が在るように思った。「作中の空海による思索」という体裁で、真言宗で説かれている様々な事柄を要領良く語ってしまっていると思えるような箇所も見受けられた。「伝奇」と「伝記」とが絡まり合い、独特な作中世界が展開している。

  • 1-4巻まで読了 夢枕獏先生が18年かけて書いた小説を丸4日で読んだ、(なかなかに疲れる)夢枕先生があとがきで「俺は傑作を書いた」と仰っていたのがその通りというか、唐に留学中の空海という非常にとっつきにくそうな時代設定なのに、分かりにくいところがなくて読みやすいのは凄い。
     空海という天才青年僧のキャラクターが抜群に魅力的で、楊貴妃の死にまつわる謎解きというテーマも、決して有名な題材をむりやり当てはめた感じにはならず、当時の唐の長安の様子が非常に巧く生き生きと描写されていたように感じた。敵が使う幻術も意識と無意識のはざまにスっと入ってくるような術でなかなか怖い。
     以下は映画版との違い 
     キャラクターが違いすぎて驚く(悪い意味ではなく)キャラ振れしてない人、空海くらい?映画版を先に見た時はなんてダイジェスト版なんだって思ったけどダイジェストでもなかった、この原作のエッセンスを2時間でまとまる違う話にしていた(笑)。
     楊貴妃まわりの人の話は映画版だと説明が少ないから阿部寛がなんでいるのかわかんなかったから原作を(あの長過ぎる手紙を)読んで背景は理解できたけど、楊貴妃についての結末の大筋の流れは映画の方が分かりやすく美しいので、白竜のエピソードは映画版の方が好きです。というか原作の白竜結局何がしたかったの?皇帝殺したのは私怨というより角竜と会いたかっただけ?(映画だと復讐する人数も限られていて、王妃を慕う青年という萌えキャラになっていたのに、小説だと人も犬も蛇も殺しすぎていて「白竜横暴横暴断じて断じて許し難し!」みたいな気分になる 目的がわからず、神出鬼没で恐怖感を感じるのは原作の白竜) 映画だけ見てると中華ファンタジーの一種みたいな見方をしてしまってたけど、原作読むとエイジポジション(バナナ魚)の逸勢がいることもあって、平安京と国際都市長安の比較文化的な側面でも読むことが出来て楽しかった。

  • 面白かった。
    キャラが微妙に陰陽師とシンクロしてるような気もするけど。
    空海といえば、字が綺麗とか、即身仏とかしか知識が無かった。
    超天才だったのかぁと思いながら、微笑ましく読んだ。

  • 『沙門空海 唐の国にて 鬼と宴す』を読了。
    書いた作者本人が自画自賛しておりますが、看板にいつわりなし。間違いなく傑作でした。
    しかし刊行8年前とは、ここしばらく本が読めてなかったとはいえ、何ゆえこの傑作を見逃していたのか。だいぶアンテナが鈍ってるようですが、読書運は残ってたようで良かった。

  • とてもぶ厚い一巻だったけど、一気に読み終えました。まだまだ始まりの始まりって感じなので、すぐに二巻に入らなくっちゃ。無数の異民族や宗教が混じり合った唐の長安は、混沌としたざわめきに溢れてる。まさに異国!の雰囲気に呑み込まれてしまいました。冷静沈着、でもやんちゃな一面もある空海と、空海大好きのちょっぴりカルチャーショック中、逸勢のこれからの活躍楽しみにしてます。

  • 空海が主人公となるものは初めて読んだが、面白い!天才でありながら、嫌味がないというか、すんなり受け入れられる。

    映画化予定とのことで、こちらも楽しみだが、グロいシーンをどうするのか…。

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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