ちっちゃなかみさん (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 25
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041630037

感想・レビュー・書評

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  • 短編集なんですが、やはりそれぞれにドラマがあります。困難と再出発の物語とでもいうべきか。昔でもこんな人はいるのね、そしてこういう結果になるのね、と人間観察でもするように読み進めました。

  • 江戸の人情話短編集。しっかりした女性が登場する。読みやすい文章。「なんでも八文」「かみなり」が良い。13.10.20

  • 時代ものあまりを読んだことがない人にオススメ
    って聞いて読んでみたら
    その通りだった。
    短編集で江戸時代の市井の人々の話で
    笑えたり、泣けたり、全部楽しめた。
    とくに2話目の「邪魔っけ」
    評判の働き者のお姉ちゃんと妹弟たちの話がおもしろかった。
    そういうの、あるなぁ〜って。
    あと7話目の「猩々乱」が壮大で短編とは思えなかった。
    平岩弓枝さんの他の本も読みたいと思った。

  • 江戸版ショート・ショート。どれも心に響くお話ばかりで、楽しめました。

  • 一時期はどっぷりハマった大好きな平岩弓枝さん。

    の未読の単行本を見つけたワ──ヾ (^з^)ノ──イ と 思って借りてきたんだけれど、かなり初期の作品らしく、ちょっと雰囲気違ったなあ。さくさく読める人情系短編集。全10編。備忘録のためのあらすじと感想を簡単に。

    でもやっぱ「御宿かわせみ」シリーズにはかなわないわ!!!(^^ゝ



    「ちっちゃなかみさん」 向島の料理屋の跡取り一人娘が惚れたのは出入りの豆腐屋。でも豆腐屋にはどうやら、“ちっちゃなかみさん”がいて…。親の判断が胸打たれる。 「自分の子なら、親は死に物狂いになったって、守り抜いてみせるもの」。うん。そうだよね。宝物だもの。

    「邪魔っけ」 … 世間を知らず騙されて店を乗っ取られた料理屋の若旦那。素行の悪い兄弟を抱え、母親がわりを一人犠牲にがんばってきたような豆腐屋の娘。こういう風に家族愛がすれ違うこともあるんだな。手をかけず目をかけて、代わりにやるのでなくやり方を教える。身近な人間ほど、相手を潰さないように気をつけなくてはな。暖かいラストでちょっと癒される。 

    「お比佐とよめさん」 …これも家族愛がずれてしまった結果かなぁ。たった一人の肉親の弟を大事に思うあまり、後家の芸者上がりの年増、という相手との結婚の許しを請うてきた弟に、姉半狂乱。あなたのために、私は犠牲になった、この考え方がきっと間違いなんだろうな。犠牲というふうにとらえるくらいなら尽くさないほうがいい。自分で選んだ道をだれかのせいにしたら不幸になるね。うん。世間様じゃない、自分が納得するところからだね、人生は。

    「親なし子なし」 …義理の息子はドラ息子。後家の身を請われて嫁いだ亭主は色キチ。いやーん不幸の二重奏(ノдヽ)エーン。金なんかあげちゃだめだよ。だれかが頬を張らないと。男の誇りに泥を投げるようなもんなのに。あげくの果てには友達の母親と…こいつもまた鬼女だねぇ。息子がデキが良すぎたんだな。かけちがえたボタンは第二の人生でうまく嵌まるといいけど。でもほんとは、血のつながったペアも修復してほしかったな。

    「なんでも八文」 …搗米屋のダメダメ主婦と婿養子のダンナと働き者のその妹。義妹を便利に使ってことごとく縁談を壊すダメ女。たまにいるよなあ、こういう、思いやりのネジが外れてる人。でもこの主人公のおかげで、周りの人間のひたむきさや真面目さが際立つ。気働きの利く人間にならなきゃ。私もいろいろ反省。。

    「かみなり」 …こんどはダメ親父だな。自分は妾宅から朝帰りして出迎えた妻を足蹴にするような傍若無人ぶりなのに、息子の許婚が不幸な事故で乱暴される事件があり、自分の面目を保つために強引に破談に。妻にも許婚にも罪はなかろうに。結局家族には見捨てられ、身を持ち崩した元許婚の娘が産んだ私生児(混血)を手元に引き取り、やっと人の心を取り戻す。かと思いきや、無慈悲にも子供は国外退去の命令が。。。結局親父は国を捨て、宝物の幼子のために自分を捨てきることができたのかな。その後は幸せであったことを(゜人`)イノル。

    「猩々乱(しょうじょうみだれ)」 …将軍家お抱えの代々の楽士の家。鼓打ちの匠。と見込まれて弟子入りし、婿養子となって跡目を継いだ息子。技は天下一品、だけど世の中を渡るのに妥協や追従はできない筋金入り。パトロンの押し付ける無礼難題に啖呵をきってつっぱねたあと、謎の乱心。そして幽閉。本当は狂ってなんかいない、芸に生きる男の覚悟が見えるそのとき、、、これは痺れました。私の求める平岩ワールドではないのだけれど、これはひときわ強いストーリーで一番印象に残りました。最後に檜舞台に立ててよかったなぁ。。

    「遺り櫛」 …愛していた夫の浮気現場を見てしまい、夫の仕事上の不正を売った女。そこへ、以前夫から贈られた思い出の櫛を持った、浮気相手とおぼしき女が尋ねてくる…。たったひとつの勘違い、ただ一言プライドが邪魔をして聞けなかった、意固地になってしまった、そのことで、皆の人生が狂ってしまった。このラストに残るのはやり場のない悲しみ。私もきっと、意地になっても尋ねないタイプだから、ちゃんとぶつかろうと思った。

    「赤絵獅子」 …佐賀は陶器の里、有田が舞台。鍋島藩の窯業の歴史も読み応えがあった。陶技が他国に漏れないようにこういう統制が敷かれてたんですねぇ。藩命とはいえ、使命のためにわが子をここまで、、、するかな。誰が悪いわけでもない、でも皆後ろめたい、、なんて言うんだろう、、哀しい。北陸に着いたあとのこの母子の運命は、どうなっちゃったんだろう。。。焼き物に込められた思い、こういうのを汲み取ってこそ、味わいを知るものなんだろうなぁ。。

    「女ぶり」 …これは、ありそうで無いよね。将軍のお手つきになってから市井に出られるってことは有り得ない。と、思うけど、もしそうなら、こういう母子がいたかもしんない。折りしも、篤姫の嫁ぐ13代家定のちょっと前、11代家斉、12代家慶の頃の大奥がらみのもしもストーリー。そういう意味でも興味深かった。女の花の咲かせ方はいろいろだね。終わり方もスカッというかんじ。

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