ちっちゃなかみさん 新装版 (角川文庫)

著者 :
制作 : 蓬田 やすひろ 
  • 角川グループパブリッシング
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本棚登録 : 82
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041630174

感想・レビュー・書評

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  • この間読んだ「親不孝長屋」の「邪魔っけ」がよかったので、また平岩さんのものを。
    偶然手にとった本に、その「邪魔っけ」がまさに収録されていてびっくり。
    他の収録されている短編はどれも、本当に名作揃いでした。

    江戸を舞台としているので、古いも新しいもないのだけれど、もう40年以上も前の、昭和36年から46年の作品なんだとか。
    全部「邪魔っけ」のような江戸の町民の人情ものかと思えば、「猩々乱」「赤絵獅子」のように、男性を主人公とした切れ味の鋭い作品も含まれていて読み応えがあった。

    お気に入りは、表題作の「ちっちゃなかみさん」と「なんでも八文」。
    どちらもしっかり者で働き者の娘さんが、今の生活を捨てて、苦労を共にするために身ひとつで好きになった人のところに嫁いでいく。
    親の決めた縁談に従うのが常だったであろうこのころ、自分で道を切り拓く、江戸っ子のその決断力と行動力がすごい。
    「ちっちゃなかみさんん」では、みんなが互いを思いやる気持ちが温かく、結末では11歳の少女の健気さと、両親の決断にほろりとする。
    これに対し、「なんでも八文」では、ぼんやりと何の苦労もせず夫や義妹に気遣いもできない女に対して一切容赦がない。
    「そういう女なんだ。」「かわいそうなひとね・・」
    何とも手厳しい結末を用意されたものだなと思った。

    ほかにも、夫を裏切って隠密の役割を果たし、今は何不自由ない生活をするも、やり場のない思いを抱えている女の「遺り櫛」、
    大奥での奉公の際に子を宿すも、父親の名前を決して口外しないことから、ことごとく娘の縁談を壊してしまう女の「女ぶり」、
    それぞれによかった。

  • 昔の恋愛の奥深さが感じられる。
    親子愛や、夫婦愛などとても面白い作品。

  • 時代物短編集。面白くないわけではないが、なんだかスッキリしない終わり方の物が多い。可哀想というか、救われない人がいるというか。しかも、後半に行くにしたがって重くなっていくようで、段々読書スピードが落ちてしまった。
    うまくいかない夫婦、男女の話が多いのは、この作家の特色なのか。

  • 小学生の頃。当時お母さんが読んでいて、読みやすいから読んでみたら?と勧められて読んだ本。読みやすくて、内容も面白くて、あったかい気持ちになれたのを覚えている。

  • 某塾が実施した小学生模試(5年生国語)に使われていたのをチラッと見て、その前後が気になり購入。
    実際に読んでみると、問題に使われていた部分からは想像できなかった”前後”のストーリーがあり、「なるほど〜そういうことだったのか」と。話の最後も想像とは違っていて(←いい意味で)一気にこの話が好きになった。
    普段はこういう類の小説はほとんど読まないのだが、これは読んでよかった。すっきり。時代を感じさせる軽快な言葉とストーリー展開が大好きになった。

  • 向島で三代続く料理屋・笹屋の一人娘、お京もこの正月で20歳になった。しっかり者の看板娘として店をきりもりし、今や親が手を出すすきもない。舞い込む縁談を断り、親の反対を押し切って選んだ相手はかつぎ豆腐売りの信吉だったが、あっさり断られてしまう…。しっかり者の女たち、それゆえに悲しくもおかしい。平岩作品の醍醐味、豊かな江戸人情を描いた珠玉と呼ぶにふさわしい10編を収録。短編では惜しい人情物。図書館で借り不明になり、オークションで購入し弁償した本(後に自宅で見つかりそれも図書館に持って行く)

  • 読みやすい短編集でした。
    時代物が好きになりそうな一冊。
    ただ自宅での読書をおススメします。
    一話目から涙腺にきます。
    うっかり出かけのお共にしましたら電車内でハンカチ片手に…
    そして仕舞ってもまた出さなくてはならなくなるのですよ。
    気になってしまうので読み出したら止まらないし困りました。
    結婚とか家族とか深く考えさせられる一冊です。



  • 平岩短編集。
    育てのおじの幸せを思い、弟と二人で生きていくことを決める表題作をはじめ、いろんな要素で攻めている。
    現代よりも江戸の方が「人間の出来」が明らかになっちゃうんだなぁ、みたいな。

  • ★あらすじ★
    向島で三代続く料理屋・笹谷の一人娘、お京もこの正月で20歳になった。しっかり者の看板娘として店をきりもりし、今や親が手を出すすきもない。舞い込む縁談を断り、親の反対を押し切って選んだ相手はかつぎ豆腐売りの信吉だったが、あっさり断られてしまう…。

  • 江戸の市井の人々を
    優しいまなざしで描いた人情たっぷりの短編集。
    いつの時代も庶民は必死に生きていたんだなぁ

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』(たがねし)で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2018年 『新装版 はやぶさ新八御用帳(八) 春怨 根津権現』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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