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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041641026
感想・レビュー・書評
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手塚治虫さんの『火の鳥』を山崎晴哉さんがノベライズ化したもの。鳳凰編は東大寺の大仏開眼をラストにもってくる展開の奈良の天平時代が舞台なので、歴史小説としても楽しめました。
手塚さんの『火の鳥』は絵が可愛らしくて輪廻転生のシビアなお話も少し柔らかい雰囲気になっているのだけど、小説だと絵がないので自分のなかにオリジナルの「火の鳥」や「我王」が描けて良かった。
手塚さんの原作とは違う展開も途中にあったけれど、生まれた瞬間に片腕と片目、父親を失った我王が最後は宇宙の真理の一端に自然と気付き、すべてを受け入れた生活をしている姿が清々しかったです。
ただ、我王の師匠である良弁さんの「仏の心は慈悲であり、慈悲とは子に対する親の無欲な深い愛情」というのは、今の日本ではどうかな…って思った。
子は親を最後まで嫌いになれないけれど、子どもをちっとも愛せない精神が歪んだ親はけっこう今の社会にはいるような気がするから。
仏が消えた末法という概念があるけれど、本当の末法は平安時代ではなく平成あたりにやってきたのかなぁ?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。
日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様にうつるらしい。なぜ外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ。
1989年2月10日、手塚治虫が亡くなった翌日の朝日新聞・天声人語のこの一節を、彼のライフワークであった『火の鳥』を読み返すたびに思い出します。 -
奈良時代(752年前後)
吉備真備、橘諸兄
奈良東大寺の大仏建立
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