- 角川書店 (2005年9月22日発売)
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感想 : 44件
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784041643198
作品紹介・あらすじ
築地魚市場の片隅に興した零細企業が、「マルちゃん」ブランドで一部上場企業に育つまでを描く。東洋水産の創業者・森和夫は「社員を大事にする」経営理念のもと、様々な障壁を乗り越えてゆく実名経済小説。
感想・レビュー・書評
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職場の先輩に勧められて読んだ。
自分の中ではあまりマルちゃんはメジャーなイメージは無かったが、ライバル会社の汚い攻撃なんかを見ると赤いきつねのほうを食べて応援したくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「マルちゃん」ブランドの 東洋水産の創業者・ 森和夫を主人公にした実名経済小説である。
企業小説としてウェルメイドで、とくに株式上場やライバル企業との特許係争の舞台裏を描いた部分を、面白く読んだ。
ただ、「社史」本をそっくりそのまま小説に置き換えただけのような感じで、エンタメとしてのふくらみに乏しい(エラソーですいません)。
文章も野暮ったくて、しみじみ「昭和だなァ」という印象だ。たとえば池井戸潤の企業小説の洗練されたエンタメぶりとは、まったく違う。
まあ、昭和14年生まれの高杉良が昭和期の東洋水産の歩みを描いているわけだから、全編にむせ返るような「昭和の香り」が横溢しているのはあたりまえなのだが……。 -
経済小説家の高杉良による実名小説。マルちゃんラーメンで有名な東洋水産の創設・拡大、アメリカ市場進出やそれに関わる日清食品との特許紛争などを通して、創設者である森和夫のフィロソフィーを描いている。経営判断、采配、人づきあいなどにおいて、仁義や筋を通すことを大切にして仕事に命をかけている姿や、人の良さが逆に仇となったような事例を見て、森の人となりを知ることができるほか、一人の職業人としてもまたこんな生き方をしたいと思わせてくれる。
なお同じ著者による実名小説で公認会計士事務所TKC創設者の飯塚毅を描く「不撓不屈」と比較して、本書の話の筋はよく似ている。両者とも、裕福ではない出身から努力して会社を興し、仁義や努力や熱意を大切にして会社を軌道に乗せていくが、当局や競合の巨大会社などの既得権益を持つ強大な敵から言われなき咎めを受け、苦しみながらも、諦めず、一所懸命に立ち続け勝利する、というストーリーである。
高杉小説の魅力は仕事に命をかける人の生き様だと思うが、同時に仕事に命をかけることが非常に難しいしそれだけが価値ではないということも思わされる。命をかけられるだけの仕事をしてきた覚悟の強さや、そういう仕事を作ったり見つけてきた人としての強さなどは魅力的だが、これを読んで「じゃあ私も命をかけよう」とすぐに思えるものがあるわけではない、覚悟をできない、というのが感想である。また、同様のテーマに触れていた小説として、城山三郎の「官僚たちの夏」があるが、熱血官僚が前時代的になり、ワークライフバランスをとりなが、仕事に命はかけないクールな若者たちが台頭してゆく姿が描かれていたように、仕事以外の部分にも楽しみを持つ生き方にむしろ共感する面もあるのもまた素直な感想である。 -
高杉良さんが書いた、企業実名モデル 小説。
インスタント食品で名高い東洋水産を取り上げ、森社長がどのように会社を立ち上げ、苦労し、育て上げたかを詳細に記した、社史とでも言うべき一冊。
お金のやりくり、親会社との駆け引き、競合他社との熾烈な裁判。一世紀近く前のことにはなるが、リアルな会話と共に著者が現代に甦らせている。
東洋水産といえば、インスタントラーメン、マルちゃんの愛称でおなじみだが、なぜ「水産」の文字が入ってるのか、いまいち分からなかった。しかしこの本を読んで、合点がいった。東洋水産にとって、水産は「祖業」。外せないわけですね。
これも、時間を忘れて、読みふけった。 -
築地市場の6坪のオフィス?から、一代にして大会社に育て上げた東洋水産の社長の物語です。どんな苦難にも負けず、お客様のため、従業員のため頑張りぬく彼の鉄の意志に感動します。
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この小説はやはり実名で書いて下さったのが一番嬉しいです。誠実、謙虚で共に働く仲間を非常に大切にする方だというのが、よく伝わりました。業績指標など数字が多い分、正確なのかもしれませんが、読み物としてはやや淡白かもしれません。とは言いつつも、日清食品(小説では違う名前でしたが)との米国での特許訴訟にまつわるくだりは、ついこちらも熱くなってしまいました。
とりあえず、今度からは「どん兵衛」を買うの早めて「赤いきつね」と「緑のたぬき」にしようと思います。 -
困難を社員一丸となって乗り越える物語。会社サイトを見ると、まだ活躍されている方もいて親近感が湧いた。
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マルちゃんブランドの東洋水産の創業者、森和夫氏の創業物語(ドキュメンタリーではなく、実名小説と言うことらしい)。大手取引先で融資を受けていた第一物産(三井物産がモデル)との経営権を巡る闘い、そして日華食品(日清食品がモデル)との泥沼の米国特許紛争など次々に起こる試練を、持ち前のバイタリティーと誠実でぶれない経営で乗りきった森氏の人間の大きさにただただ感服。
それにしても、第一物産の東洋水産に対する扱いの酷さは度を越している。当時はこういうことが当たり前のようにまかり通っていたのだろうか。この傲慢さは商社に染み付いた体質? それとも今でもある大企業の中小企業いじめの典型?
日華食品創業者の安東福一社長(安藤百福社長がモデル)が、森氏とは対照的な経営者(モラルに欠け、何でもありの強引な経営者)として描かれているが、実際のところどうなんだろう。
小説の中で、日華カラー移ってきた平野に「創業社長だから仕方がないとも言えますが、カマドの灰まで自分のもの、という意識が強過ぎます。」と言わせ、森社長には「安東氏は企業のエゴイスムに徹したすごい経営者とは言えるんだろうねえ。僕とは、フィロソフィが違うと言いたいけど」と言わせている。
続編があるようなので、続けて読みたい。 -
家の本棚にあったから読んだけど、最初から最後まで全く面白くなかった。実名小説ってこういうものか。
読み始めたからと、頑張って最後まで読んだけど、時間の無駄遣いした気分。 -
東洋水産創業社長を主人公にした小説。
骨の髄から来る誠実さと、何があっても諦めない不屈の精神があれば、こんな人間になれるのかと感動した。
明日からまた心を磨こうと思わせてくれる。 -
東洋水産が好きになりました。会社の理念は創業者に宿りますね。
さっそく赤いキツネと緑のたぬき買いました。
実名では無い日清と物産が悪の権化みたいに書かれてますが、これはほんとかなぁ。
東洋水産の、商品がなぜ売れたか?すなわち、どのようにして商品開発を行ったのかが描かれてなかったので、それも知りたいな、 -
マルちゃん正麺でお馴染みの東洋水産創業の物語。
実名小説であるため、物語にはある程度のリアリティがある。創業者森和夫が第一物産、日華食品(日清食品)という大企業からの圧力に真っ向から立ち向かう姿が痛快。創業者の森和夫は第二次大戦を生き延びた人物で、長いものに巻かれない大胆な姿勢は、その経験によるものだろう。
大企業に立ち向かう若社長という構図はドラマの様だが、それでいて実在の人物や組織をモデルにしているのだからドラマ以上に面白い(どこまで事実かは知らないが)。ビジネスの後ろ側を大胆に描いている。
この森和夫のように常に清くありたいものだ。しかし、自分にはそんな忍耐は無いので生きるうえで大事なことは清濁併せて飲むことだろう。 -
東洋水産をモデルにした実名小説。東洋水産がいかにして、今の地位を確立したか、その時々にどのようなドラマがあったかを記録したもの。なかなか面白かったなー。
日清食品の安藤社長の書き用がけっこう辛辣なのが印象に残った。実際のところはどうだったのかな? -
仕事をしていて何となく不完全燃焼になる時がある。仕事が行き詰っている訳でもなく、やるべきことや課題は明確になっている。それでも燃えない。いや、燃えているつもりなんだけれども、まさに不完全燃焼な感じがいなめない。
そんな時に読んで、気持ちをググッと持ち上げてくれた一冊がある。
■東洋水産社長の熱い想いを感じる一冊
「マルちゃん」マークでお馴染みの総合食品会社が舞台の物語だが、激動の時代を生き抜いた誠実な創業者の姿が熱く描かれている。
内容(「BOOK」データベースより)
わずか四パーセントの生存率といわれるノモンハンの激戦を生き抜いた森和夫は、「どんな苦労も苦労のうちに入らない」と、築地魚市場の片隅に従業員四人で起業した。商社の横暴、ライバル企業との特許抗争、米国進出の苦難を乗り越え、東洋水産は、「マルちゃん」のブランドと「赤いきつね」のCMで知られる大企業へと育つ。「運命共同体」を経営理念に、創業以来社員と共に歩んだ経営者の情熱と成功を実名で描く、経済小説の傑作。
会社名や商品名だけではなく、創業者であり長く社長を務められた森和夫氏も実名で書かれている。それだけに、読んでいて胸に迫ってくるものは大きい。
小説だから多少は脚色が施されているかとは思うが、事実を踏まえた小説は訴えかけてくるものが大きい。創業時は私が生まれる前のことだが、まるで自分がその時代にいたような錯覚に陥るのは、筆者の文章力の高さゆえんであろう。
ただし、私が生まれたのは戦後の東京オリンピックが開催される数年前なので、物語に出てくる街の風景や会社の雰囲気などは、幼いころの記憶としてほのかに残っている昭和中期の風景と重なる。それもあって、この小説に感情移入が行いやすいのかもしれない。
それにしても、戦後の混乱期から一代で優良大企業を興した人物をモデルとして書かれた本書は、読み進めていくうちにひとつの経営哲学のようなものが見えてくる。それは、近年特に推奨されるようになった従業員重視の経営であり、大企業の圧力に屈しない強い経営者の姿でもある。
得てしてこういった本が世の中に出ると、モデルとなっている方について「本当はこんな立派な人ではなかった」という話が出てくる時がある。それはもしかしたら事実かもしれないが、伝記ではなく小説ならば不要な情報だと思う。他人に対する評価は千差万別であるからだ。
年齢も違い経歴はさらに自分とは大違いの主人公だが、不完全燃焼気味だった心に新鮮な酸素を送り込んでくれて、完全燃焼に向けての心の中の活力になってくれた。
この本をこのタイミングで読めて良かったと、心からそう感じた一冊だった。 -
読んで気持ちが熱くなった。
努力したり、がむしゃらにやったり、する事は無駄では無いんだなと。改めて思う。成功する人は、意思の力と体力が凄まじい。
自分も情熱的にビジネスに取り組みたいと思わせてくれる一冊。 -
東洋水産の創業者、森和夫の話。
著者プロフィール
高杉良の作品
