ジェームス・ディーンに、似ていた (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041646076

作品紹介・あらすじ

涼川万里。愛称バリ。バイクの爆音から付けられた名前だ。愛車VTZ250を駆り、ルート246の女狼と呼ばれたバリは、ライダー同士のいざこざから逃れるように、単身アメリカへ。やがて恋におち、18歳の誕生日を迎え、そして女になった。彼の名はジミー。日米の混血。顔貌も生き方も、どこかジェームス・ディーンに似ていた。けれど悲しみは突然、音をたててやって来た。遠く長いお別れ-。傷心のまま帰国したバリは、バイクを捨て、ジミーへの愛を胸に、生きる。舞台は東京。新しい、そして本当の青春が、旋律を奏で始める。愛と悲しみを青空のパレットに描きつづける著者が贈る、渾身の書下し青春小説。勇気の速配便です。

感想・レビュー・書評

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  • 喜多嶋 隆の【ジェームス・ディーンに、似ていた】を読んだ。

    18歳の主人公、涼川万理は、単身アメリカに渡り、ジェームス・ディーンに似ている男ジミーと恋に落

    ちた。だが、ジミーは交通事故で死んでしまう。ジェームス・ディーンと同じ24歳での死だった。

    物語は万理が日本に帰国したところから始まる。ひょんなことから「グリーンベレー」という自転車バイ

    ク便の仕事をすることになった万理。アメリカに渡る前に色々と因縁のあったバイクチームのボス原田と

    のいざこざや、原田がつくったバイク便会社「黒虎便(ブラック・タイガー)」と「グリーンベレー」と

    のいざこざを乗り越える中でジミーを回想し、それをも乗り越える中で自分の人生を前に進めていくとい

    うストーリーだ。

    正直に言って抜群に凄い作品とは思えなかった。ダメだという意味ではなくて、物足りないという感じ。

    ちょいと内容が幼稚すぎた。

    万理とジミーの悲しい恋物語までは良かった。だが、物語のメインとなる日本での「黒虎便」との争いが

    なんとも幼稚に感じてしまう。

    なんだろな、「!」とか「・・・」が多すぎる文体だからかもしれないが、安っぽく見えてしまう。

    キャラクターの設定がなんとなくいまいち。なんとなくすべてにおいて中途半端な感じがした。

    最後にチキンレースをやるシーンがあるのだが、せっかく回想シーンでジミーがチキンレースの極意を万

    理に教えるシーンがあるのだから、そのあたりの絡みをもっと出せば味のあるシーンになったと思う。

    ジミーとの物語と日本での出来事がまったく別次元で進み、そのまま終わるので盛り上がりに欠けてしま

    っている感が否めないのだ。

    しかし、喜多嶋氏は調べてみるとなかなか人気の高い人物でファンサイトも多い。

    僕はこの1冊しか読んでいないからファンの方々からみれば「わかっていない」と言われるだろうが、読

    んだタイミングが悪かったのかな。

    最近は、姫野カオルコ、阿刀田高、村上春樹と読んで来たから目が肥えてきてるのかな。

    この作品も悪くはないのだけれど、じゃあ他の作品も、とまでは心が動かなかった。

    好みの問題かもしれないけど。

    何度も言うがこの作品は万理とジミーの恋物語まではよかった。いかんせん黒虎便がいただけない。

    でも、喜多嶋氏の独特の文体(とても短い文章を改行、改行でつなげる)を好きだという人の気持ちはわ

    からないでもない。それはそれで読みやすく、リズム感がいい。

    ただ黒虎便がなぁ・・・。  以上。

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著者プロフィール

5月10日東京生まれ。コピーライター、CFディレクターを経て、第36回小説現代新人賞を受賞し作家に。スピード感溢れる映像的な文体で、リリカルな物語を描き、多くの熱烈なファンを獲得している。近作は『地図を捨てた彼女たち』『みんな孤独だけど』『かもめ達のホテル』『恋を、29粒』『Missハーバー・マスター』(すべて角川文庫)、『海よ、やすらかに』(株式会社KADOKAWA)など。湘南・葉山に居を構え執筆と趣味の海釣りに励む。

「2018年 『賞味期限のある恋だけど』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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