Sing 3 (角川文庫 き 7-27)

著者 :
  • KADOKAWA
3.42
  • (3)
  • (4)
  • (11)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 69
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041646403

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 挫折した経験にケリをつけないと、
    自信をもって生きていくことはできない。

    耳が痛い。
    挫折ばかりかもしれない。
    逃げたこともある。
    止めたことは山ほど。
    投げ出したことも。
    裏切られたこともあるけれど、
    その相手は他者よりも自分の方がずっと多い。

    違う何かを見つけて、そこで生きる。
    ひょっとしたら生きながらえる。
    駄目な自分に蓋をして、
    何とかやっていける場所で生きていく。
    ひょっとしたら誰かに寄っかかって。

    無様で格好悪くても、
    生き続けていかなくてはならない。
    この物語の登場人物たちは、
    ある部分は格好悪いが、大部分は格好いい。
    世間的なものさしから離れたところ、
    自分の価値観に従って生きる。
    お金やモノは十分に得られなくても、
    それ以上に心の通じ合う仲間や瞬間を持っている。

    時に登場人物たちをやっかんだり、
    そんな上手くいくだろうかと疑ったりもする。
    正直、羨ましく思う。
    体にまとわりついた余計なものを取っ払って、
    自分の信じたものだけでシンプルに生きる。
    なかなか出来ないからこそ、
    どこか少しだけでも、方向だけでも、
    それを目指したい。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

5月10日東京生まれ。コピーライター、CFディレクターを経て、第36回小説現代新人賞を受賞し作家に。スピード感溢れる映像的な文体で、リリカルな物語を描き、多くの熱烈なファンを獲得している。近作は『地図を捨てた彼女たち』『みんな孤独だけど』『かもめ達のホテル』『恋を、29粒』『Missハーバー・マスター』(すべて角川文庫)、『海よ、やすらかに』(株式会社KADOKAWA)など。湘南・葉山に居を構え執筆と趣味の海釣りに励む。

「2022年 『潮風メニュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

喜多嶋隆の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×