水恋 SUIREN (角川文庫)

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著者 : 喜多嶋隆
  • 角川グループパブリッシング (2009年2月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041646458

水恋 SUIREN (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • タイトルに惹かれて購入しました。
    喜多嶋さんの作品は初めて読みました。
    裏表紙の作品紹介を見て、ハッピーエンドではなさそうだと思いました。

    主人公は死に場所を求めて海に来たが、ひょんなことから貸しボート屋を引き継ぐことになる。
    どうせ死ぬならば、やりたいことをしてからでも遅くはない。
    当初は、大きな魚を獲る為に生きることを延長していた。
    海で出会った女性と関わることで、主人公は恋をする。

    主人公は、物に執着しない性質のようです。
    これまで付き合ってきた女性達には、すぐに愛想を尽かされています。
    自分は結婚しないと決め付けて、自炊をキッチリとこなしています。
    後に、主人公の料理の腕が役に立ちます。
    家族に憧れがないのは、育ってきた環境故だろうね。

    主人公は社会人になると、カメラ開発に力を注ぐ。
    一時期、主人公の作ったカメラは、業界で最も高い評価を受けていた。
    しかし、デジカメの時代になってからは、翳りが生じる。

    主人公なりに心血を注いで完成させたカメラは、最低の評価が下された。
    主人公は、他社のカメラの性質の良さを身を持って知る。
    今までは技術者としてのプライドがあったが、それを崩されてからは不眠症に悩まされ、死を望むようになる。

    そんな主人公の前に、水絵が現れる。
    水絵は活発で、海の好きな女性だった。
    しかし、スキューバ中に親友を亡くしてしまい、心に傷を負う。
    バディだった自分が親友を救えなかったことを責めていた。
    その上、やっかみ故の無責任な噂のせいで、水絵は拒食症に追い込まれる。

    水絵の状態は芳しくない。
    病院からの栄養剤と野菜ジュースや水のみで生きていた。
    主人公と出会い、彼手製のブイヤベースが飲めたことで希望を見出す。

    水絵の拒食症は、精神的ダメージから来ていた。
    スープを口にし、トマトを食べられるようになったが、油断は出来ない。
    些細なショックで、食べ物を受け付けなくなってしまうからだ。

    偶然、海の事故を聞いた水絵はショックを受けて、体調が急変する。
    みるみる弱って、亡くなってしまった。

    主人公と水絵は、愛し合う仲になっていた。
    主人公は常に死んでもいいと思い、生や女に執着がなかった。
    しかし、水絵を可愛らしく思い、彼女の「生きて」という言葉に従う。

    死ネタは卑怯だなとは思います。
    過剰な悲劇の装飾がないだけマシかしら。
    どちらも心に傷があるので、激しさとは異なる愛を得たのかもしれません。

    不動産の嫌がらせエピソードは蛇足だと思いました。
    あれがなければ、タイトル通りのサラリとした物語の雰囲気をキープ出来たのにね。
    あのチンピラは、単なるツンデレじゃないか。

    当作を読んでいると、無性にブイヤベースが食べたくなりました。
    文章からして、とても美味しそうです。

  • 2010/05/23読了

    切なかった
    儚い恋というのはこういうものなんだね。
    心の闇は自分でないと乗り越えられないけれど
    「僕」がいたことで、水絵さんはどれだけ生きる希望を見出したのだろう。
    ささいなことだけれど、繊細な心を持つ人間は
    生きることも死ぬことも、その一つ一つが周りの人の温かな手にかかっている。
    これは、著者の心を映す鏡でもあるのだろう。

  • 10/05/15読了 うーん。いい小説だった。・・・けど。って感じ。何だろうかね。

  • なんとなく買ってみた本。
    この作者サンは初めてだったけど読みやすくてすぐ読んじゃった


    でも本文、『〜でした。〜と思った。』って小学生の作文みたいだなぁーって感じた。

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