落日悲歌 (角川文庫 た 14-3 アルスラーン戦記 3)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041665039

作品紹介・あらすじ

ペシャワール城塞に立てこもり、王都奪還をはかるアルスラーン王子に、またしても難題がつきつけられた。一時の欲に駆られて、今度は、シンドゥラのラジェンドラ王子が5万騎の大軍で来襲してくる!アルスラーンの忠実で頼りになる軍師のナルサスとダリューンは、敵軍が「人の和」を欠いているのを見ぬき、たった500の軽騎兵で、シンドゥラ軍の背後に回った。まだ若いとはいえ、ナルサスには勇気と知略があった…。パルス国の再興、王都エクバターナの奪還を目ざすアルスラーンの前途は?書下ろし、スペクタル・ロマン、絶好調第3弾!

感想・レビュー・書評

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  • 1987(昭和62)年発行、角川書店の角川文庫。ほぼシンドゥラ編その1。再読のつもりだったが意外なほど覚えていない。もしかして国を奪還してからしか読んでいないのだろうか。アルスラーン軍は勝利を重ねるがどうやって勝ったのかは若干明確でないところもある。まぁ、そこを突くのは本質ではないから、きっと知略と武勇によって勝利したのだろう。

    他:「あとがき・いいわけ・いなおり」(1987年8月)(署名は『編者恐縮』)

  • ようやく拠点を手にした王子。
    次は攻めのターンです。

  • [自宅]

    なんと懐かしい!
    図書館で銀英伝の特集コーナーを見つけ、久しぶりに懐かしいと思い読もうと思ったが、、、、"黎明伝"などよくわからない副題?副シリーズ?にどの順に読めばいいのかがよく分からず調べてから読み直そうと断念。

    でもそのきっかけで、昔懐かし小中時代に読み漁った田中芳樹シリーズのうち、まずはアルスラーン戦記から読み直そうと読み始めてみた。

    このシリーズは昔読んだ「角川文庫」シリーズ。この天野喜孝さんの絵にもハマったんだよな。菊池秀幸さんの「吸血鬼ハンターD」の挿絵もそうで、どちらが先だったかわからないけど、きっと天野さん繋がりでどちらかも読み始めたはず。

    こうして本来のシリーズに加えて、"出版社名"などのシリーズを意識しなくてはならないのは、30年という時の流れのせい。どうやら自分の知るこのシリーズから、途中紆余曲折を経て、光文社にて完結していたらしい。しかもその移籍先の光文社でも、「カッパ・ノベルス」シリーズと「光文社文庫」シリーズがあり、前者は角川からの乗換時にあたって再版となる従来の10巻を2巻づつまとめ、新刊となる11巻からは単刊とした丹野忍さんによる挿絵のシリーズで、後者は恐らくは完結が見えて来た?2012年から、山田章博さんの挿絵によって全て単刊発行されたもの。

    実際今回読んでいるのは10巻までは「カッパ・ノベルス」で、11巻からは期せずして「光文社文庫」シリーズ。とりあえずストーリーを読みたいから挿絵は我慢するけれど、やはり本当なら天野さんか、まだ世界観の近い丹野さんのイラストで全巻読み通したかったな。

  • 高校生の時は強いのが好きだったのでダリューンが好きでした。

  • 20190420 再々読?読了

    覚書
    第一章 国境の河
    第二章 河をこえて
    第三章 落日悲歌
    第四章 ふたたび河をこえて
    第五章 冬の終り

    ラジェンドラ
    ヒルメスの父親
    クバート

  • 王都エクバターナの様子はひとまず置いといて、物語はアルスラーンの初陣を追う。
    そりゃまあ、タイトルが『アルスラーン戦記』なんだから、そうなりますよね。
    とはいえ、アルスラーンが直接戦うわけもないのだけど。

    心に屈託を抱えるバフマンから目を離すわけにはいかないので、腕の立つキシュワードを留守番に残し、シンドゥラへ侵攻するアルスラーン軍。
    それにしても、パルスの万騎長っていうのは、相当に腕が立たないとなれないものなんだな。
    ダリューンやナルサスはさておき、60歳を過ぎたバフマンの強さ。

    屈託を抱えていたとはいえ、ちゃんとアルスラーンの良さを認めていたんだなあと、最後に思わされる。
    アルスラーンの周りには優秀な人が集まるが、それは彼がきちんと優秀な人を活かすからだろう。
    それも一つの才能?

    さて、
    “アルスラーンは十四歳と六か月。彼の前には、彼が知っているいくつかの謎と、彼が知らない何十もの謎が立ちはだかっていた。それらを克服したとき、彼は、「解放者アルスラーン」の名を後世に伝えることになるであろう。”
    本当だろうな。

    あとがきで、全体の構成を進めた結果、十巻から十五巻の間で完結すると言っています。
    それ以上になることはありません、と。
    この時思い描いていた結末と実際の結末は、同じものなんでしょうか。

  • すんごい読み込まれた本が来た・・・(笑)。べつにいいけど、昔私が持ってた本のほうがきれいやったなレベル。最近は蔵書もきれいな本が多かったので、あまりの読み込まれっぷりに
    「わー・・・!」
    と、なったよ。
    これぞ、図書館の本って感じ! そして初版は昭和62年。うんうん、いいなあ。
    このころ、私は角川文庫を読むのがすっごい憧れでしたよー!

    さて、前作からできるだけ間を開けずに読めました。
    動きがかなり出てきて、ますます荒川氏のまんがおよびアニメが見たいなあと思った・・・。
    機会があればぜひ。
    だって著者が書くだけでもこんなけアルスラーンがかわいいねんで・・・。
    3巻にしてこんなにかわいい。
    なんちゅうか、初めてこのシリーズを読んだとき私はアルフリードくらいの年齢やった(と思う)のでわりとアルスラーンに対しては
    「この子甘いけど、大丈夫?」
    などと思ってたけど、フォーティーズになってから読むと、アルスラーンがかわいくてかわいくて・・・。

    そら、この子にいろいろ教えてあげて!
    と、思ってしまう。これが荒川氏のまんがで描かれたらかわいさも倍増やろうな・・・、と、思った。

    あとは著者の描くおっさんがいつもかっこいい。
    むしろかっこいいおっさんしか登場してへんのでは、と、思うけど、ダリューンとか若いイケメンなんやったね。
    もうおっさん設定で読んでたわ。笑

    今回はシンドゥラ国の話になって、いつになったらパルスの話になるねん、と、思ったけど、基本的には(根本の謎以外は)1冊で完結しているので、読んでいてすごいすっきりする。

    ヒルメスの出自も明らかになったし、かなりのテンポで物語は進んでるよね!
    私は10冊までしか読んでないはずやけど、このシリーズは完結してるんかな? いやもうしててほしい!

    戦略とか政治的駆け引きを読むのは飽きることもあるけど、オカルト系にはいってほしくないなー。
    魔術やらですべてが片づけられるとそれはそれでちょっと寂しい・・・。
    でも著者は魔術系の話も得意としてはるもんな。どうなるんやろう。
    さくさく続きを読んでいこう!

    ちなみに私の好みはギーヴで御座います。(やっぱり)

    ナルサスは面倒くさいから嫌(笑)。

    著者にかかればひとつひとつの物事ってすべからく理由があるんだよなあと思う。
    その理由はいたってシンプルで、
    「ああ、確かにそうですね」
    と、思うことばかり。だから頭のどこかでは意識してるけど、それを文字に表すとこうなるのか、ちゅう感じ?

    そのあたりの
    「ぼんやり認識してることをここまでぴたっと文章にしてくれる感」
    は、すごい好き。

    今回は、兵士たちの違う方向での動揺を、根底にする事実そのものを間違えてしまったので、その「事実」にたどり着くような推理を頭のなかで組み立てて、報告をしていったシーンがあった。
    いわゆる、伝言ゲームがずれていく過程やったわけやけど、あ、なるほど、と、思った。

    そうか、間違った事実な。あるある。自分にとって都合のいいことに解釈して、それを補強するために理由づけていくと、他人を見当違いの方向に貶めたり、必要もないのに恨んだりしてるわ。

    噂に振り回されるというか、まあ、なんやろ。
    やっぱり、事実というのは客観性が大事やな。客観性を持てるような余裕がほしい。


    ■■■■


    ■剣環


    ■蕩児

    正業を忘れて、酒色にふける者。放蕩むすこ。遊蕩児。蕩子 (とうし) 。


    ■巧言令色

    口先だけでうまいことを言ったり、うわべだけ愛想よくとりつくろったりすること。人に媚こびへつらうさま。▽「巧言」は相手が気に入るように巧みに飾られた言葉。「令色」は愛想よくとりつくろった顔色。「令」はよい意。


    (2017.02.25)

  • 再読。東方ペシャワール城からラジェンドラ王子の肩を持ってシンドゥラ国に攻め入るアルスラーン御一行。今巻のアルさんもナルサスから軍略を学びファランギースから弓技を学びつつ王としての器量を重ねておりますが、アズライールやダリューン(←同列w)との若い交流が可愛いです。敵国の人間であっても気に入ると仲間にしたくなっちゃう将来の王様のフォローに苦労が絶えないナルサスです。忘れてたけど万騎長クバートはカッコいい。現在アルスラーン側に万騎長2人、ヒルメス側に1人。クバートはフリー。欲しい!

  • 2015.12

  • シンドゥラ編。
    老いた王と困った息子たち。

    ダリューンの決闘を見守るアルスラーン。
    主人公として王道だけど・・・「王道」

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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