ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)

著者 :
制作 : 石崎 健太郎 
  • 角川書店
3.30
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本棚登録 : 248
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (828ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041682074

感想・レビュー・書評

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  • 『暗闇坂の人喰いの木』で登場した松崎レオナを主人公とする御手洗ものの外伝的作品。
    いつも、島田作品はミステリーとして読んでないのだが
    (つまり謎解きに興味をおいてない)
    今回もハリウッドでのレオナの物語として読んだ。
    島田作品らしく、かなりグロテスクで、そのくせ幻想的で、ただ今回はレオナが主人公だからか、かなりエロチックだった。
     
    レオナは表面上はすごく強く自信に溢れていて、でも、やっぱりあぶなっかしくて、心の底には家族のトラウマが横たわっている。
    男性よりも女性を愛するのも自分の子供を産みたくないからだ。
    彼女にとって男性は、他の小説の中でも言っているけど、ただ御手洗だけが彼女の希望なのだ。
    そのことがレオナの内面の本当の弱さを支えている。
    そして逆に彼女の満たされなさの要因でもあるわけだけど。
     
    そういう意味で、いつかまた彼女と御手洗潔の共演を見たい。
    その時にはレオナはまた一回り大きくなっているはずなのだ。
    こころから、そう願いたい。

  • 御手洗潔シリーズ。ですが、御手洗潔はほんのちょこっとしか出てきません。主役はレオナ。
    「水晶のピラミッド」「暗闇坂の~」などに登場したレオナが苦手だな~と思っていたのですが、この作品で逆に好きになりました。

  • スナッフフィルムをめぐって、ハリウッド女優・松崎レオナが八面六腑の大活躍をする本格ミステリー。
    御手洗の登場は僅かながら、的確な推理とレオナとの微笑ましい会話に、相変わらずの圧倒的な存在感を感じる。
    超大作ながら、この事件は序章に過ぎないという。島田ワールドの壮大さに唖然とする。

  • 本のタイトルにある通りハリウッドが舞台で、主人公は御手洗潔ではなく、「暗闇坂の人喰いの木」、「アトポス」に出てきたレオナ・マツザキ(松崎レオナ)。

    松崎レオナ自体はけっこう好きなキャラクターなんだが、前2作で描かれていた人物像と今作での松崎レオナはかなりギャップがある上、受け入れられがたい方向に性格が変わってしまっているので、ここに違和感や拒否反応を起こしてしまうと読むのがけっこうつらいかもしれない。

    ただ、物語の系譜としては御手洗潔シリーズであり(本人もチョイ役で出てくるし)、社会派テーマ(今回はES細胞・クローン技術などの再生医療とその歴史)と過去の凄惨な事件、そして人間の暗部を絡めていく物語の描き方・長編をグイグイ読ませていく吸引力はどこを切っても島田節。

    よくよく考えてみると細部であれ?という部分もないわけではないが、読んでる間それを感じさせない引きこみ方は流石の一言。

    「暗闇坂の人喰いの木」、「アトポス」を読まないと、松崎レオナの行動様式・人物背景がわからないので、上記2冊は読んでおかないときついです。

  • まず「サーティフィケイト」ってなんだろうと思っていたが、それは本文を読むと分かる。
    レオナの強さと弱さを感じれて「ああ、レオナは御手洗が良いんだ」と心底思ってしまう。
    普通ハリウッド最高級の女優だったら、途中で投げ出しますよ。
    泥まみれになろうともレオナは人として凄い人だなあと尊敬してしまいました。

    そして、最後の文続編ありなんですか?と島田先生に掴みかかりたくなりました。(実際には無理ですけど……)。

  • 未成年の方、レオナファンの方、何より猟奇殺人といいますか、そういう描写が苦手な方は読まない方がよいかと思いまーす。
    かなりグロイですから☆(そうでもないかな)

    私は結構平気なんですよね・・・・。

    確かにレオアファンはちょっと引くかもしれない。
    「暗闇坂〜」の最後の方の性癖なんぞでご理解できる人はそうでもないかもしれないけど、何だかなぁ。まぁ男がダメっていうんならしょうがないよねぇ。
    ホントなら御手洗さんが好きでしょうがないんだろうけど、
    それは一生叶わない願いだから。

    最後は何とも微妙なところだけど、あぁ、何かわかるよね、ってそんな感じ。
    妬みとか、憧れとか、強い思いは別の方向に時としていってしまう場合があるのだなぁと。

    御手洗さんの事件の年表を見てみたのですが、この事件の後に「レオナからの手紙」が続くのですね、ずっと前に読んだのであんまり覚えてないな。
    その後「さらば遠い日の輝き」と続いて、御手洗さんの心情を知る訳で。
    レオナは好きな女性だから、これを読むとちょっと切なくなりました。

    この本はこれで、終わったのだけど最後に2年後に続く事件の前置きともなってます。
    「エンゼル フライト」

  • いやあ、おもしろかった!! 久々の一気読み。
    スナッフビデオ、ハリウッド女優たちのレズごっこ、殺人死体から子宮がとられ、
    ケルト神話、ローマ崩壊伝説、クローン人間、性転換など
    私の「好き」がすべて詰まっていてたまらない。
    しかし島田先生はレオナに対して複雑な思いを持ってるんだろうな。すごく憎いし
    すごく好き。めちゃくちゃにしたいという書き方がひしひし伝わってくるが、
    最後までかばうし。でも容赦はないし。
    ところでこれはミステリでもなんでもないので、たぶん初見の人が
    読んでも面食らうだけかと(そんな人はいないと思うが)。
    だが御手洗が出てくると無条件に「キャー」となってしまう乙女心。信者はダメだね。
    ラストは、ネタばらしの部分はともかく、レオナ元気だなwwと思いました。無理が否めん。

  • 【ストーリー】<br>
    レオナの親友で肉体関係もあった女優、パトリシア・クローガーが殺害され、犯人の手によってその過程を映したフィルムがロスアンジェルス市警に送りつけられた。発見時、遺体からは子宮と背骨が奪われていた・・・。富と貞節なき性に溺れるハリウッド女優を憎むらしい犯人が次に狙うのは大スターのレオナ・・・!?レオナに面会を認められレオナの邸宅に住み着く成り行きとなった記憶喪失の美女、ジョアンもまた、目が覚めたときに腹部に傷跡があり、臓器が幾つか奪われていたと言う。彼女の恋人で子宮がキーとなるケルトの物語を多く語ってくれたイアン・マッキンレーは突然姿を消している。ジョアンに言わせれば彼は人間ではなく妖精だと言う。イアンは事件に何か関与しているのだろうか。レオナは親友の復讐のため担当刑事エドの力を借りて犯人捜索に乗り出すが・・・・。<br><br>
    【感想】<br>
    スリルがあって、テンポも良くて、楽しく読むことが出来ました。華やかなハリウッドに影のようにへばりつく胡乱な暗黒面を描いています。色々胡散臭いところがあってそれもまた作品の雰囲気にあっていて面白かったです(笑)ケルトの民話や史実など紹介されていて、興味深かったです。ロスが舞台でコミカルな会話や演出が海外らしさを盛り立てていますが海外のミステリーとはやはりアプローチが違って日本のマニアックな本格らしさ(というか島田先生の作品らしさ)がしっかりあって、不思議な作品でした。御手洗はワンシーン出てきます(笑)最初どうなることかと思いましたが、レオナの大活躍、カッコいいです。

  • レオナが主人公のミステリです。ケルト民話やハリウッドの虚構に満ち溢れた話でかなりのボリュームなのですが、ぐいぐいと引き込まれて、予想よりずっと早く読了することができました。

    途中、レオナってこんな女性だっけ?と思ったのですが、その疑問もちゃんと解決してくれ、真相にも驚かされるラストが圧巻です。

    何かとミタライアンから迫害を受けているレオナですが、この本を読んだらレオナの勇姿に惚れ惚れするんじゃないかと思います。そのくらい勇敢で、かっこいい、ハリウッド一の女優っぷりを発揮しています。

  • なんだか色々と難解でしたが、最後の痛快さはさすが。というか、これ自体が続きものだしこの後にも続くんですね。読まなきゃ。

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著者プロフィール

島田 荘司(しまだ そうじ)
1948年、広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。
1981年、『占星術殺人事件』でミステリー界に衝撃的なデビューを果たして以来、累計600万部に達した名探偵・御手洗潔シリーズや、刑事・吉敷竹史のシリーズを中心に数々の傑作、意欲作を発表。
2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。
「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の立ち上げ、選考を務めるなど、新たな才能の発掘と紹介にも積極的に取り組み、名実ともに現代本格ミステリーの旗手となっている。
近著に『アルカトラズ幻想』(2012年 文藝春秋)、『星籠の海』(2013年 講談社)、『幻肢』(2014年 文藝春秋)、『新しい十五匹のネズミのフライ ジョン・H・ワトソンの冒険』(2015年 新潮社)がある。

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